トルコ 憲法裁が大統領選「無効」判断 首相、国会解散を表明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070502-00000029-san-int
トルコ情勢ですが、報道によってかなり差がある気がします。とりあえず目に付いたものを

 【カイロ=村上大介】トルコのエルドアン首相は1日夜、同国の憲法裁判所が4月27日に国会で行われた大統領選挙の第1回投票を「無効」と判断したことを受けて、国会の解散・総選挙に踏み切る意向を表明した。首相は国民の直接投票による投票を導入するなどの憲法修正案を早急に議会に提案する考えも示した。

 首相は記者会見で、イスラム系の与党「公正発展党」(AKP)の幹部と協議で、今年11月に予定されていた総選挙を6月24日か7月1日に前倒し実施することを決め、5月2日に国会に諮る意向を示した。

 それとともに、大統領の任期や選挙方法などを大幅に改革する憲法修正案を早急に国会に提案し、できれば総選挙とともに直接投票による大統領選挙を実施したいとの考えを明らかにした。

 首相が示した改革案は
(1)国会議員が投票する現在の大統領選挙の仕組みについて、国会での第1回投票で決まらない場合は国民の直接投票を実施する
(2)7年1期の大統領任期を再選可能な5年(任期最長10年)に改める
(3)5年に1回の総選挙を4年に1回とする
−などの内容。フランス通信(AFP)によると、AKP幹部は、前倒し総選挙までに憲法修正が実現できなければ、総選挙と同時に修正案の是非を問う国民投票を実施したいとしている

 憲法裁は5月1日、AKPが大統領候補に擁立したギュル外相に対する4月27日の国会(定数550)での第1回投票が3分の2の定足数を満たさなかったとして「無効」を宣言した。

 これに対し、AKPは3日に改めてギュル氏を候補として国会で再選挙を行うとしている。しかし、第1回投票の「無効」を憲法裁に訴えた最大野党の共和人民党(CHP)をはじめとする国会の世俗主義勢力は再選挙も同様にボイコットし、再び定足数に満たない可能性が高い

 トルコは、政治や社会から宗教的要素を排除する政教分離世俗主義)を国是としており、世俗主義の守護者を自任するトルコ軍や世俗主義政党は、AKPが政教分離政策の緩和を狙っていると警戒。元イスラム主義者のギュル外相の大統領就任に強く抵抗している。

憲法修正の可能性はどれくらいあるのか、よくわかりませんね。

総選挙前倒しを国会に提案=大統領選は6日再開目指す−トルコ与党
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070502-00000182-jij-int

 【エルサレム2日時事】トルコのエルドアン首相は2日開かれた国会(定数550)で、総選挙を6月24日に前倒し実施するよう提案した。同首相はこの日の国会で、世俗派野党による大統領選の投票無効申し立てを受け入れた憲法裁の対応について、「民主主義に銃弾を撃ち込んだ」と厳しく非難し、不信感をあらわにした

 また、アナトリア通信によると、同首相が率いるイスラム主義の与党・公正発展党(AKP)は大統領選の再開を目指す方針で、仕切り直しの第1回投票を6日に行いたい意向を示した。

 同国の規定によれば、国会で行う大統領選は30日以内に完了させる必要があり、今回の選挙では今月15日が期限となる。AKPはそれまでに野党側への働き掛けを強め、憲法裁が必要と認定した定数の3分の2以上の出席議員確保を目指す考えだが、実現は困難な状況だ

うーん「民主主義に銃弾を撃ち込んだ」てのも、一時の軍隊がどうのこうのというよりは、民主主義的だと思ったんですが、かなりの非難ぶりですね。
イスラム系首相に大統領選不出馬求めトルコで30万人デモ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070416/1176733164
の状況よりは改善されてる気がしますが。

『大統領選は30日以内に完了させる必要があり』なんですね。『実現は困難』とのことですが。

トルコ:首相の総選挙方針、背景に勝利の目算
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070502k0000e030037000c.html

 【ティール(レバノン南部)前田英司】トルコ大統領選の混乱を巡り、同国のエルドアン首相=イスラム系与党・公正発展党(AKP)=が総選挙を辞さない方針を示した背景には、総選挙に踏み切ってもAKPが勝利できるとの目算があるためとみられる。トルコからの報道によると、首相は2日、総選挙とともに、大統領を国民の直接投票とする選挙制度改正を合わせて国会に提案するとされ、反発を続ける野党ら世俗派に対して妥協を迫る「最後通告」の狙いもあるとみられる。

