<米CIA>報告書で元長官ら批判 9・11テロ防止失敗で

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000133-mai-int
毎日新聞の方が長いのでそっちの方を
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070823k0000m030073000c.html

 【ニューオーリンズ(米南部ルイジアナ州)和田浩明】米中央情報局(CIA)のヘイデン長官は21日、米同時多発テロ(01年9月11日)発生前の対テロ情報収集・分析体制を評価した内部監察報告書の要約版を公表した。報告書は国際テロ組織「アルカイダ」に関する情報収集などが不十分でテロを未然に防止できなかったと当時のテネット長官ら幹部を批判し、外部委員会による責任追及を勧告していた。

 報告書はテネット元長官らが「責任を満足な形で果たさなかった」と明言。具体的には対テロ活動の優先順位を十分に引き上げず、アルカイダの追跡・掃討作戦の立案や実施にあたり、CIA部内や他の米情報機関との情報共有や連携が不十分だったと分析した。

 外部の独立委員会を設置してテネット氏らCIA幹部の対応をさらに見直し責任を追及するよう勧告している。

 また、同時多発テロを計画立案したとされるハリド・シェイク・モハメド被告が米国に工作員を送り込もうとしているとの「信頼できる情報」を00年に米情報機関がつかんでいたことも明らかにした。

 AP通信によると、テネット元長官は報告書の内容を「まったく間違っている」と批判。「テロと戦うしっかりした計画が9・11以前からあったからこそ、テロ直後の15日に大統領に対策を進言できた」と反論した。

 ◇背景に米議会との綱引き

 【ワシントン大治朋子】米中央情報局(CIA)が21日、作成から2年余りたった内部監察報告書(要約版)を公表した背景には、CIAと米議会の長く激しい綱引きがあった。

 報告書はCIA監察官の指揮で05年6月にまとめられ、全体で数百ページにのぼる。米同時多発テロ(01年9月11日)の容疑者に関する情報をCIAが事前につかみながら、情報の収集・分析不足などから事件を阻止できなかったと指摘。テネットCIA元長官ら幹部を批判している。

 米議会は公表を求めたがCIAは報告書を機密情報に指定した。報告書は外部機関を設置し、CIA職員らの責任を追及するよう勧告しているが、これも当時のCIA長官が拒否。しかし、今月初めにCIAの情報開示などに関する新法が施行され、やむなく公開に応じた。

 ヘイデンCIA長官は報告書を公表した21日、「職員向け」としてコメントを発表。報告書の公表は「私の選択でも希望でもない。一線で戦う職員たちを動揺させるものだ」などと強く批判した。

 ◇報告書(要約版)の要旨は次の通り。

一、国際テロ組織アルカイダに関する包括的で戦略的な評価をCIAの対テロセンター(CTC)をはじめ、どの機関も行っていなかった。

一、CIAと国家安全保障局(NSA)の間には絶え間ない緊張(関係)があり、アルカイダ対策への協力を妨げた。

一、97〜01年の対テロ予算(の一部)がテロとは無関係の活動などに再分配されていた。

一、CTCは、米同時多発テロ(01年9月11日)事件のハイジャック犯2人がクアラルンプールに行き、テロ容疑者たちの会合に出席していると00年1月初めに確認しながら、その重要性を認識せず、米国務省や米連邦捜査局FBI)にタイムリーに知らせなかった。最終的に2人が(情報機関共有の)監視リストに掲載されたのは01年8月だった。

一、CIA職員が00年3月、アルカイダ幹部らが米国に行ったと報告し、「ビンラディンの仲間」と明示したが、FBIなどの担当者と情報を共有しなかった。監視リストにもっと早く掲載されていれば、01年7月の再入国を阻止できた(米同時多発テロ)ハイジャック犯もいた。

一、93年以降、ビンラディンに関する包括的な報告書を作成していなかった。

毎日新聞 2007年8月22日 20時35分 (最終更新時間 8月22日 21時36分)

日本はテロを防げるか (ちくま新書)

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でもブッシュ政権になったとたんにテロ情報が入って来なくなったとか言って気がします(P14あたり)。