アーザーデガーン油田の操業、12月下旬にも

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20071107_175008.html
2007年11月04日付 Jam-e Jam紙
もと記事ペルシャ語だそうです。

【経済部】国営南部産油地域公社のジャシンサーズ代表は、「日夜努力を続け、イラン石油産業の専門家らが有する国産技術を活用した結果、(イランで発見された最大の油田である)アーザーデガーン油田からの原油の早期生産は、今年のデイ月初旬〔2007年の12月下旬〕に開始されるだろう」と語った。

 報道中央局の報道によると、ジャシンサーズ代表はさらに「作業の進捗度はすでに7割に達しており、デイ月初旬、あるいは遅くともデイ月終わりには、アーザーデガーン油田から日量2万5千バーレルの早期原油生産が開始されると期待している」と付け加えた。

 同代表はまた、日本の石油会社INPEXがアーザーデガーン油田開発計画から撤退したことに触れた上で、「アーザーデガーン油田から日量上限2万5千バーレルの原油を早期生産するための第一段階の事業は、今年のモルダード月1日〔7月23日〕に国営南部産油地域公社に委託された」と説明した。

ジャシンサーズ氏はその上で、「6カ所の油井の修復、石油集積施設2基の建設、全長100キロメートルの10インチ・パイプライン1本の敷設、油井から石油集積施設までのパイプライン6の敷設、その他のいくつかの施設の建設に、ここ半年間取り組んできた」と語った
 国営イラン石油公社の取締役も務める同氏はさらに、約1ヶ月前に石油相代行から、アーザーデガーン油田からの早期原油生産量を日量5万バーレルにまで増やすよう指令を受けていることも明かした。

 ジャシンサーズ氏はその上で、「〔日量5万バーレルにするという〕新たな計画を実現するためには、採掘、塩分除去、新たな油井12基の掘削、アーザーデガーン油田からアフヴァーズのポンプ施設まで延びる全長110キロの24インチ・パイプラインの敷設といった一連の作業が必要となる」との見方を示した。

 同氏はさらに、この新しい計画はしっかりとした中身のあるものだとした上で、日量5万バーレルの原油を早期生産する計画は〔石油省で〕立案された後、国営イラン石油公社企画局に調査・評価・確認を依頼しているところだと述べた。

 ジャシンサーズ氏はまた、我が国の石油産業の専門家たちの能力について、「もし資金さえ調達できるならば、外国の石油企業などまったく必要ない」と語り、さらに「日本はバンダル・イマーム・ホメイニーでの石油化学事業〔いわゆるイラン・ジャパン石油化学(IJPC)によるプラント建設計画のことを指す〕で、アメリカの勧めに応じてわれわれを見放し、その後それを後悔した。同様に、アーザーデガーンについても彼らは悔いることになろう」と述べた

 ジャシンサーズ氏は日本のテレビ朝日と行った最近のインタビューについて触れ、「このインタビューで私は、イランの責任感の強い専門家たちは今後一年で、アーザーデガーン油田を操業段階に導くことになるだろうと述べた。神の恩寵により、この発言の正しさはデイ月初旬にも証明されるはずだ」と語った。

 アーザーデガーン油田は310億バーレルの原油埋蔵量と、1400平方キロメートルの広さを誇る巨大油田で、1378年〔1999年〕に発見された。この油田は100年にわたる石油産業の歴史の中でも、最大級の発見であるとされる。

 アーザーデガーン油田開発に関する契約は当初、1382年バフマン月〔2004年1/2月〕に国営イラン石油公社と日本のINPEXとの間で締結された。しかし一部の問題により日本企業の作業に遅れが生じ、その後INPEXはアーザーデガーン油田開発契約におけるシェアを90%から10%に減らすことになった。これに対しイラン側は、国内の能力の高さに鑑み、同油田の開発契約を国内企業と結んだ。

 アーザーデガーン油田はアフヴァーズの西80キロに位置している。予測によれば、二段階の開発事業により、一日に26万バーレルの原油生産が可能となる見込みだ。

 2008年にもクレセント計画、始動へ

 他方、イラン平原石油会社のマフムード・ズィーラクチヤーン代表は、イランの天然ガスアラブ首長国連邦に輸出する、いわゆる「クレセント」計画は来年〔2008年3月下旬〜〕前半にも完成し、始動する見込みであることを明らかにした。

 ズィーラクチヤーン代表は報道中央局とのインタビューの中で、さらに「クレセント計画はサルマーン・ガス田海上施設、スィーリー圧力増強ステーション、及びイランからアラブ首長国連邦に延びるガス輸送パイプライン〔の建設〕を含むものであり、1387年〔2008年3月21日〜〕の前半、あるいは遅くとも後半にも完全操業段階に達するだろう」と語った。

 同氏はまた、「現在、われわれはサルマーン・ガス田(アラブ首長国連邦アブダビ・ガス田と共通)の生産初期段階にあり、この計画を来年前半にも完成させた上で、イラン産ガスのペルシア湾イスラーム国への初めてとなる輸出を実現させたいと考えている」と述べた。

 ズィーラクチヤーン代表はクレセント計画に持ち上がった一部の問題について、次のように語る。「上述の期限までに、クレセント社もアラブ首長国連邦ガス社も、イラン石油省の合理的な提案を受け入れて、アラブ首長国連邦へのガスの輸出に向けた準備を整えるものと考えている」。

 同代表はその上で、「サルマーン油田から産出する石油に付随する形で排出されるガスを燃やすことなく、近隣のイスラーム国に輸出することは、イランにとっても、アラブ首長国連邦、そして地域にとっても、非常に好ましい結果をもたらすだろう」と指摘した。

 アラブ首長国連邦ダーナー・ガス社の子会社であるクレセント社とのイラン産ガス購入をめぐる合意は、2001年に交わされた。それによれば、2006年からガスの輸出が開始される予定であった。

現地の新聞はこちら アーザーデガーン油田開発契約、難局打開:日本のシェア10%へ低下


(翻訳者:斉藤正道)
(記事ID:12372)

長文ですが、とりあえずアザデガンで後悔している日本人は多いような気がします(イメージですが)。とりあえず、
イラン原油輸出、ドル建て30%切る
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071101/1193930308
ということでしたが、実際どういう状況なのでしょうか。
イランは記録的原油高の恩恵を受け、米国による新たな制裁にも耐えられる見通し
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071030/1193704369
というのもありました。しばらくは変わらない状況が続くのでしょうか。

バンダル・イマーム・ホメイニーでの石油化学事業〔いわゆるイラン・ジャパン石油化学(IJPC)によるプラント建設計画のことを指す〕については、
化学業界の話題さん
イラン・ジャパン石油化学(IJPC)の歴史−2
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2006/03/ijpc_99ce.html
参照。