パキスタン大統領、方針転換 平和会議出席へ(とその関連記事)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070812-00000067-san-int

 【イスラマバード=佐藤貴生】アフガニスタンの首都カブールで9日に予定で開会した「合同平和会議(ジルガ)」に、パキスタンムシャラフ大統領=写真=が出席する見通しとなった。大統領は開会前日の8日、「国内外の脅威」を理由に欠席する意向を表明していたが、ライス米国務長官との電話会談などを経て方針を変更したとみられる。

 合同平和会議は米国主導で開催。パキスタン、アフガン両国の部族指導者ら約700人が集結、イスラム原理主義勢力タリバンなどによるテロの封じ込めやアフガンで蔓延(まんえん)するケシ栽培の撲滅などについて話し合うのが目的だ。

 パキスタンの英字紙ネーションによると、参加者は会議2日目の10日、テロ組織に対する捜査や情報の共有など、5つのグループに分かれて討議を進めた。会議ではパキスタンの参加者が、「北大西洋条約機構NATO)の軍隊は必要ない。イスラム諸国の軍を派遣させるべきだ」などと意見を述べたという

 フランス通信(AFP)によると、12日に会議の成果をまとめた「共同戦略」が発表される可能性もあるという。

 一方、ムシャラフ大統領は11日、地元メディア幹部らと会見し、事実上の亡命状態にあるブット元首相や国外追放されたシャリフ元首相が来年初めまでに行われる総選挙に参加する意向を示していることについて「政治不安をもたらす」として帰国を認めない方針を示した。

まとめるの難しいです。無駄に長文になってしまいました。

ムシャラフ大統領が平和会議に出るというのは11日にすでに出てました。同じ11日にこんな報道もありました。主に平和会議の前の非常事態の話ですが、各種報道を取り上げてます。
米介入?観測気球? 「非常事態」各種の報道 パキスタン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070811-00000094-san-int

 【イスラマバード=佐藤貴生】パキスタンムシャラフ大統領が非常事態の導入を一時検討したことについて、同国内では10日、さまざまな推測を含めた報道が行われている。「米国が反対した」という説や、世論の反応を探る「観測気球」だったとの推測も。いずれの見方も、大統領が窮地に追い込まれていることを示している。

 ムシャラフ大統領が非常事態を検討している−との情報は8日夜、パキスタン国内のメディアが一斉に伝え始めた。しかし9日夕には、ドゥラニ情報相が可能性を否定、報道側の空騒ぎのような格好になった。

 しかし、同国や欧米メディアは10日、さまざまな水面下の動きがあったことを伝えた。

 地元英字紙ネーションは、ムシャラフ大統領は9日未明にライス米国務長官と電話会談する直前、すでに非常事態を宣言する書面にサインし終えていたと報道した。しかし、「宣言したら米国政府は断固とした対応で臨む」と強い調子で反対されたため、決定を覆したのだという。

 ムシャラフ大統領は9日、アフガンの首都カブールで開幕したパキスタン、アフガン双方の部族指導者ら約700人による「合同平和会議(ジルガ)」にカルザイ大統領とともに出席する予定だった。

 前日になって急遽(きゅうきょ)取りやめた理由について米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、ムシャラフ大統領が最近の米国からの手厳しい批判に腹を立てて米国の提唱による会議を欠席したとの見方を示した。ネーション紙は、ライス長官は大統領に、会議欠席の理由も詳しく説明するよう求めたと伝えた

 非常事態宣言は当面見送られたにすぎず、大統領は引き続き導入のタイミングを見計らっているとの意見も根強い。英字紙ニューズは「観測気球だったのか」との見出しで、野党や世論の反応を探った可能性もあるとの見方を示している。

これまでは公式の場であっても握手もしなかったというムシャラフ大統領とカルザイ大統領ですが、会議の方は
<ジルガ>アフガン、パキスタンが対テロ共同宣言
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070813-00000006-mai-int

 【カブール栗田慎一】アフガニスタンの首都カブールで開催されていた「アフガン・パキスタン大会議(ジルガ)」は12日、「両国が協力してテロ対策を進めていく」との共同宣言を発表し、閉幕した。パキスタンムシャラフ大統領も出席し、「過激派とテロの脅威から我々の社会を守るため、互いの疑心を克服しなければならない」と訴えた。

