再送:IAEA、プルトニウム実験などの不明点解消でイランと合意

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070714-00000852-reu-int

 7月13日、IAEAは、イランの核開発問題をめぐり、同国が中部アラクの重水炉施設への査察団の立ち入りを7月末までに実施することで合意したことを明らかにした。写真は12日、IAEAのハイノネン事務次長(2007年 ロイター/Raheb Homavandi)

 [ウィーン 13日 ロイター] 国際原子力機関IAEA)は、イランの核開発問題をめぐり、同国が中部アラクの重水炉施設への査察団の立ち入りを7月末までに実施することで合意したことを明らかにした。

 IAEAのハイノネン事務次長とイランのサイディ原子力庁次官らは11・12日にテヘランで会談。イランの核開発をめぐるIAEA側の疑問に答えるための「行動計画」について協議した。

 IAEAの声明によると、ナタンツのウラン濃縮施設の監視および過去のプルトニウム抽出実験に関する不明点の解消に向けた計画を、8月初旬にも最終的にまとめることで、イランと合意した。
*写真キャプションの日付を変更して再送します。

過去のプルトニウム抽出実験ってこれ↓のですかね。
2003/11
イラン核計画の全容判明 70年代から未申告で実験
http://www.sankei.co.jp/news/031113/1113kok029.htm

 イランが1970年代から、大規模な核燃料サイクル建設を目指し、核物質を用いたウラン転換・濃縮など多数の実験を未申告のまま進めていたことが12日、国際原子力機関IAEA)が20日の定例理事会に向けてまとめた事務局長報告書で分かった。イランの核計画の全容が判明したのは初めて。

 プルトニウム抽出など核兵器製造に直結する実験も少なくなく、報告書は現時点で「核兵器開発につながる証拠はない」としながらも査察の継続が必要と結論づけた。今後、米政府が核疑惑が深まったとして非難を強めるのは必至だ。

 報告書は29ページ。本文10ページと技術的な詳細を記した補足文書、イランの核関連施設一覧、地図などから成る。

 報告書は、イランの核計画がウラン採掘からウラン転換・濃縮、軽水炉、重水炉など完全な核燃料サイクルシステムの建設を目指した大規模なもので、ウラン転換や加工など放射性物質を用いた非常に多くの実験を未申告で行っていたと指摘。

 特に、遠心分離法によるウラン濃縮計画を18年間、レーザー法による濃縮計画を12年間進めていた事実を重要視し、保障措置(核査察)協定違反があったとした。

 またイランが長年、こうした活動を隠匿してきたことを非難。今後、ナタンツの核関連施設で検出された高濃縮ウランの追跡調査などを進める必要があるとし、最終的な結果を来年3月の理事会で報告するとしている。(共同)

IAEA報告書の要旨≫

 国際原子力機関IAEA)が20日の定例理事会向けにまとめたイランの核計画に関する事務局長報告書の要旨は次の通り。

 一、イランは1999年と2002年にテヘラン近郊のカライ電気工場で、輸入した1・9キロの六フッ化ウランを用いて遠心分離法によるウラン濃縮実験を行った。

 一、88−92年、テヘラン核研究センターで、劣化ウラン放射線を照射しプルトニウム抽出実験を実施、少量のプルトニウムを抽出した。実験設備は92年に解体

 一、2000年にテヘラン北西100キロのラシュカール・アバドにレーザー濃縮法の実験施設を設置。02年10月−03年1月に輸入した金属ウランを用いてレーザー濃縮実験を実施。実験に用いた設備はすべて03年5月に解体。

 一、イランの核計画は、ウラン採掘・精錬・転換・濃縮や、軽水炉、重水炉など大規模な核燃料サイクルから成る。

 一、イランは遠心分離法によるウラン濃縮計画を18年間、レーザー法による濃縮計画を12年間にわたり進め、少量の低濃縮ウランを生産しながら、多くの実験の事実などの申告を怠った。

