双子兄弟の「要職独占」にNO ポーランドで政権交代へ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071022-00000902-san-int

 【ワルシャワ=黒沢潤】21日に行われたポーランド総選挙(定数460)は即日開票の結果、自主管理労組「連帯」の流れをくむ中道右派最大野党「市民プラットフォーム」が圧勝した。同じ連体系の保守与党「法と正義」は第二党に転落、2年ぶりに政権交代が実現する。有権者は今回、双子の弟であるレフ・カチンスキ大統領とともに要職を「独占」する首相のヤロスワフ・カチンスキ政権に、明確な「ノー」を突き付けた格好だ。

 民間の出口調査によれば、各党の得票率は「プラットフォーム」44・2%▽「法と正義」31・3%▽旧共産党系会派「左派民主主義者」12・2%▽「農民党」7・9%。連立与党だった極右政党「自衛」と「ポーランド家族連盟」は、議席獲得のための最低基準をクリアできなかった。

 今回の総選挙は「法と正義」が2005年秋の政権発足以来、連立相手の閣僚を汚職容疑などで相次ぎ解任、政権が崩壊したため実施された。

 圧勝した「プラットフォーム」のトゥスク党首は開票後、「ポーランド国民にとって、より良い政府が誕生する」と勝利宣言。「法と正義」率いるカチンスキ首相は「有権者の意思を尊重する」と敗北を認めた。

 カチンスキ政権をめぐっては、大統領の兄との「要職独占」との批判が絶えず、今選挙は同政権への審判の色合いが強かった。投票率は1989年の民主化後、最高となる55%以上を記録した。

 「法と正義」はこれまで、汚職の徹底排除と社会的弱者重視の政策で一定の評価を確立した。しかし、独露2国との関係を悪化させたほか、「国益」重視の観点から諸政策でEUと対立し、域内で孤立しつつあった。

 対米協調派のプラットフォームは今後、独露やEUとの関係修復を進める。欧州通貨ユーロを早急に導入するほか、大胆な経済改革をも推し進め、年率で6%強を記録する経済成長をさらに押し上げたい考えだ。

 プラットフォームは今回、過半数を得られなかったため、「農民党」や「左派民主主義者」との連立交渉を開始する。ただ、連立政権が発足しても、2010年まで任期のあるカチンスキ大統領が法案拒否権を持つため、政権運営は必ずしも容易ではない

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ポーランドというと今までMD関連でしか扱ってなかった気がしますが、ドイツ、ロシア、EUと関係悪化してたんですね。まぁ大統領に法案拒否権があるということで、すぐにNOという訳には行かなそうですけど。