 アフガンのカルザイ大統領はこれまで、自国の治安悪化を「パキスタンの国境管理の甘さが原因」と非難し、パキスタン側は反発してきた。

 ムシャラフ大統領は12日の演説で「アフガンの武装勢力パキスタン側勢力の支援を受けているというのは、たぶんその通りだ」との認識を示す一方、「パキスタンとしても過激派対策が急務となっている。非難合戦はやめよう」と呼びかけた。カルザイ大統領も「会議が成功に終わりうれしく思う」と応じた。

 ジルガには両国から約700人の部族長らが出席。分科会を設け、治安問題を継続的に協議していくことが決まった。

タリバンと明言はしてませんが、アフガンとパキスタンと治安の問題というとちょっと古いですが、こんな↓記事がありました。
韓国人拉致事件 パキスタン関与指摘 アフガン側、非難強める
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070807-00000928-san-int

 【イスラマバード=佐藤貴生】アフガニスタンで韓国人23人がイスラム原理主義勢力タリバンに拉致され、2人が殺害された事件で、アフガン政府関係者は、パキスタン軍情報部が事件に関与しているとして非難を強めている。アフガンのカルザイ大統領は、週内にタリバン掃討などについてパキスタンムシャラフ大統領と会談する予定だが、事件をめぐり、アフガンとパキスタン両首脳の確執が強まることも予想される。

 解放交渉が行われているアフガン東部ガズニ州の知事は4日、ロイター通信に対し、「(当初の犯行は)現地のタリバンだったが、数日後にはパキスタンタリバンと同国軍統合情報部(ISI)のメンバーが変装して現地に入り、情勢をコントロールしている」とパキスタン政府を批判した。

 知事によると、タリバン側との電話交渉の際、犯人の1人がタリバンなどが使うパシュトゥー語から、パキスタンで広く使用されているウルドゥー語に翻訳する声が聞こえたという

 また、知事は、白鍾天・韓国大統領特使が協力を要請するためにパキスタンを訪れた2日以降、タリバン側が交渉期限を設定しなくなったことを指摘、韓国の外交官に対し「早期に解決したいのならパキスタン外務省に圧力をかけるべきだ」と伝えたことを明かした。

 アフガン政府は、タリバンなどがパキスタン北西部の部族地域に「保護区」を設け、アフガンへの越境テロを繰り返しているなどと批判してきた。カルザイムシャラフ両首脳は昨年9月に訪米した際も公の場で握手もしなかった

 一方、人質解放交渉に当たっている韓国政府代表団の関係者は6日、AP通信に、タリバンと直接交渉を行うため、調整を続けていると語った。「自らの支配地域か外国での会談」を求めるタリバン側は、韓国代表団から「第3国での会談に向け、国連に(タリバン側の身の安全を)保証するよう説得している」との回答を得たとしている。

 ロイター通信によると、韓国政府関係者は4日午後、人質1人と電話で初めて話をし、5日にはアフガン人医師団が人質の元に医薬品を届けたという。

【関連記事】
タリバン拉致犠牲者の告別式 韓国政府の接触続く
・アフガン大統領が訪米 「拉致、テロの誘発回避を」
タリバン狙い米空爆、民間人が死傷か アフガン
・女性人質は16人 情報錯綜ようやく判明、アフガンの韓国人拉致
タリバン韓国人拉致 人質女性に危険あるか
・【記者ブログ】「決死隊をアフガンへ」韓国政府の選択肢

パキスタンと、タリバンの関係は以前から言われていましたが↓、
苦境のムシャラフ大統領 パキスタン
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070405/1175777192

(ry
下士官クラスにはタリバンを今も支持する勢力が存在している。大統領が過去、少なくとも2度暗殺未遂に遭った際には、軍人の関与が判明している。大統領が強硬策に出れば、返り血を浴びかねない」
(ry

今回の記事でほぼ確定ですかね。
しかしこの会議「連邦直轄部族地域」の中の南北ワジリスタンの部族は欠席なんですよね。
アフガンでテロ撲滅会議 部族有力者ら参加
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070810/1186701955
ムシャラフ大統領かなり強硬策に出たと言えると思うんですが、大丈夫でしょうか。ところでワジリスタンといえば、
[パキスタン]政府と北ワジリスタン地区の武装勢力の協定ってどうなってるのかな。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070724/1185294502
と書きましたが、本当にどうなってるんでしょうか。ますます分からなくなってきました。