米国が核兵力管理で緊急分析、パキスタン政局の緊迫化で

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200708110020.html

2007.08.11
Web posted at: 19:28 JST

  • CNN

ワシントン(CNN) ムシャラフ大統領に対する野党、イスラム強硬派勢力の批判が強まるパキスタン情勢を受け、米情報機関がパキスタンの指導者が交代した場合、同国の核兵力の安全管理を中心に軍指導部、治安維持面への影響の分析を急いでいることが10日に分かった

米国の対テロ戦争と足並みを揃えるムシャラフ大統領が殺害されたり、政権が転覆した場合に備えた措置で、核兵器の流出を懸念したものともなっている。

複数の米政府筋が明らかにしたもので、この緊急分析には米国防総省、情報機関が参加している。米政府はパキスタン核兵器全部の所在地を把握しているが、政変が起こった場合にこれら兵器の管理や責任者の動向が最大の関心事としている。

陸軍参謀長も兼ねるムシャラフ大統領は軍指導部を概ね掌握、核開発担当の将校の忠誠心も得ているとされる。米政府筋はただ、これら将校が政情の推移で変心する可能性もあると指摘。米政府は、ムシャラフ大統領に異変があった場合、核兵器の発射ボタンの責任を持つ人物を特定出来ていないという。

また、ムシャラフ大統領による軍支配はあくまで一部の首脳、司令官、部隊のみであることが判明しつつあるという。

ムシャラフ氏に対しては、最高裁長官の解任騒動、陸軍参謀長を兼務したままの大統領選出馬問題などで野党の退任圧力が高まり、大統領は9日、治安当局者らと協議、軍の力を前面に出す非常事態宣言の是非を検討したともされている。ムシャラフ氏が直面する内政の危機は1999年のクーデターによる権力奪取後、最悪とも指摘されている。

非常事態宣言は、国内情勢を一段と悪化させかねないことからライス米国務長官が電話し説得、止めさせたとの情報もある。米国の対テロ戦争への協力が、国内のイスラム強硬派勢力を反大統領派に押しやる原因ともなっている。

反論もすぐに出てますね。説得力があるかどうかは別ですが。
「核兵力の安全管理は万全」とパキスタン外務省
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200708120010.html

2007.08.12
Web posted at: 14:02 JST

  • CNN

(CNN) パキスタン外務省は11日、同国の核兵力は安全に管理されているとの声明を発表し、米政府筋の懸念を一蹴(いっしゅう)した。

声明は、パキスタンの戦略的資産の安全管理は完璧であり、組織的に最高水準の管理体制が敷かれていると明言。「西側メディアの偏向報道」で提起された懸念を全面否定し、報道内容が「事実無根であり、明らかに疑わしい動機がある」と述べた。

声明はさらに、パキスタンが核不拡散に積極的に取り組んでいると強調。同国の核抑止力や核の平和利用に対する関心に対して偏見があるのは明白であるものの、こうした取り組みを続ける方針だと述べた。

CNNは10日、米情報機関がパキスタンの指導者が交代した場合を想定して、同国の核兵力の安全管理を中心に、軍や治安面への影響を分析中であると伝えた。陸軍参謀長も兼ねるムシャラフ大統領に異変があった場合、核の管理権限が誰に移るかが懸念事項とされている。

パキスタンの危機に関しては
タリバン活発化 国境部族協力 財源はケシ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070729/1185713986
あたりにちょっと書きました。パキスタンの意見に関しては、カーン博士の事はどうなったのかと言いたいですが。カーン博士についてはこっちの方にちょっと書いてます。
ブット元首相「帰国し総選挙戦う」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070715/1184516780
この↑リンク先で紹介してる『インド対パキスタン核戦略で読む国際関係』ですが、この人これ以降本書いてないみたいですね。残念。今手元にその本が無いのですが、確かこの本には核の運用ルールを作ってそれを運用するコストみたいな話もあったような… また後で暇があったら調べてみます。