アフリカ照準…中国流の援助外交 胡主席、資源確保に奔走

http://www.sankei.co.jp/kokusai/china/070208/chn070208000.htm


 胡錦濤・中国国家主席は6日、訪問中のアフリカで大陸随一の経済大国、南アフリカに入った。先月末から12日間、計8カ国に及ぶ今回のアフリカ歴訪も、モザンビークセーシェルを残すのみとなり、最終盤を迎えた。

 行く先々の資源国で経済援助を奮発した最大の狙いが、資源の確保にあるのは明らかだ。だが、安い中国製品の大量流入が経済を混乱させているといった不満も現地には強く、中国流の対アフリカ外交も岐路にさしかかっているようだ。ロイター、AP、AFPの各通信社の報道などを基に胡主席のアフリカ行脚をまとめた。(佐藤貴生)

カメルーン

 国交樹立から36年で中国指導者として初めて、1月30日に訪問した。ビヤ大統領と会談、供与や低利融資などで約1億ドルの資金を提供することで合意した。対中債務の帳消し(額は不明)にも応じ、商都ドゥアラに学校2校と病院を建設、首都ヤウンデの病院に医療器具などを提供することでも合意した。大統領は会談後、「カメルーンへの投資を(主席に)呼びかけた。ガスや石油、鉱物開発では無限の機会がある」と、中国による資源開発に期待を寄せた。

リベリア

 数年前に台湾と断交、中国と復交した。胡主席は、内戦で疲弊し失業率が80%を超す経済の復興のため、1000万ドル余の対中債務帳消し、今後2年間にわたる総額2500万ドル相当の事業の実施、関税の免除方針を表明。2月1日に会談したアフリカ初の女性大統領サーリーフ氏も「民間資本と投資家が必要。国家主席、貴国の助けを当てにしている」と、資源分野への投資を求めた。

スーダン

 この国の石油生産量の3分の2を輸入する一方でダルフール紛争にはダンマリの中国に、国際的批判は強い。中国企業と合弁で設立された現地の製油所や各種建設事業などで数千人もの中国人が働いている。2日のバシル大統領との会談では、さすがに、紛争解決努力の注文を付け、紛争をめぐる人道支援に480万ドルを拠出するとしたものの、声明には盛り込まずじまい。大統領宮殿建設への1200万ドル無利子融資と、債務帳消しも約束した。

ザンビア

 3日に到着し、ムワナワサ大統領との会談で、「経済貿易協力区」の設置で合意、8億ドルの拠出を表明した。この世界有数の銅輸出国での銅の開発協力をさらに強化する。債務免除に加え、洪水被害対策に15万ドルの支援も行う。180前後の中国企業が進出、衣料業界などでの劣悪な労働環境や低賃金、度重なる工場閉鎖には現地住民の不満も強い。2005年、現地職員50人の死亡事故が起きた中国企業経営の銅山訪問は抗議デモへの懸念から、中止された。

ナミビア

 ポハンバ大統領との間で5日、小学校建設などを目的とする410万ドルの無償供与と同額の低利融資を新たに行うことで合意。中国人観光客を増やすことや経済・技術協力協定にも調印した。04年からはウランの輸入を始めるなど、地下資源の輸入拡大を図っている。安価な中国製品の大量流入に伴う自国産品の値崩れへの批判もあり、国内人権団体は中国人社会への反発が高まりかねないと警鐘を鳴らしている。

南アフリカ

 6日からの訪問でムベキ大統領と経済、農業分野における協定を締結した。ブドウの衛生管理、タバコ、リンゴなどの輸出入拡大を盛り込んだ議定書にも調印した。昨年の中国との2国間貿易高は90億ドルに迫る勢いで、この国でも中国製品の氾濫に対しては野党などから批判が上がる。同大統領はしかし、1月から国連安保理非常任理事国になれたことについて中国の支援に謝意を表明、蜜月関係を印象付けた。

http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070207/1170881706に対して中国はこうですな。