レバノン情勢については前も書きましたが、とりあえず現状について。

前のエントリ↓
レバノン>21日に新大統領を選出
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071123/1195798809
21日に選出というより、選出できなければ23日に大統領(親シリア派)の任期がきれて大統領不在になって首相(反シリア派)に権限が移る。で、大統領は今の内閣の正当性を認めず、暫定内閣を作ることさえ示唆していて、二つの政府が出来る異常事態になりかねないと。

任期切れ直前のレバノン大統領が声明「軍に治安権限委譲」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071124-00000503-yom-int

 【ベイルート=長谷川由紀】レバノンのラフード大統領の任期が24日午前0時で切れた。シニオラ政権を支える反シリア勢力と、イスラムシーア派組織ヒズボラなど親シリア勢力の対立で任期内に後継が選出できなかったことから、憲法の規定上、大統領権限はシニオラ政権に移った。

 しかし、親シリアのラフード大統領は離任にあたり、「非常事態に陥る危険がある」として、治安維持権限を軍に委ねるとの声明を発表。シニオラ政権は「憲法に反する」としてこれを拒否したが、大統領不在の中、政府の権限などを巡って親シリア勢力が攻勢を強めるのは確実で、政局は一層混迷を深めている。

 大統領には、政府の同意なしに非常事態を宣言する権限はない。しかし、ラフード大統領ら親シリア勢力は、2006年11月にヒズボラなどシーア派の閣僚が辞任したことを受けて、シニオラ政権を「違憲」と主張しており、今回の声明を事実上の非常事態宣言と受け止める見方もある

と大統領の出した非常事態宣言ですが、
レバノン大統領任期切れ、内閣が権限引き継ぎと首相表明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071124-00000316-yom-int

 【ベイルート=長谷川由紀】レバノンのシニオラ首相は24日、記者会見し、親シリア派、反シリア派の対立で新大統領が選出されないまま、ラフード前大統領の任期が切れた問題について「政府は憲法に基づく職務を遂行していく」と述べ、憲法の規定通り、大統領権限を内閣が引き継いだとの認識を示した。

 親シリアのラフード前大統領は任期切れ直前に、事実上の非常事態宣言ともとれる、軍への治安維持権限委譲を表明したが、首相は「非常事態の必要はなく、軍は(通常通りの)任務についている」と強調した。レイマン軍司令官も政府の指示に従うことを確約したとされ、権限が政府と軍に分裂する事態は回避された模様だ。

とひとまずは安心のようです。