ロシア、ウラン濃縮施設にIAEA核査察受け入れへ

http://www.asahi.com/international/update/0412/TKY200704120273.html

 来日中のロシアのキリエンコ原子力庁長官は12日、東京都内での記者会見で、同国の民生用ウラン濃縮施設に国際原子力機関IAEA)の査察を受け入れると表明した。核燃料サイクル関連施設への査察受け入れは初めて。ロシアは、日本を含む外国からウラン濃縮を受託する計画を立てており、査察に応じることで核拡散上の懸念を払拭し、事業を軌道に乗せる狙いがあるとみられる。

 保有5カ国は、核不拡散条約(NPT)に基づく査察受け入れ義務がない。だがロシアは、米、中、英、仏が任意で受け入れる中、事実上受け入れを拒否していた。

 同長官は「ロシアでは原子力分野の再編が進み、施設を軍事と民生に分ける作業が進んできた」と述べ、「民生施設はオープンで透明性を持ったものでなければならない」と指摘。今年1月、東シベリアのアンガルスクにある民生用ウラン濃縮施設を査察の対象に含めるとIAEAに通告し、3月には査察官が実際に現地を訪れて査察範囲について協議を始めたという。

 日ロ両政府は2月、原子力分野での協力強化に向けて協定を結ぶ交渉を始めることで合意している。だが甘利経済産業相は、ロシア側に対し、「原子力協力を行うには、IAEAの査察が必要だ」と伝え、他の関係国からも、査察受け入れを求める意見が強まっていた。

 今回のロシアの査察受け入れで、大きな障壁が取り除かれる。キリエンコ氏は「今年中に作業を完了させたい」と協定の早期締結に期待を示した。

 プーチン大統領は06年1月、ウラン濃縮を各国から受け入れる国際センター構想を提案。日本も回収ウランの濃縮をロシアに委託する方向で検討していたが、ロシアの原子力分野の閉鎖性などが問題となっていた。

そうだったのか。知りませんでした。