8月のロシア石油生産量、旧ソ連崩壊後最高に

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 [モスクワ 3日 ロイター] ロシア産業エネルギー省によると、8月の石油生産量は日量990万バレルで、旧ソ連崩壊後最大となった。前月は989万バレル。ロシアの石油生産量は、これで4カ月連続で増加したことになる。

の一方で、
露「ユコス事件」再び 石油会社前社長、圧力受け国外脱出
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 【モスクワ=内藤泰朗】石油大国ロシアで、業界第7位の民間石油会社社長がプーチン政権からの圧力に耐えかねて国外に脱出したことが明らかになった。脱税捜査など、当局の圧力は、2003年に元最大手の石油会社ユコスを破(は)綻(たん)させた手法に酷似している。「第2ユコス事件」は、政権には逆らえないという国家資本主義の方向性を明示した形となり、同国の石油業界は今後の展開に戦々恐々としている。

 当局から圧力を受けているのは、ロシアの民間石油会社ルスネフチのグツェリエフ前社長。報道によると、前社長は、検察当局が脱税など「違法な企業活動」の容疑で同氏逮捕に動き出したのを受け、トルコ経由でロンドンに脱出した。カスピ海に面するロシア南部カフカス地方の石油大国アゼルバイジャンのアリエフ大統領の警護責任者が一行をエスコートしたとの情報もある。

 ロシア検察庁は先月25日、モスクワの地区裁判所から同前社長の逮捕状をとり、国際指名手配した。これに先立つ8日には、同裁判所の命令で、同社資産の差し押さえに踏み切っていた。

 グツェリエフ氏はカフカス地方出身の軍人で、ソ連崩壊後の石油ビジネスで大富豪となった。持ち株会社のルスネフチを創業したが、脱税容疑で取り調べを受けるなど、当局の圧力が強まったため今年7月末に社長を退任した。先月22日には、モスクワで息子が謎の死を遂げたほか、脱税などの罪でシベリア流刑中のユコスのホドルコフスキー前社長と同様に逮捕の危険が迫ったと判断し、脱出を決意したもようだ。

 ルスネフチ社は今後、プーチン大統領に近い新興財閥総帥のデリパスカ氏が買収後、最終的に国営エネルギー企業に譲渡されるとみられている。脱税捜査から資産の差し押さえを経て事実上の国有化に至る筋書きは、ユコス事件と同じで、クレムリンが描いたシナリオとの見方が強い。

 同国最大の国営石油会社ロスネフチと並ぶ民間石油大手ルクオイルのアレクペロフ社長はルスネフチ事件を受け、「国営企業の強化には懸念せざるを得ない」と述べ、強い警戒感を示した。

 同国の専門家らは「プーチン政権は、『クレムリンはどんなときも正しい』という新しいルールを財界に強いている。これを破れば、大富豪でさえも、その資産をすべて失う危険がある」と指摘した。

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