不法滞在クルド人逮捕、テロ組織資料を押収…埼玉県内8人

 埼玉県内に不法滞在していたクルド人8人を警視庁公安部が逮捕し、関連先を捜索した結果、数人の自宅から、トルコを拠点とする武装テロ組織「クルド労働者党(PKK)」とのつながりを示す資料が見つかった。

 同県内には、トルコからの分離独立を求めるクルド人が15年ほど前から住み始め、現在は約300人が地域社会と協調しながら生活している。8人のうちの一部はPKKの支援者であると認めており、公安部では、今後もPKKのメンバーや支援者が同県内のクルド人居住地域に潜り込む可能性があるとみて、入管当局と連携し、入国時のチェックを強化する方針。

 公安部では昨年11月〜今年4月にかけ、トルコ国籍のクルド人計8人を入管難民法違反容疑(不法滞在)で逮捕し、8人が暮らしていた同県内のアパートなどをそれぞれ捜索。数人の自宅から、PKK指導者のアブドラ・オジャラン受刑囚の著書や写真、肖像画をデザインしたPKKのシンボル旗など計数十点を発見、押収した。

 PKKは、オジャラン受刑囚が78年、トルコ国内で全人口の2割弱を占めるクルド人の分離独立を求めて結成した武装組織で、要人襲撃や爆弾テロを繰り返し、米国やEUからテロ組織に指定されている。先月22日、トルコの首都アンカラで、100人以上が死傷した自爆テロにも関与したとみられている。

 公安部の調べに、8人のうち数人は、PKKの支援者であることを認め、中には、在留クルド人の仲間から「PKKのメンバー」と名指しされていた人物もいた。このため公安部は、8人がテロの活動資金の調達や、テロリストの潜伏を支援していた可能性もあるとみて追及したが、組織の一員という直接の証拠が見つからなかったことから、全員の身柄を入管当局に引き渡し、一部はすでに強制退去処分となっている。

 同県内には、90年代にトルコ政府がクルド独立運動の弾圧を強化したことをきっかけに、迫害を恐れたクルド人が友人らを頼って住み始め、現在は約300人が、クルド文化を紹介するイベントを開くなど、周辺住民と積極的に交流しながら生活している。

 日本とトルコの間に最大90日の査証免除協定があることが、クルド人が日本を目指す理由の一つになっており、公安部では今後、この規定が悪用される可能性があるとみて警戒を強めている。
(2007年6月27日14時35分 読売新聞)

オジャランというとこの↓本に出てました。

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

世界テロリズムマップ (平凡社新書)

トルコ
敗れた「クルド解放の闘士」
――アブドゥッラー・オジャラン[クルド労働者党PKK]……97
外国人も攻撃、泥沼の戦い/「クルド人スターリン」?/犠牲者はクルド人/何のための戦いだったのか

難しいですね。