G8声明でヘッジファンドの「行動規範」への言及ない見込み

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070516-00000874-reu-bus_all

 [ベルリン/パリ 15日 ロイター] ドイツ政府筋によると、18日からドイツのポツダムで開く主要8カ国(G8)財務相会合後の声明で、ヘッジファンドの「行動規範」という文言が盛り込まれる可能性は低い、との見通しを示した

 この関係筋は記者団に対し「(行動規範という)言葉が使われないとしても、ドイツがこの問題をあきらめたとは考えないでもらいたい」と語った。

 同筋はまた、G8会合で為替に関する討議はないと指摘。「中銀総裁は(今回の会合に)出席しないし、状況は前回ワシントンで開かれた(7カ国財務相中央銀行総裁)会議以降、大きく変わっていないと思う」と話した。

 G8財務相会合の声明草案によると、インフレ上昇圧力は緩和しつつあり、世界経済成長見通しへのリスク減退につながるとの文言が盛り込まれる見通し。

 ロイターが入手した草案では、世界経済不均衡の秩序ある是正を確保するため、各国が必要と判断される経済的戦略を推進すると表明。「世界成長は依然として力強く、地域および各国間で一段と均衡がとれている。インフレ圧力が緩和するなか、見通しへのリスクは減退したが、高水準で不安定なエネルギー価格が依然懸念材料であり、われわれは引き続き警戒していく」とした。

 そのうえで「われわれは持続的で均衡のとれた成長を促し、世界不均衡の秩序だった調整を支援する堅実な政策を今後も引き続き進めていく」との姿勢を示した。

 草案では、ドーハ開発ラウンドについても触れ、世界の経済成長を支援し、貧困削減に寄与すると指摘。確実に成功を収めるためにすべての参加国に責任があるとした。

 草案はまた、ヘッジファンドの行動規範についても言及し、ドイツが文言の盛り込みをめぐり懐疑的な姿勢を示す英米などを説得できなかったことを示唆した。

 ドイツのシュタインブリュック財務相は先週、ロイターとのインタビューで、ヘッジファンドの行動規範の枠組み設定を年末までに実現したい意向を示していた。

 ドイツは、アジア金融危機が起きた1998年に破たんの危機に陥った米ヘッジファンドロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)を例に挙げ、ヘッジファンドのリスクを指摘している。当時、LTCMの危機が金融システム全体に波及するのを防ぐため米連邦準備理事会(FRB)は介入を迫られた

 しかし英米はこの問題の議論には消極的で、日本も英米側に同調しているもよう。ドイツは、イタリアやフランスなどその他の主要国からの明確な支持も得られていない。

 今回のG8財務相会合は6月6―8日に開かれるG8首脳会議(サミット)に先立ち、その基礎固めに行われるが、ポールソン米財務長官がスケジュールの関係で欠席すると発表したほか、フランスの組閣が今週後半まで発表されないことから誰が出席するか不明となっており、議長国ドイツが望んでいたより地味な会合になる見通し。

現行の規則はヘッジファンドプライベートエクイティーが金融システムの安定性を脅かすことを阻止する機能を十分果たしている。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070224/1172338968
の下のほうの関連ですね。こっちではフランスはドイツよりっぽく書かれてましたが。

ロングターム・キャピタル・マネジメントというと
破綻の米ファンド創設者 世界同時株安で“勝者”に
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070303/1172880910
にも出てましたね。