中国、海外メディア非難 チベット掌握に自信深める(+その他)

チベット自治区
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080321-00000058-san-int

 【北京=矢板明夫】今月中旬からチベットで発生した大規模な騒乱をめぐり、西側人権団体やメディアなどが、中国政府の対応を批判していることに対し、中国外務省は20日、西側メディアの報道姿勢を厳しく非難し、猛反撃に出た。一方、北京市内などで騒乱直後からスタートしたテレビの受信障害、インターネットのアクセス障害が止まった。騒乱が終息に向かい、中国政府は事態掌握に自信を深めたようだ。

 中国外務省の秦剛報道官は20日の会見で、西側記者の質問に対し、次々と反論した。イタリア人記者が「ローマ法王が事態の悪化を懸念している」との質問に対し「イタリアの警察官がデモ隊に対して何をしたかを思い出してくれ」と一蹴(いつしゆう)。ポルトガル記者の捜査状況についての質問に対しては、「ポルトガルで暴動が起きたらどうするのか、(中国と)同じ措置を講じるはずではないか」と反論した。

 また、米国人記者の「なぜ記者を現場に行かせない」という問いには、「一部の報道が客観的ではなく、不公正だ。そのような報道は現場に行こうが行くまいが関係ない」と強い口調で述べた。外務省の報道官が記者会見で、このように対決姿勢を見せることは珍しい。

 チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世について、秦報道官は「チベット独立を放棄していない」と対話を拒否する考えを強調した。これに対し、ダライ・ラマは20日、インドのダラムサラで、「いつでも胡錦濤国家主席ら中国指導部と会談する用意がある」と述べ、改めて対話を呼びかけた。

 また、北京市内の産経新聞中国総局は20日から、約1週間続いた衛星テレビの電波障害がなくなり、外国テレビのニュースが普通に見られるようになった。インターネットで遮断されていた英国BBCのホームページなどへのアクセスも可能となった。

 英BBCテレビによると、チベット騒乱後、すでに400台を超える兵士を乗せた大量の軍用トラックなどがチベットに向かったという。中国当局はすでに状況を把握しつつあり、騒乱にかかわった人の摘発を本格化している。

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うーん怖くて見てませんが、前も取り上げました、
或る浪人の手記さん
チベット大虐殺の証拠写真公開
http://restororation.blog37.fc2.com/blog-entry-1148.html
あたりと比べてどうなのかというのがありますが。イタリアは一人死亡でしたっけ。

ポルトガルで暴動って起こるんですかね。暴動が起こる時点でおかしい気がしますが、しかし捜査状況について質問されてこの答えかと言う気もしますが。

あと一部の報道が不公正だから全部の記者を行かせないというのは反論になってるんですかね。

もうちょっと前の報道↓に比べて逆に余裕がなくなってる気がするのは僕だけでしょうか。
中国・温家宝首相「チベットの鍵はダライの行動」【会見詳報】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080318-00000979-san-int

 中国の温家宝首相は18日、全国人民代表大会全人代=国家)閉幕後に記者会見を行った。約2時間で計13人の国内外記者の質問に答えた。日本人記者は指名されなかった。首相との主なやりとりは以下の通り。(北京 矢板明夫)

 Q 最近、チベットで騒乱と暴力事件が発生している。「平和的なデモを弾圧した」などと中国を非難する人もいる。ダライ・ラマは「文化的虐殺」と主張している。この問題について首相の考えは(米CNN)
 A 最近主にラサで起きた暴力事件は、ごく少数のものが罪のない大衆を傷つけ、殺害する残忍な事件だ。彼らは車両や公共施設を破壊し、民家、商店、学校を焼き討ちした。事件はダライ集団が念入りに画策、扇動したものだ。私たちはそれを裏付ける十分な証拠を持っている。ダライ集団が標榜(ひようぼう)してきた「独立を追求せず、平和的対話を求める」との方針は偽善に満ちたうそであることがこの事件で証明された。

 Q 私の記憶の中で、中国はダライ・ラマと直接対話したことがない。しかし、ほかの国が類似のケースを処理した場合、例えば南アフリカ北アイルランド、いずれも見識のある指導者が大局に立って、自ら進んでかつての敵や自分の反対者と対話を始めた。ダライ・ラマチベットの独立を求めないなら、中国は彼を北京に招き、直接対話することは可能なのか(英フィナンシャル・タイムズ紙)
 A 私たちはこれまで何度も厳粛に表明しているように、ダライが独立の主張を放棄すれば、対話の門戸はいつも開かれている。鍵はダライの行動だ。私たちはダライを取り扱う場合は、ダライが何を言うのではなく、何をするかによらなければならない。

 Q 西側諸国の中に(チベットで発生した騒乱を受け)五輪をボイコットすべきだと主張する人もいる。首相の考えは(独DPA通信)
 A われわれは五輪の趣旨と憲章を尊重しなければならない。その趣旨は、五輪を政治問題化してはならないというものだ。中国はまだ発展途上国であり、五輪の準備に当たり、あれやこれやの問題を避けられない。しかし、13億人の中国国民が笑顔で世界に接すれば、世界の人々も笑顔で応えてくれることを私は信じている。

