ソマリア内戦「最悪の事態」 首都で無差別市街戦

http://www.asahi.com/international/update/0413/TKY200704120312.html

 東アフリカのソマリアの混迷が深まっている。暫定政府を支えるエチオピア軍とイスラム勢力との戦闘は市街地での無差別攻撃と化し、赤十字国際委員会(ICRC)は過去16年間の内戦の中でも「最悪の事態」と表明した。暫定政府はそれでも国内の全宗派を集める和解会合を16日に開き、政権の正統性を訴える予定だが、開催は不可能との見方が広がっている。

 現地からの報道によると、首都モガディシオで3月29日から市街戦が始まり、戦車やヘリコプターも投入された大規模戦闘になった。今月1日までの4日間だけで市民を中心に約400人が死亡、約1000人が負傷し、路上に死体が散乱。2月以降の累積で首都人口の1割に当たる12万4000人が難民化したという

 今月2日にイスラム勢力の長老とエチオピア軍司令官が協議し、遺体などを片づける間の暫時停戦に合意。欧州連合(EU)や国連などは3日にカイロで開いたソマリア情勢会合で、過剰な武力行使による被害拡大の懸念を表明した

 昨年末、エチオピア軍に追われるまで首都を一時的に統治した「イスラム法廷連合」の首相に当たる最高評議会のアフメド議長は3日、朝日新聞の取材に対し、エチオピア軍は集団虐殺を犯したと非難。同軍が完全撤退するまで抗戦を続ける方針を示した。

 一方で議長は、暫定政府を支援する米政府の複数の外交官と最近、ケニアとイエメンで接触したことを明らかにした。議長はエチオピア軍の撤退を伴う和平交渉を提案。米側は同氏の個人的な和平努力は歓迎した一方で、「イスラム法廷連合」との交渉はしない姿勢を示したという。

 そうした中で米国務省フレイザー次官補(アフリカ担当)が7日、モガディシオを訪問。ユスフ暫定大統領らと会談し、国民和解と暴力の沈静化を求めた。米高官の訪問は、93年に同地で米兵18人が殺害された事件以来だが、米政府には特に事態収拾へ向けて積極介入をする意図があるわけではない

 アフメド議長は「ソマリアイラクと似ている。イスラム勢力が抵抗活動を主導しているのではなく、占領軍に対する民衆蜂起が起きている」「(米国など)外部からの支援がなければ、エチオピア軍は最長でも3カ月とどまれないだろう」と語った。

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 〈キーワード:ソマリア〉 人口約820万で大半がイスラム教徒。91年、反政府武装勢力によりバーレ大統領が首都を追放され、内戦状態に。00年に隣国ジブチにできた暫定政府と、支援するエチオピア軍の連合軍が昨年末、「イスラム法廷連合」から首都を奪取。国連特別代表は今年1月に「平和構築の絶好の機会」と宣言したが、イスラム勢力が反攻に出て泥沼化した。

北朝鮮エチオピアに武器輸出、米は黙認…米紙報道http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070409/1176068022
とかもありましたが、米は積極介入する意図は無いということですね。