スリランカ、反政府組織との戦闘激化…停戦監視団は撤収へ

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080107id21.htm

 【ニューデリー=永田和男】スリランカ政府が反政府組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」との停戦合意破棄を決めたのを受け、2002年から停戦監視に当たってきた北欧諸国の停戦監視団が、6日から撤収を開始した。

 停戦合意は16日に失効するが、国軍とLTTEの戦闘は激化しており、年明けからの死者はすでに100人を超えた。装備で劣るLTTEがテロで反撃に出る事態も予想され、全土で厳戒態勢が続いている。

 政府は2日の閣議で停戦合意破棄を決め、3日に仲介者のノルウェー政府に正式通告した。16日には合意が無効となる。ノルウェー政府は停戦破棄について、「暴力と対立が一層激化することを深く憂慮する」(ソールハイム国際開発相)と懸念を表明したが、同国とアイスランドが派遣する約20人の停戦監視要員は撤収作業に入った。

 停戦合意は05年以降の衝突激化で有名無実となり、停戦監視団も06年9月にそれまでの50人規模から大幅に縮小していたが、スリランカ政府は破棄発表に際して「合意はまったく意味を失った」と決めつけ、停戦失効後にLTTEが拠点を置く北部キリノチに大攻勢をかける可能性もある。

 国防省によると、5日の交戦ではLTTEの情報部門トップ、ラビシャンカル氏を含む36人が死亡。08年に入ってからの死者は、LTTE側が少なくとも95人、国軍も6人に達した。

 LTTE側は停戦合意破棄に対する声明をまだ出していないが、中心都市コロンボなどでは最近も、LTTEによるとみられる爆弾テロが頻発。テロ警戒のため、コロンボに入る全車両が検問の対象となっており、6日だけで約200人が拘束され、尋問を受けた。

 停戦破棄については、日本政府も「紛争をさらに悪化させかねない」(高村外相)と当惑している。福田首相は12月に訪日したラジャパクサ大統領に対し、明石康・日本政府代表(元国連事務次長)を派遣する考えを伝えており、明石氏は近くスリランカを訪れ、政府とLTTE双方に戦闘停止を呼びかける意向だ。

 だが、6年近く続いた停戦の間、度重なる国際社会の働きかけにもついに和平機運が盛り上がらなかった両者の溝は深く、対話の糸口を探るのは容易ではない。

(2008年1月8日1時39分 読売新聞)

しかしスリランカは和平に柔軟姿勢だと思ったのですが↓
北非難決議 過去最多で採択 国連
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071219/1198070321
内の
■<スリランカ>外相、LTTEとの和平交渉に柔軟姿勢