 Q ここにいる多くの記者はラサに行って、そこでなにが発生したのかを自分の目で確認したいはずだ。中国は自分が提供した事実についてこれほどの自信を持つなら、なぜ外国人らのチベット訪問を拒否するのか(フランス通信)
 A ラサ情勢に対する各国メディアの関心を理解している。ラサで起きた事件はほぼ落ち着いていることを皆さんにお伝えしたい。ラサはいつか必ず開放される。その際、外国メディアによる現地視察団を組むことを検討したい。

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あと、ラサの死者は70人以上ということで決定でしょうか。どうもはっきりしないようで。
チベット暴動「少なくとも70人殺害」…NGO発表
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080321-00000028-yom-int

 【北京=牧野田亨】中国チベット自治区ラサの大規模暴動と他地域に波及した抗議行動で、インドに拠点を置く民間活動団体(NGO)「チベット人権民主化センター」は20日、「少なくとも70人が殺害された」と発表した。

 さらに「数千人が負傷し、数千人が恣意(しい)的に拘束・逮捕され、数百人が行方不明になっている」と指摘し、中国政府の対応を非難した。

 同センターはこれまで、四川省アバチベット族・チャン族自治州アバ県で16日に起きた暴動鎮圧の際、警官隊の発砲で15人が死亡したと公表していたが、「少なくとも23人」と修正。犠牲者には16歳の女子生徒も含まれるとし、ホームページで、この生徒とみられる写真を公開した。

公式発表は24人逮捕みたいですね。
ラサ暴動で24人逮捕=国家安全危害罪で厳罰も−中国
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080320-00000031-jij-int

 【北京20日時事】中国チベット自治区ラサで14日に起きた暴動で、ラサ市人民検察院は19日、暴動にかかわったとして、容疑者24人を逮捕した。中国チベット・ニュースネット(人民日報とチベット日報が運営)が20日、伝えた。

 容疑は傷害、強盗、放火などの一般刑事犯罪だけでなく、死刑もあり得る国家安全危害罪も加わっている。中国当局はラサだけでなく、周辺にも飛び火した暴動に厳しい処罰で臨む方針だ。

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「暴徒」に自首要求=処罰軽減、密告も奨励−ラサ騒乱でチベット当局
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080315/1205579526
では『18日午前0時(日本時間同1時)』が自首のリミットという事でしたから、大々的にやってるようですね。
中国軍、ラサに精鋭部隊投入 チベット周辺包囲か
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080321-00000954-san-int

四川省の位置
 【北京=野口東秀】中国の武装警察(武警)部隊と軍部隊は、チベット自治区と騒乱が波及した周辺各省を包囲するように展開しているようだ。チベット自治区につながる主要道路では多数の軍用トラックなどが目撃されている。精鋭部隊も投入されている模様だ。

 英BBCテレビのウエブサイトは20日、チベット自治区に向け四川省から少なくとも約400台の軍用トラックの隊列が主要道路を走り抜けたと写真とともに報じた。また、インドのチベット支援団体が「19人射殺」と発表した甘粛省では、

甘南チベット族自治州からチベット自治区に向かうとみられる軍用車列を映像で伝えている。
甘南チベット族自治州
 また、AP通信は21日、雲南省中甸県でも少なくとも数百人の武装警察部隊を乗せた軍用トラック約80台がチベット自治区に向かったと伝えた
 これら軍および武装警察部隊の展開は、ラサ以外のチベット自治区内での騒乱を防止すると同時に、周辺各省のチベット族居住区域間とチベット自治区との間の移動を断ち切る狙いとみられる。
 消息筋は、発砲による死者が出たと伝えられる四川省アバ県やマールカン県などでの目撃として、「自動小銃を構えた兵士だった」と述べた
 ラサでは、武装警察部隊は保有していない新型重装甲車両がこれまでの映像で映っていた。軍所属を示す赤い星印は白い布で覆われ隠されていた。兵士のヘルメットのマークも見えなかったが、ヒョウ柄の迷彩服を着用した兵士もいる。これはチベット自治区などを管轄する成都軍区の特徴的デザイン。中国外務省は「がれきの清掃」のためとしているが、同軍区の「緊急展開師団」など精鋭部隊も投入されたとみられる。
雲南省の位置
 一方、国営新華社通信は20日、四川省アバ・チベット族チャン族自治州で16日に騒乱が起き、警察官の発砲で「暴徒」4人が負傷と伝えた。当局者は「自衛のためだった」と主張している。新華社はラサの騒乱で「威嚇射撃」は認めているが、発砲したと認めたのは初めて。

 一方、インドに拠点を置くチベット支援団体は16日に起きた同州の騒乱で16歳の女子生徒を含め発砲で「少なくとも23人の死亡を確認」と伝えている。

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色々と地図を出してみました。四川省アバ県というと四川省チベット自治州に近い辺りらしいですね。