軍部がジャーナリストを拘束と バングラデシュ

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200705110015.html

2007.05.11
Web posted at: 16:37 JST

  • CNN

(CNN) 非常事態宣言下のバングラデシュで人権擁護などを訴えてきたジャーナリスト、タスニーム・カリル氏が14日朝、軍部を名乗るグループに拘束されたことが分かった。同氏の夫人が、CNNへの電話で語った。

夫人によると、軍情報部門の要員とみられる男4人が、同氏を自宅から連行した。グループは自宅を捜索し、パスポートや携帯電話、コンピューター、文書など「すべてを持ち去った」という。容疑は告げず、「これ以上のことが起きてほしくなければ静かにしろ」と同氏を脅迫した。

カリル氏は同国の英語紙デーリー・スターに記事を執筆していたほか、CNNなど複数の報道機関の特派員としても活躍。さらに国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウオッチ」のスタッフにも名を連ね、昨年末には同国治安当局が殺人、虐待に関与しているとの報告書をまとめていた

カリル氏は、ダッカ市内の軍基地に収容されたとみられる。ヒューマン・ライツ・ウオッチは、同国で今年1月に非常事態宣言が出されて以来、数千人が軍部に拘束され、その多くが虐待を受けてきたとして、カリル氏の身の安全に「非常に深い懸念」を示している

バングラディシュもまったく気にかけてなかったわけではないですが、大変ですね。こんな↓記事もありました。
2007/01
バングラデシュ国会議員選挙 野党ボイコット混乱
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070111-00000005-san-int

 【バンコク=岩田智雄】今月22日に予定されるバングラデシュの国会議員選挙は野党連合がボイコットしたことで混乱を極めている。各地で反政府デモを行う野党支持者と警官隊が衝突し、この3日間で300人以上が負傷した。選挙管理内閣は与野党2大政党の妥協を促すことで政局の正常化を図っている。

 首都ダッカでは10日、軍や警察が厳戒態勢を敷く中、アワミ連盟(AL)を中心に野党連合が数万人規模の集会を開いた。ALのハシナ党首は14日以降大統領府周辺で抗議デモを展開、全国で交通封鎖を行い、21日からゼネストに突入する考えを明らかにした。

 国会議員の任期が昨年10月に切れ、現在アハメド大統領を首席顧問とする選挙管理内閣の下で選挙が行われる予定だ。当初、野党連合は、首席顧問がジア党首率いる与党バングラデシュ民族主義党(BNP)寄りと指摘した上で、投票者名簿に膨大な架空の氏名が掲載されていると非難。選挙のボイコットをちらつかせた

 野党連合はいったん選挙への参加を表明したものの、今月3日一転してボイコットを表明。野党支持者は各地でデモや交通封鎖を行うなど治安は悪化し、昨年10月以降、与野党支持者の衝突により約40人が死亡した

 アハメド首席顧問は選挙を予定通り行うとしているが、デーリー・スター紙(電子版)によると、選挙管理内閣は9日、ALと妥協策について協議、選挙の1カ月延期を提案した。同内閣は混乱を収拾するよう米国などから強く要請されており、解決策を見いだそうとしている。

 ダッカの識者は
(1)選挙を強行し、投票者名簿を作り直して1年後に再選挙
(2)非常事態を宣言し、各党各界の代表者で暫定政府を樹立した上で選挙
−などの見通しを示している。最悪のケースとして軍によるクーデターを警戒する声もある。

 バングラデシュでは過去、対立するBNPとALの2大政党が骨肉の争いを続け1991年以降、政権交代を繰り返してきた。96年当時も野党だったALは選挙をボイコットし、4カ月後に出直し選挙が行われ、ALが政権を奪還している。

【用語解説】バングラデシュ

 1971年、旧東パキスタンが独立して成立。ベンガル湾に面する肥沃なデルタ地帯にある。人口約1億4200万人。国教はイスラム教で人口の9割近くを占め、残りはほぼヒンズー教徒。アワミ連盟(AL)は、建国の父ムジブル・ラーマン初代大統領を与党として支えた。同氏は1975年、軍将校によるクーデターで家族ともども暗殺された。ハシナ現党首は同氏の長女で、海外にいたため暗殺を逃れた。2004年にはハシナ党首を狙った爆弾テロがあり、アワミ連盟は与党の関与を主張している。バングラデシュ民族主義党(BNP)はクーデター後実権を掌握したジアウル・ラーマン陸軍参謀長が結成。同氏は大統領に就任したが81年、軍人グループに暗殺された。ジア党首は同氏夫人。両党の関係は極めて悪い。

