ローマ法王、中国との関係正常化に意欲 信者に書簡

http://www.asahi.com/international/update/0630/TKY200706300262.html

 ローマ法王ベネディクト16世は30日、バチカンと国交のない中国で活動する聖職者、信者への書簡を公表し、「対話と協調の形が早く具体的になるよう望む」と同国政府との関係正常化に意欲を表明した。法王だけが持つ司教の任命権など従来の主張を強調する一方で、任命に際して政府の合意を得ることも示唆した。

 書簡は冊子の形で公表され、イタリア語版は52ページにのぼる。

 中国では断交後の50年代から、中国政府公認の「天主教愛国会」系教会の信者と、法王に忠誠を誓い潜伏する地下教会の双方の信者が活動している。書簡はこうした信者にあてた形で、正常化への意向と、バチカンとしての基本原則を強調する狙いがあると見られる。

 書簡は、カトリック教会で法王だけが持ち、関係正常化の最大の障害とされる司教任命権を「教会の統一、一体性のため必要不可欠」と説明。教会への法王の絶対的な権限を「宗教の名による内政干渉」とみる中国政府を意識し、政教分離の立場を強調した。

 一方で、当局による活動制限は「信仰と教会の活動の原則が不当に干渉される場合、服従は受け入れられない」などと強い言葉で牽制(けんせい)した。「愛国会」が独自に行う司教任命についても「(カトリックの教義と)相いれない」とした。

 信者には「信仰のために犠牲を払いながら福音への忠誠を示してきた」とねぎらった。現法王は05年の就任以来、対話姿勢を鮮明にしてきたが、地下教会の信者の一部に中国当局への「歩み寄り」を不安視する声もあった。

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 中国外務省は30日、「法王が出した書簡に注意を払っている。バチカン側と誠実な対話を続け、意見の食い違いを解決することを希望する。バチカン側は台湾との関係を必ず断絶しなければならず、中国の内政に干渉してはならない」とコメントした。

まぁ信仰の自由と内政干渉ということでそう簡単には話がまとまるとは思えませんが、台湾の外交関係を考えると微妙な問題なんですよね↓。

2006/09
台湾、南太平洋との友好アピール 中国に対抗、6カ国とサミット
http://www.sankei.co.jp/news/060905/kok915.htm

 【台北=長谷川周人】パラオ訪問中の台湾の陳水扁総統は4日、外交関係を持つ南太平洋6カ国との初の首脳会議「台湾・太平洋友好国サミット」に出席し、8項目の関係強化策を盛り込んだ共同声明に署名した。友好国との関係強化を内外にアピールし、台湾と国交を持つ島嶼(とうしょ)国家の切り崩し攻勢を強める中国に対抗するのが狙いだ。

 共同声明では、農漁業、観光、医療衛生など8分野で協力関係の構築を目指した。巨額の援助金をばらまく中国の「金銭外交」を批判する陳総統は、会議の意義を「長期的な協力システムの構築」に置き、経済支援に関する具体的な言及は見送った。

 南太平洋地域では、中国が今年4月、フィジーで「中国・南太平洋島嶼国発展協力フォーラム」を設立、現地入りした温家宝首相が"援助外交"を展開した。台湾派の取り込みを進め、日米豪の安保協力の要衝である同地域に対する影響力の戦略的拡大を図った。

 これに対し、台湾が外交関係を持つ国は8月のチャド断交で24カ国に減った。有力国のバチカンも中国との国交樹立を模索中と伝えられ、政権内には「南太平洋や中南米の友好国の多くがキリスト教圏にあり、バチカン問題の行方次第で台湾はドミノ式に外交関係を失う危険がある(政権関係者)との見方もある。

 台湾の衛生当局によると、太平洋島嶼6カ国は台湾の世界保健機関(WHO)加盟に向けて支持を強めていくことで一致した。国連に議席がない台湾のWHOオブザーバー参加は日米も支持しているが、中国の反対が根強く実現していない。

(09/05 01:56)

追記:
赤字の件、じゃぁ台湾は何をしているのだろうと不思議になり
むじな@台湾よろず批評ブログさんの
台湾がコスタリカと断交、なぜ?
http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/9671c1df75017cfa466a7dad7b789a2a#comment
の所で、いろいろと質問してみましたが僕の認識はどうも間違っているようですね。バチカンってあんまり外交で重要じゃないのか。カテゴリ[バチカン]を作った意味が無いようなw