<北朝鮮核施設停止>未解明の問題山積…査察実施は不可欠

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070716-00000005-mai-int

 【ウィーン会川晴之】北朝鮮が14日、5000キロワット黒鉛原子炉など五つの核施設の停止・封印作業に入ったことで、今後は、プルトニウムの生産量、核兵器の保管場所、高濃縮ウラン(HEU)計画など、未解明の問題に焦点が移った。全容把握には「数週間か数カ月以内」(ヒル米国務次官補)に北朝鮮が提出する予定の「核計画の完全申告」に加え、国際原子力機関IAEA)による査察、検証が不可欠となる。18日から北京で始まる6カ国協議首席代表会合では激しい議論が戦われそうだ。

 北朝鮮は、核拡散防止条約(NPT)やIAEAから脱退しているため、核の番人としてのIAEAの本来の業務である査察・検証活動が実施できない状態にある。現在は、6カ国協議からの指示を受け、専門家集団として実務を執行する立場にあり、未解明の問題は手つかずの状態だ。

 このためIAEAは、エルバラダイ事務局長が3月中旬に訪朝した際も北朝鮮IAEAなどへの早期復帰を促したほか、6カ国協議にも同様の要望を伝え、全容解明に向けた査察・検証活動が実施できる体制を構築するよう望んでいる。

 具体的には、
(1)再処理施設で抽出されたプルトニウムの総量や保管場所の把握と検証
(2)プルトニウム生産量を知るために不可欠な黒鉛減速炉の運転記録の確認
(3)核廃棄物貯蔵施設の査察・検証
(4)HEU計画の検証
――などを最重要の課題と位置付けている。

 94年、米朝枠組み合意に伴ってIAEAは今回と同様に寧辺(ニョンビョン)の核施設に査察官2人を常駐させた。しかし北朝鮮側が査察活動を拒否したため、02年12月に北朝鮮が査察官を国外追放するまでの間、事態解明は進まなかった。初期段階措置に伴う現在の監視・検証体制は、94〜02年当時の状況を再現したものに過ぎないため、IAEAは今後の6カ国協議が進展することを切望している。

 一方で北朝鮮が積極的に協力し続けていることにIAEA内に驚きも広がっている。6月下旬にハイノネン事務次長(査察担当)らが寧辺の核施設を訪問した際、これまでかたくなに立ち入りを拒んできた再処理施設の廃棄物貯蔵庫を公開するなど、協力的な姿勢を示したからだ。

 ただ、北朝鮮IAEAに対しても「行動には行動で答える」との原則を強調しており、「初期段階に比べて次の段階は極めて厳しい交渉になるのは確実」との見方が大勢を占めている。

北朝鮮は核実験してるのに、そのことに全然触れられてないのがなんか納得いかないっす。
政府、IAEA活動費を負担へ=北核施設の監視、米と共同で約6億4000万円
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070707/1183810604
とか。

対して、イランの核に関してはこちら↓です。
再送:IAEAプルトニウム実験などの不明点解消でイランと合意
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070714/1184420184