2007/01
バングラデシュ大統領、暫定首相を辞任…総選挙は延期
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070112-00000202-yom-int

1月12日10時33分配信 読売新聞

 【ニューデリー=永田和男】バングラデシュのアハメド大統領は11日、全土に非常事態を宣言するとともに、2006年10月から兼任していた選挙管理内閣の暫定首相を辞任すると発表した

 これにともない、1月22日に予定されていた総選挙は延期になった。

 アハメド氏は11日深夜(日本時間12日未明)のテレビ演説で、暫定首相辞任は「全政党が参加できる選挙に道を開くためだ」と述べたうえ、数日中にも発足する新しい選挙管理内閣が「すべての政党との対話を通じて、新たな選挙の準備を始める」とも語った

 総選挙を巡っては、アワミ連盟(AL)主導の野党連合が、与党バングラデシュ民族主義党(BNP)寄りのアハメド氏の下では自由で公正な選挙を保証出来ない、として3日に選挙ボイコットを表明し、暫定首相辞任や有権者名簿更新、選挙日程変更を求める抗議行動を展開していた

2007/02
非常事態下で元閣僚含む3万人拘束 バングラデシュ
http://www.asahi.com/international/update/0205/010.html

 与野党対立が激化し、非常事態宣言下で総選挙が延期されたバングラデシュで、治安当局による政党活動家らの拘束が相次いでいる。4日には与野党の元閣僚らも拘束され、1月11日の宣言以後、拘束は3万3000人に上るとの報道もある。多くが汚職などの容疑とされ、選挙の実施に向けた動きとみられるが、混乱収拾のめどは立っていない。

 同国の憲法の規定では、政権が5年の任期を終えると、中立な選挙管理内閣に行政を引き継いで選挙実施を任せる。昨年10月末、規定に基づき、与党バングラデシュ民族主義党政権が、イアジュディン・アハメド大統領を首席顧問とする選管内閣に引き継いだ。総選挙は1月22日に予定されていた。

 だが、アワミ連盟が率いる野党連合が「選管内閣が与党寄りだ」として不参加を表明。暴動も起きたため、アハメド大統領が非常事態を宣言して顧問を辞任した。選挙は延期され、ファクルディン・アハメドバングラデシュ中央銀行頭取を首席とする新選管内閣が発足した

 治安当局はその後、政党関係者らを次々と拘束。4日には、民族主義党のフダ前通信相やアワミ連盟のナシム元内相ら有力政治家も拘束した。当局は理由を公表していないが、選挙を前に汚職の一掃を掲げる新選管内閣の指示とみられ、内閣の中立性を示し、公正な選挙を促すように示唆したものと受け止められている。

 だが、強権発動には批判もある。英字紙デイリースターは「拘束下で19人が死亡」と報道。人権団体のヒューマンライツ・ウオッチが抗議した

 一方、選挙の実施時期は未確定だ。選管内閣は、野党側が要求した新たな有権者名簿を作成する方針だが、作業は始まっていない。1月31日、野党が「与党寄り」と批判していた選挙管理委員会の委員長らが辞任。4日に新選管委員長が指名され、名簿作成を進めるが、数カ月かかるとの見方が出ている

 非常事態宣言下で政党の街頭活動が禁止され、市民生活は平常に戻ったが、宣言の解除時期は不明で、先行きの見えない状況が続いている。

2007/05
バングラデシュ:「殺人罪で逮捕状」のハシナ元首相帰国
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20070508k0000m030115000c.html

 【ニューデリー栗田慎一】殺人罪で逮捕状が出ているバングラデシュのハシナ元首相が7日、滞在先の英国から空路帰国した。逮捕状は先月22日に出され、暫定政府は事実上の「国外追放処分」としていた。警察当局が逮捕する可能性が高い

 ダッカに到着した元首相は報道陣に罪状を否定し「暫定政府は私を帰国させないという過ちを犯した」と非難。党首を務めるアワミ連盟の関係者ら約500人が、空港周辺で逮捕状に対する抗議デモを行った

 逮捕状は06年10月にダッカ近郊で与野党支持者が衝突し、死傷者が出た事件に関与したというもの。首相だった98年に発電所建設の許認可をめぐり、電力会社側から約43万ドル(約5100万円)を強要した罪でも訴追されている

毎日新聞 2007年5月7日 21時29分

なんとか治まってほしいものですが。