 大統領選には今回、AKPから唯一、ギュル外相が立候補しており、事実上の信任投票となっていた。当初はエルドアン首相の大統領への転身が有力視されていたが、国是である政教分離の原則が侵されることを警戒する野党ら世俗派への配慮もあって、より穏健で改革志向とみられているギュル氏を擁立した。しかし、歴代大統領は世俗派の出身者が占めており、AKPが野党との候補者調整にも応じなかったことから、世俗派の反発は激化の一途をたどった

 ただ一方で、02年にAKPの単独政権発足後、トルコ経済は堅調に成長を続け、欧州連合(EU)への加盟交渉も本格化したことなどから、同党には根強い支持もある。また、トルコのアナトリア通信によると、エルドアン首相は国会議員の被選挙権を「30歳以上」から「25歳以上」に引き下げるよう憲法を改正し、AKPにさらに有利とされる状況を整えてから総選挙に踏み切ることを狙っているという。このため、総選挙になってもAKPは党勢を維持できるとの見方が強い

 総選挙に突入すれば、初のイスラム系大統領の誕生阻止というとりあえずの「成果」を上げる野党にとっても厳しい状況であり、当面、政局が流動化するのは避けられない情勢だ。

毎日新聞 2007年5月2日 11時29分

『AKPが野党との候補者調整にも応じなかった』ってのも過去記事すぐにさがせればいいんですけど、また後でできたらやりたいなと。こちらの記事では総選挙をすればAKPが勝利できるとの見方らしいですね。そうすると世俗派は大統領選でもAKP系を認めざる得なくなる感じでしょうか。

トルコ、早期総選挙へ 大統領選を憲法裁が無効と判断
http://www.asahi.com/international/update/0502/TKY200705020301.html

 トルコ大統領選をめぐり、同国憲法裁判所は1日、親イスラム与党の候補が当選を目指した先月の第1回投票を無効とする判断を示した。この決定を受けてエルドアン首相は国会の早期解散・総選挙を表明し、与党は6月24日の総選挙実施を議会に提案した。また、直接選挙で大統領を選ぶとの憲法改正を与党が提案するとの情報もある。国是としてきた世俗主義と台頭する親イスラム派がせめぎ合う政局は、一気に流動化してきた。

 憲法裁幹部は1日に記者会見し、野党の多くがボイコットし、出席議員数が規定の国会定数の3分の2に満たなかった第1回投票を無効とし、「選挙プロセスを中止する決定が下された」と表明した。野党は選挙無効を主張し提訴していた。

 これを受け、与党・公正発展党(AKP)のエルドアン首相は同夜、テレビで「われわれは急いで国民のもとへ行く」と、民意を問う考えを表明。AKPは2日、総選挙を6月24日に行うとの正式提案を議会に提出した。総選挙は国会が任期満了となる11月ごろに予定されていた。

 また、ロイター通信は2日、AKP議員の話として、大統領を直接選挙で選ぶための憲法改正案をAKPが準備しており、同日議会に提出する予定と伝えた。大統領の任期も現在の7年から5年に短縮するという。憲法改正には議会の3分の2の賛成が必要。

 今回の大統領選は、元憲法裁長官で世俗主義を貫くセゼル現大統領の任期が5月16日で満了となるのに伴うもの。国会議員の投票で選ばれる。与党AKPからギュル外相が立候補し、先月27日に国会で第1回投票が行われたが、定数550のうち出席議員が規定の3分の2に届かず、当選は決まらなかった。

 憲法規定で、2回連続で3分の2以上の支持を得た候補がいない場合、3回目からは過半数で当選となる。AKPは議長分を除き単独で352議席を占めるため、ギュル氏の当選は確実と見られていた

 しかし、政教分離原則が脅かされるとの危機感を強める世俗派は、議会第2勢力の共和人民党(CHP)などが選挙をボイコットする戦術に出た。

 憲法裁が判断を出す直前には、世俗主義の守護者を自任する軍が、親イスラム政党が大統領を握る事態になれば介入も辞さないとする警告を出していた。

 これに対し首相は、「民主主義では投票箱よりもよい『警告』はない」と述べ、60年代から4度にわたりクーデターなどで政治介入してきた軍との対決姿勢も明確にした

すみません、にわかで。4度の『クーデターなど』は知りません…
つーか、5/16で任期満了になるのに間に合うんですかね。

欧米がトルコ軍に警告「民主主義尊重を」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070430/1177952504
のように再び欧米からの意見が出ますかねぇ。