五輪開会式ボイコット論、欧米で広がる チベット問題で(開会式だけじゃない!)

http://www.asahi.com/international/update/0321/TKY200803210379.html

 中国チベット自治区の騒乱を受けて、「中国への圧力を強めるべきだ」との声が欧米で広がっている。北京五輪開会式ボイコットを求める声がくすぶり、五輪自体の不参加を主張する声も出始めた。

 開会式のボイコットは、市民団体「国境なき記者団」(本部パリ)が18日に提案し、フランスのクシュネル外相も「評価に値する」と理解を示した。外相は翌日「非現実的な発想だ」とトーンダウンしたが、ヤド仏人権担当相は20日に出演したテレビで「重大な政治問題が存在する時にスポーツを楽しむわけにはいかない」と発言。開会式について「招かれても出席するかどうかわからない」と話した。

 五輪自体のボイコット案も出ている。仏社会党のロワイヤル前大統領候補は18日にテレビで「五輪不参加の可能性を示唆して中国に圧力をかけたらどうか」と提案。

 米国の対中強硬派、ローラバッカー米下院議員(共和党)も21日、台北市内で記者会見し、超党派議員6人の連名で北京五輪ボイコットを求める書簡を、ペロシ米下院議長に送ったことを明らかに。「権利を求め勇敢に戦うチベットウイグル、そして中国の人々のために米議会は沈黙を守るべきではなく、選手団を派遣すべきではない」と訴えた。

 そのペロシ議長は21日、チベット亡命政府のあるインド北部ダラムサラを訪問し、ダライ・ラマ14世と会談した。「世界中の自由を愛する人々が中国の抑圧に反対しなければ、人権について口にする倫理的なよりどころを失う」と述べ、中国政府の強圧的姿勢を批判。「外部の独立機関が調査をすべきだ」とも指摘した。

 チベット支援のデモも欧州各地に広がり、ブリュッセルでは18日、中国の欧州連合(EU)代表部前でデモ隊と警官隊が衝突、多数が拘束された。ポルトガルでは中国製品の不買運動を市民団体が呼びかけている。

 一方、各国の五輪関係者からは過剰な反応を警戒する声が出ている。スロバキア五輪委は騒乱への懸念を表明しつつ、ボイコットを戒める声明を発表。ラポルト仏スポーツ担当相は17日「不参加は何も生まない」と反対の立場を表明した。

クシュネル外相トーンダウンしたんですかね。ちょっと見つかりませんが。このブログでも書いたとおり14日の
チベット暴動、中国はダライ・ラマ派との「人民戦争」を宣言+他(長文)
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080316/1205655519

仏・伊が中国政府の対応批判、EU内には温度差も

フランスのクシュネル外相は14日、欧州連合(EU)首脳会議後の記者会見で、ラサの大規模暴動について「中国政府に自制と人権尊重を求める。EUとEU加盟27か国は強い非難の意識を共有している」と述べ、中国政府の対応を批判した。

の批判と18日の
チベット関連であっちこっちから意見が出てるので、まとめ。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080319/1205942287

仏、チベット暴動続けば北京五輪開会式ボイコット提案も

フランスのクシュネル外相は18日、記者団に対し、中国チベット自治区の暴動がさらに続いた場合、欧州連合(EU)各国が北京五輪の開会式をボイコットするよう、今月下旬のEU外相会議で提案する考えを示した。

しか追えてません。

あと米国のは
五輪ボイコット求める書簡 米超党派議員が下院議長に
http://www.asahi.com/international/update/0321/TKY200803210378.html

 対中強硬派のローラバッカー米下院議員(共和党)は21日、台北市内で記者会見し、超党派議員6人の連名で北京五輪のボイコットを求める書簡をペロシ議長に送ったことを明らかにした。

 台湾総統選にあわせて訪台した同議員は「チベットの人々を弾圧した中国当局は世界最悪の人権抑圧者」と非難。「権利を求め勇敢に戦うチベットウイグル、そして中国の人々のために米議会は沈黙を守るべきではなく、選手団を派遣すべきではない」と訴えた。

