人権擁護法案 「お手本」韓国、お寒い実態

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080310-00000981-san-pol

 もし人権擁護法が成立し「人権委員会」が設立されるとどうなるか。その好例を隣国・韓国に見ることができる。韓国の国家人権委員会は2001年11月に設立され、さまざまな人権侵害に勧告や意見表明を行ってきたが、その「偏向性」が大きな社会問題となっている。日本の法案をめぐる論議にも一石を投じるのではないか。(原川貴郎)

 国会人権委員会は、国連総会で1993年に採択された「国内機構(国内人権機関)の地位に関する原則」(パリ原則)に基づき、金大中政権下で設置された。

 国家人権委の基本的な法的枠組みは日本の人権擁護法案と同じだ。高度な「独立性」を保障され国や地方自治体の人権侵害などに救済勧告や意見表明を行うことができる。

 これまでに、政府に対し、死刑廃止や女性警察官増員などを勧告したほか、「教師が生徒に日記を提出させるのは人権侵害」「女性職員に対して『胸が見える』と発言したのはセクハラ」などと細かい事案にも次々に勧告を出し、訴訟になったケースも少なくない。

 イラク戦争が開戦した03年3月には、韓国政府が米国を支持したのに対し、国家人権委はイラク戦争に反対する意見を採択。「政府機関が大統領の意に反する立場を示したのは、国論分裂扇動行為だ」(ハンナラ党スポークスマン)などと波紋を呼んだ。 05年末に国家人権委が作成した「国家人権政策基本計画」は
良心的兵役拒否」の認定
▽公務員と教師の政治活動の許可
▽集会・デモに対する場所と時間制限の廃止
−などを明記。政界だけでなく財界も反発し、経済5団体は連名で「韓国社会の一部進歩勢力の主張のみを反映してバランスを欠く」と反対声明を発表した。

 ところが、国家人権委は北朝鮮に対しては融和的な姿勢をとり続け、06年12月には「北朝鮮の人権問題は調査の対象に含まれない」と表明。北朝鮮国内の人権侵害や拉致問題については口をつぐんできた。

 2月に就任した李明博(イミョンバク)大統領の政権引き継ぎ委員会は1月下旬、国家人権委を大統領直属機関に変更する組織改編法案を国会に提出したが、リベラル勢力は強く反発しており、国家人権委の扱いは今後も大きな政治課題となりそうだ。

 ■パリ原則 国連総会で93年に採択された「国内機構(国内人権機関)の地位に関する原則」の略称。人権侵害救済のため、独立性のある国内機関の新設を促した。人権擁護法案推進派の論拠とされてきたが、パリ原則が示した人権機関は「政府、議会その他の機関」に対し、「人権擁護に関する意見、勧告、提案、報告」を行う機関に過ぎず、令状なしの家宅捜索など強制権限は認めていない。機関の「独立性」についても「財政的な独立性」を唱っているに過ぎない。英国やカナダなどはパリ原則に沿った人権機関を設けている。いずれも人権侵害の定義を明確に規定し、「表現の自由」は最大限尊重されている。

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僕のマイミクも二人ぐらい人権擁護法反対デモに行ってましたが、確かにこれは問題ありますよね(イラク戦争に反対したくなる気持ちは分かりますが…)。