米のキューバ経済制裁 見直し機運高まる 「中国に商機奪われるな」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070331-00000008-fsi-bus_all


 米国で対キューバ経済制裁の見直しを求める声が高まりつつある。経済制裁で身動きの取れない米企業を尻目に、中国や南米のベネズエラキューバ向け輸出やキューバ領海内のエネルギー資源開発に続々と進出しているからだ。関係業界は商機を奪われかねないと焦りを募らせている。

 ≪“詣で”活発化≫

 米誌ビジネスウイーク(電子版)によると、ネブラスカ州のハイネマン知事は州幹部や経済界のリーダーを引き連れてキューバを訪問。26日、食料品、農産物などのキューバ向け輸出商談を展開した。アイダホ州知事も4月のキューバ訪問を予定しており、農業州を中心としたキューバ詣でが活発化している。

 輸出先としてのキューバ市場の大きさが見直されていることが、こうした動きの背景にある。

 米国は2000年の制裁の一部緩和で食料、医薬品に限り現金決済による輸出を認めた。主な輸出品はトウモロコシ、大豆、小麦、コメ、鶏などの農産物やコーラ、マヨネーズ、ホットソース、菓子などだ。

 キューバで輸入窓口となっている輸入企業、アリムポートの集計では、01年からキューバ向け輸出は22億ドル(約2600億円)に達し、米国はキューバ向けで最大の食料輸出国となっている。

 しかし、06年のキューバ向け輸出は3億4000万ドルで、前年比3%減少した。AP通信によると、米キューバ貿易経済協会(ニューヨーク)のカブリッチ上級政策アドバイザーは「中国やベネズエラからのキューバ向け支援」が輸出減少の原因と指摘。ロイター通信はキューバと中国の06年貿易額が前年から18億ドルに倍増したと報じた。

 ≪目と鼻の先に≫

 エネルギー資源獲得を狙う中国やカストロ国家評議会議長の盟友といわれる南米左派ベネズエラチャベス政権はキューバとの結びつきを急速に強めつつある。

 約50億バレルの原油があると推定されるメキシコ湾内のキューバ排他的経済水域EEZ)では、ノルウェーやインド、ベネズエラや中国の企業が試掘権を得ているが、米国のエネルギー業界は経済制裁が足かせになり、参加できない状況だ。

 議会も中国が米国の目と鼻の先にあるエネルギー資源を買いあさっている現状に危機感を募らせており共和党のラリー・クレイグ上院議員らは30日までに制裁を緩和し、米企業の石油・天然ガスの開発を認める法案を提出した。

 食料輸出についても、共和党のジェリー・モーラン下院議員が、キューバ側と米金融機関との直接支払いを認め、輸出拡大につなげる内容の制裁緩和法案を打ち出した。

 関係者はエネルギー安全保障を一段と重視する姿勢を強めているブッシュ政権に、制裁解除への期待を膨らませている。(坂本一之)
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【用語解説】米国の対キューバ経済制裁

 キューバ革命に続く両国の国交断絶を受け1962年に当時のケネディ大統領が輸出入を全面的に禁止して以来、45年にわたり続いている。96年に外国企業にも対象を広げる制裁強化法(ヘルムズ・バートン法)が成立。2000年には食料や医薬品の輸出を認めるなど一部緩和された。

キューバEEZ 石油試掘活発化 制裁法ネックで「不参入」 いらだつ米企業
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070322/1174572826
あたりから言われてますな。日本はどうしてるんでしょうか。