にもあり、開会式ボイコットだけではないようですけど他では扱ってないような。

ペロシ議長はありました。五輪ボイコットは主張していないようですけど。
ペロシ米下院議長がダライ・ラマ14世と会談、支持を表明
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080321-OYT1T00735.htm

 【ニューデリー=永田和男】インド訪問中のナンシー・ペロシ米下院議長は21日、北部ダラムサラチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談した。

 同議長は会談後、「国際社会に対し、(ダライ・ラマが)暴動を扇動したとの中国政府の主張を検証する独立調査団の設置を求める」と述べ、ダライ・ラマが求める
〈1〉国際調査団のチベット派遣
〈2〉直接対話再開――に支持を表明した。

 欧米の有力政治家がダライ・ラマと面会したのは、チベット自治区の大規模暴動発生後初めて。訪問は暴動発生前から予定されていた。

 一方、21日、ニューデリーで記者会見した中国の張炎駐インド大使は「チベット問題は中国の国内問題だ。我々はいかなる国や団体、個人による内政干渉にも反対する」と述べ、今回の会談に強く反発した。

 ペロシ議長は米議員9人を伴い、沿道で数千人が星条旗を振って出迎える中、ダライ・ラマ邸に到着。議長は民主党リベラル派の重鎮で、中国の人権問題に厳しい姿勢で知られる。2007年10月にダライ・ラマに米最高の勲章「議会金メダル」を授与する決定でも中心的役割を果たした。

 議長は到着後、記者団に「チベット問題は世界の良心への挑戦」と述べ、幼少のダライ・ラマが当時のルーズベルト大統領から時計を贈られたエピソードに触れ、米国との密接な関係を強調。「チベット民衆を救うことは(米国の)宿命」と言い切った。

 議長は、北京五輪ボイコットは求めないとしたものの、「世界中が見つめている」と述べ、中国政府が五輪を前に人権状況改善を急ぐよう警告。「帰国したら(チベット問題という)挑戦に応えるよう努力する」とも語り、ブッシュ政権に中国に毅然(きぜん)とした態度を取るよう迫ると見られる。議長は民主党実力者の1人で、同党大統領選候補のオバマクリントン上院議員の対中政策形成に影響する可能性もある。

 一方、ダライ・ラマは「中国政府以外、世界中が私を信じている」と話し、国際調査団が中国の主張を覆すことに期待を表明。「独立は求めない」と繰り返し述べながら、直接対話再開が実現すれば、中国の枠組みの中、チベット自治区内で「高度の自治」による問題解決を図る意向を改めて示した。

 ダライ・ラマは4月以降、米国、欧州への長期講演旅行を予定しており、5月の訪英時にはブラウン首相とも会談の見通し。だが、中国側もダライ・ラマ接触しないよう各国に働きかけを強めるのは必至で、各国とも、対中関係と国内世論のバランスを見極めながら、難しい対応を迫られそうだ。
(2008年3月21日23時16分 読売新聞)

昨日の記事ではブラウン首相は

英首相、ダライ・ラマと会談の意向 チャールズ皇太子
http://www.asahi.com/international/update/0320/TKY200803200179.html

 英国のブラウン首相は19日の下院で、5月に訪英する予定のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と、首相として初めて会談する意向を明らかにした。また首相は19日、中国の温家宝(ウェン・チア・パオ)首相と電話会談し、対話を強く求めるとともに、ダライ・ラマとの会談の意向を伝えた模様だ。

 ブラウン氏がダライ・ラマ14世と会談する意向を示したことについて、中国外務省の秦剛・副報道局長は20日、「重大な懸念」を表明し、会談の中止を求めた。

 一方、AFP通信によると、英国のチャールズ皇太子も同時期にダライ・ラマと会う予定だという。皇太子は長くチベット問題に関心を持ち、今年1月には、チベットの独立を目指す団体に対して、北京五輪の開会式をボイコットする意向を書簡で伝えていた。

会談の意向を示しています。チャールズ皇太子
チベット暴動、中国はダライ・ラマ派との「人民戦争」を宣言+他(長文)
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080316/1205655519
の追記:の
チベット弾圧に関心…英皇太子「北京五輪行かぬ」
で取り上げたように開会式だけでなく五輪そのものに行かないと表明してるようですが。