インド与党、米印核協定巡り苦境に 国会で反対多数
http://www.asahi.com/international/update/0818/TKY200708180262.html
米国との原子力協力協定を巡り、インドの国民会議派率いる与党連合が厳しい立場に直面している。「核兵器開発を制限しかねない」と反対する野党陣営に加え、閣外協力の左翼政党4党も「米国との同盟は危険」と反対。原子力協力の実施に向けた国際的な手続きを進めないよう、国民会議派に要求している。
下院で43議席を持つ左翼政党の多数派、左派共産党のカラト書記長が18日、シン首相と会談。核協力実施に必要なインドと国際原子力機関(IAEA)の査察協定締結へ進まないよう求めた。これがまとまらないと、後に続く
(1)原子力供給国グループ(日本など45カ国で構成)のインドへの核関連輸出の規制撤廃
(2)米議会の2国間協定承認
――という手続きに進めない。国内法では、原子力協定自体は議会承認を必要としない。だが左翼政党の閣外協力解消を招けば、下院で過半数を持たない与党連合の政権運営自体が難しくなる。
やはり核兵器開発を制限しかねないというような意見が出てるんですね。
■必要ならば核実験の権利ある…インド首相、下院議会で明言
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070814/1187093669
という記事もあったんですが(ここ↑から過去のやり取りたどれます)。やはり日本に支持を求めたのも↓国内の反対派を抑えるためだったんでしょうか。
■インド首相、米印協定「日本も支持を」 核開発は継続
http://www.asahi.com/international/update/0817/TKY200708170381.html
インドのシン首相は17日、首相公邸で朝日新聞との単独会見に応じた。米国との間で民生用の原子力協力協定が先月まとまったことを受け、協力実施に必要な国際ルールの改正を「日本も支持してほしい」と求めた。21日から訪印する安倍首相との会談でも、このテーマを主要な話題にする考えを明らかにした。
米国との協定は軍事用施設について、国際原子力機関(IAEA)の査察の対象外としている。シン首相は会見で「現在、核実験は自発的に停止している。しかし、安全保障上で必要な場合、主権国家として核実験する権利は損なわれない」と話し、核兵器開発を続ける姿勢を明確にした。
日本など45カ国による原子力供給国グループ(NSG)の指針では、核不拡散条約(NPT)非加盟でIAEAの査察を受けていない国に対し、核関連の輸出を制限するとしている。これに当てはまるインドが米国との協定を実施するためには、NSGが全会一致でこのルールの変更を認める必要がある。安倍首相がこれを支持すれば、核廃絶を訴える立場との説明に苦しむことにもなりかねない。
シン首相は会見で、NSGの主要メンバーである日本について「唯一の被爆国である事情や国民感情は十分に承知している」としながらも、「協定は平和利用をめざすものであり、日本も支持すべきだ」と求めた。
一方、日本との経済関係の強化に期待を表明。デリー―ムンバイ間に鉄道や道路を整備する約900億ドルのインフラ整備計画では「日本からの参加を歓迎する」と述べた。両国間で交渉が進む経済連携協定については「インドの人材を受け入れて欲しい」と求めた。
◇〈米印原子力協力協定〉 ブッシュ米大統領とシン首相が昨年3月、インドが民生用の原子力施設についてIAEAの査察を受け入れるとの条件で、米国が核燃料や原子炉などを輸出することで合意し、今年7月に協定の内容がまとまった。
協定を実施に移すには
(1)インドがIAEAと査察協定を結ぶ
(2)NSGがインドへの核関連輸出を認める
(3)米議会が協定を承認する
――という手続きが必要。NSG内では米国と同様にインドへの核関連輸出を狙うロシア、仏、豪州などが容認に前向きで、北欧諸国は慎重な姿勢。中国は明確な態度を示していない。
『中国は明確な態度を示していない』というあたりがポイントでしょうか。中国とインドは見かけはともかく、実際にはインドが中国にかなり不信感持ってるでしょうから。