上海協力機構、初の軍事演習 露が微妙な警戒感

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070808-00000910-san-int

 【モスクワ=遠藤良介】中国とロシアを盟主とする上海協力機構(SCO)6カ国による初の合同軍事演習が9日から、ロシア中部ウラル地方のチェリャビンスク州で行われる。中露両国はSCOを北大西洋条約機構NATO)に対抗する軍事ブロックに発展させるとの思惑も抱くが、ロシア側には、自国内で中国の大部隊が展開することへの微妙な警戒感も漂っている。

 合同演習「平和の使命2007」には中国から約1700人、ロシアから2000人の部隊が参加し、他の加盟国である中央アジア諸国からも約150人が派遣される。9日間の日程中、爆撃機攻撃ヘリ、装甲車を投入してイスラム過激派などによるテロを想定した演習を行う予定だ。

 ロシアが今回の演習に投じる予算は20億ルーブル(約93億円)と年間の演習予算の1割にも相当。演習開始に先立つ6日には早くも中露両軍による大規模な予備訓練も始まっており、ロシアがこの演習にかける意気込みは強い。

 SCOは01年、中露と中央アジア諸国の信頼醸成や地域内でのイスラム原理主義への共同対処を目的に発足。ロシア指導部は近年、SCOを米国の一極支配に対抗する政治・軍事ブロックとしても強く認識しており、初の軍事演習の背景にはSCOの結束を誇示する狙いがあるとみられる。

 演習の最終日にはプーチン大統領と中国の胡錦濤国家主席をはじめ、加盟国の全首脳が一堂に会しての視察も予定されている。

 中国とロシアは05年にも、中国・山東半島で合同演習を実施しているが、ロシア内陸部での大規模な合同演習は初めて。国営イタル・タス通信などロシアのメディアは、中国軍の移動状況など演習についての詳細な報道を行っているものの、その論調には、中国軍の脅威をにじませるものも少なくない。

 中国軍部隊の大部分は新疆ウイグル自治区から鉄路で約2週間をかけて1万300キロを移動したことから、独立新聞は「記録的な距離を移動することで部隊の機動力を点検するユニークな実践となった」などと、中国側の利点を強調した。
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ロシアと中国がんばってますな。しかしイスラム原理主義って言葉もどうかと、イジュティハードについてどう考えるのかと。