 一、イランは、ウラン濃縮やプルトニウム抽出のほか、非常に多くの核関連実験を未申告で実施するなど、多くの保障措置(核査察)協定違反が認められる。

 一、イランの10月末までの隠ぺい政策は、核関連活動の多くの面を隠した。申告義務不履行の多さは深刻な懸念。

 一、現時点では、イランの未申告の核物質や活動が核兵器計画に関連している証拠はない。しかし、核計画が平和目的と結論づけるにはなお時間が必要。

 一、今後の調査で緊急の課題は(これまでの査察で検出された)高・低濃縮ウランの出所の追跡調査。IAEA事務局長は04年3月の理事会に追加報告を提出する予定。(共同)

 ■レーザー濃縮法 天然ウランを原発の燃料などに使うために濃縮する方法の一つ。蒸気やガスにした天然ウランにレーザーを照射し、イオン化したり化学変化を起こしたりして、核燃料となるウラン235だけを集めて濃度を高める。米国などが開発したガス拡散法、日本などで採用されている遠心分離法と比べ、コストが低いとされる。日本でも検討されたが実用化が難航、2001年に開発を断念した。(共同)

プルトニウム抽出実験に対してまだ不明点ってあるんですかね。

2005/09にはこんな↓記事がありましたけどプルトニウムについては特に書いてないんですよね。
イランに情報開示求める IAEAが核問題で報告書
http://www.sankei.co.jp/news/050903/kok037.htm

 国際原子力機関IAEA)のエルバラダイ事務局長は2日、8月にウラン転換作業を再開したイランの核開発問題で「いくつかの重要な問題で不明点が残り、イラン側の完全な透明性が不可欠だ」として、これまでになく強い調子でイラン側に情報開示を求める報告書をIAEA理事会(35カ国)に提出した。

 IAEAは19日からの定例理事会で、この問題を協議する見通し。米国などは国連安全保障理事会への付託を視野にイランにさらに圧力をかける構えだ。

 報告書は、イランがウラン転換作業を再開したことを確認。これまでの査察により未申告の核物質やウラン濃縮の関連活動がないとは結論付けられない、と指摘した。遠心分離機から検出された高濃縮ウランについては、ほとんどが外国(パキスタン)から輸入した機器に付着していたと判断したが、低濃縮ウランを含め、すべてについての結論は出ていないとした。

 また、先月8日の作業再開から同月末までに4トンのイエローケーキ(ウラン精鉱)を転換したが、原爆の材料にもなる六フッ化ウランを製造する段階には至っていないことを明らかにした。一方、再開前の段階で、原爆製造が可能な量とされる6フッ化ウラン計6.8トンを製造していたことも確認した。

 IAEAは先月の緊急理事会で作業の即時中止とウラン濃縮関連活動の停止継続を求める非難決議を全会一致で採択。エルバラダイ事務局長に対し、今月3日までの報告を求めていた。(共同)


 イラン核問題に関する国際原子力機関IAEA)事務局長の報告書要旨は次の通り。

 一、8月10日、イランはイエローケーキ(ウラン精鉱)の転換作業を開始した。

 一、高濃縮ウランのほとんどは外国起源とするイランの主張は裏付けられる形となったが、主に低濃縮ウランについては現段階で明確な判断を下すことが不可能。

 一、(ウラン濃縮のための)遠心分離機に関しては(自国での製造計画を含め)イランの主張が正しいかどうかを確認することはまだできない。

 一、(転換作業再開後)8月29日までに約4トンのイエローケーキが転換されたが、(六フッ化ウランの前段階の)四フッ化ウランは製造されていない。再開前の段階で計約6.8トンの六フッ化ウランが製造された。

 一、未申告の核物質や(ウラン濃縮などの)関連活動がないと結論付けられる状態ではない。いくつかの重要な問題で不明点が残り、イラン側の完全な透明性が不可欠だ。(共同)

(09/03 12:14)

しかしウランの転換って六フッ化ウランを作ることじゃなかったんでしたっけ?転換したけど六フッ化ウランを製造してないってどういう意味なんすかね?