NATO、露に譲歩案示す…グルジア駐留を事実上容認

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071114-00000202-yom-int

 【ブリュッセル=尾関航也】米国が東欧で進めるミサイル防衛(MD)システム配備計画に反発し、ロシアが対抗策として欧州通常戦力(CFE)条約の履行停止を表明した問題で、北大西洋条約機構NATO)がこれまでの姿勢を転換し、旧ソ連グルジア領のロシア軍駐留を事実上容認する妥協案を提示したことが13日、明らかになった。

 条約が失効すれば、冷戦後の欧州の安全保障環境を根本から揺るがしかねないとの危惧(きぐ)があるためで、ロシアの出方が今後の焦点となる。

 複数のNATO関係者によると、同案は、グルジアからの独立を求めるアブハジア共和国に多国籍の平和維持部隊を派遣。同共和国に現在駐留している約2000人規模のロシア軍部隊を縮小したうえで、平和維持部隊に組み込む形で駐留継続を認めるというもの。

NATOが妥協案を提示してもロシアが飲むのかどうかまったく分かりませんが、とりあえずアブハジア共和国というと、この↓記事の一番下ですが、
グルジア非常事態宣言 大統領選前倒し発表 混乱収拾へ信任問う構え
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071109-00000083-san-int

 【モスクワ=内藤泰朗】グルジアのサーカシビリ大統領(39)は7日深夜、野党勢力の反政府活動が同国への脅威となっているとして15日間の非常事態を宣言し、野党系メディアの活動停止などを命じた。同日には集会排除に動いた治安部隊と群衆が衝突し約500人が負傷。大統領は8日には、自身の信任を問う大統領選挙を来年1月5日に繰り上げ実施すると発表した。2003年秋の「バラ革命」で、親ロシア政策との決別を掲げ、政権に就いた「親欧米派」の大統領だが、力による鎮圧に国民が反発を強めるのは必至。国の内外で苦しい局面に立たされている。

 グルジアの首都トビリシからの報道によると、野党勢力は今月1日夜からトビリシ中心部の議会前広場に集まり始め、サーカシビリ政権の汚職糾弾や大統領の退陣、来年秋に予定されている議会選挙の繰り上げ実施などを要求した。2日にはその数が数万にふくれあがり、シェワルナゼ前大統領を退陣に追い込んだ「バラ革命」以降の反政府活動では最大規模となったことから、緊張が一気に高まった。反政府集会は6日間に及び、7日になって治安部隊が催涙ガスや放水車、棍棒(こんぼう)を使って集会を強制解散させた際、群衆側に多数の負傷者が出た。

 サーカシビリ大統領は今回の事態について、「ロシアからグルジアの国家転覆を試みる動きがある」と説明。さらに同国の野党勢力指導者が、ロシア特務機関要員と反政府活動の打ち合わせをする電話通話を録音したとされるテープを公開し、非常事態を宣言した正当性を訴えた。

 しかし、国民の理解を得るのは、容易ではなさそうだ。サーカシビリ政権は4年目となるが、平均給与は100ラリ(約7000円)程度と低く、しかも今回、治安機関が民間テレビ局を占拠するもようが実況中継され、その後、政府系テレビ・ラジオ局以外の報道が禁止されたことに、国民は強く反発している。

 一方、ロシアはこれまで、反ロシア姿勢を強めるグルジアに対し、ワインなど農産物輸入禁止措置や直行航空便の運航を認めないなど経済的圧力を加えてきた。今回の事態を受けてグルジアの選挙をにらんで、ロシアがサーカシビリ政権の経済的な弱点をさらに突いてくる可能性がある。

 ロシアのラブロフ外相は、今回のサーカシビリ氏の発言が「政治的に無責任な挑発であり、ロシアは対抗措置をとる」とも述べており、“ロシアの敵”排除に向けたさまざまな対抗策を講じてくることになるとみられ、両国間の緊張は、今後さらに高まりそうだ。

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【用語解説】グルジア

 ロシア南端カフカス山脈に隣接する小国。人口約443万人、主にグルジア正教で、グルジア人が約84%。果物栽培など農業中心でエネルギーの大部分をロシアに依存する。1991年4月にソ連からの独立回復を宣言。ガムサフルディア初代大統領は92年1月に反政権派の武装蜂起で失脚し、93年12月に同国西部で謎の死を遂げた。シェワルナゼ第2代大統領も2003年末の大衆行動を受けて辞任(「バラ革命」)し、親欧米派のサアカシビリ大統領が後を継いだ。同大統領は「国家の再統合」を公約したが、北西部アブハジア自治共和国と北部の南オセチア自治州をめぐりロシアと激しく対立している。

とあります。
グルジア>デモ隊を治安部隊が強制排除
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071107/1194435756
では、

平和裏に行われていたデモ隊を実力で排除したことで、欧米諸国などから批判を浴びそうだ。

とありましたが、批判とまではいかず、今までのサアカシビリ大統領支持がちょっとちょっと弱くなったって感じですかね。

ところでここらへん↓
“反露石油回廊”創設で合意 近隣5カ国
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071013/1192250788
の石油の話にはどう影響するんでしょうねぇ。