露版FBI創設 強大な権限「捜査委員会」始動

http://www.sankei.co.jp/kokusai/world/070908/wld070908000.htm

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアで、現職判事を逮捕できるなど大きな権限が付与された「捜査委員会(SK)」が7日、始動した。総責任者には、プーチン大統領の友人が就任汚職・犯罪大国という汚名を返上しようというのが狙いだが、その強大な権限に「SKはKGB旧ソ連国家保安委員会)の役割を担うだろう」と、警察国家化を警戒する声も上がっている。

 ロシア国内の報道によると、ロシア検察庁は6日から7日にかけて、同庁が扱う事件約6万件をSKに引き渡した。すべての事件の捜査権が、SKに移行したことを受けた措置だ。検察庁の捜査官は同庁をいったん退職し、SKに再就職する手続きが行われた。検察庁は今後、SKの捜査を監視し、訴追と公判維持をする機能だけとなる。

 SKの総責任者アレクサンドル・バストルイキン委員長は、レニングラード国立大法学部で、プーチン大統領と同級生だった。就任に際して「ゼロから新たな法の執行機関を創設する。捜査官には、良心と道徳性、プロとしての倫理性、品行方正が求められている」と訓示した。

 ロシアでは、多くの事件に治安や保安、司法など当局者の関与が指摘されながら、自らの捜査ができずにいた。「ロシア版のFBI(米連邦捜査局)」の創設で、治安当局の綱紀粛正を断行することが最大の狙いだとされる。

 SKの捜査官らの部屋には、監視カメラとマイクが設置されており、いかなる汚職の機会も与えないという。

 バストルイキン委員長によると、中央銀行副総裁やジャーナリストのアンナ・ポリトコフスカヤさんなど未解決の暗殺事件のほか、巨額脱税事件など「特別に重要な事件」は、自らが監督する捜査チームが担当する。

 しかし、強大な権限への懸念も強い。SKには、不逮捕特権を持つ上下両院議員や裁判所の判事への捜査、逮捕の権限が与えられた。裁判所の許可なしに弁護士への捜査開始も可能で、SKの権限は司法をも侵食する。事実上、同国最強の司法機関で、大統領周辺に警察権力が集中することになる

なんかロシアってどんどん怖い国になってく気がしますが…