五輪で立ち退き 「北京」125万人 スイスNPO調査

http://www.asahi.com/international/update/0606/TKY200706060339.html

 居住権問題に取り組むスイスの非営利組織(NPO)が5日、この20年間に夏の五輪の準備段階で計約200万人が住んでいた場所を立ち退かされたとする報告書を発表した。08年開催の北京五輪に伴う立ち退きが約125万人で大半を占めるという。ホームレスや貧困層、被差別民族が最も大きな被害を受けており、主催者や開催国政府に事前の十分な影響評価を呼びかけている。

 ジュネーブに本部を置く「居住権・立ち退き問題センター」(COHRE)が国連人間居住センターや各国の大学と協力して巨大イベントの住民への影響を分析した。

 対象は88年のソウル大会から12年開催予定のロンドン大会までの7大会で、北京の次に多かったのがソウルの72万人。ほかにアトランタ大会(96年)では黒人や貧困層約3万人、アテネ大会(04年)ではロマ人約2700人などが会場建設に伴う住宅の取り壊しや「都市美化」のためのホームレス排除など住んでいた場所を追い出された。

 五輪だけでなく、別の巨大イベントでも立ち退きは起きる。10年に開催予定の上海万博予定地から1万8000世帯、やはり10年にインドのニューデリーで開催予定のコモンウェルス・ゲームズ(英連邦大会)に関連して3万5000世帯が立ち退かされたとしている。

 同報告書に対して中国外務省は5日、「事実無根。02年以降、五輪会場の立ち退きは6073戸で、いずれも補償金が支払われ適切に転居している。北京から立ち退きさせられた世帯は一つもない」と反論した。

まぁスイスと中国どっちを信じるかは読んだ人に任せますけど。