<コソボ>北部のセルビア人地区、本国への再統合機運

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080411-00000165-mai-int

 セルビアからの独立を2月に宣言したコソボでは今、少数派となったセルビア人が住む北部で、逆に独立コソボから分離し、セルビア本国への再統合を求める動きが出ている。すでにセルビアコソボ北部間の検問所は実質的機能を失いつつあり、セルビア国鉄の列車は乗客の旅券のチェックすらなしに、コソボ北部までの運行を再開していた。【ミトロビツァ(コソボ北部)で澤田克己】

 セルビア南部の町クラリエボを午前7時半に出発した2両編成の列車は、トンネルの多い山あいを縫うように走りながら2時間後にコソボ側最初の駅・レサクにすべりこんだ。駅舎には、セルビア国旗とセルビア国鉄旗が掲げられている。

 停車時間は5分弱。「コソボ警察」の制服警官2人が乗り込んできたが、おざなりに車内を一周しただけ。外国人の私を含め、約50人の乗客は、誰も身分証明書の提示を求められなかった。終点である、ミトロビツァ近郊のズベチャン駅到着は午前10時25分。乗客の一人ベイアさん(50)は「普通の(セルビア国内を走る)ローカル線と同じだ」と言いながら降りて行った。

 ◇国連も「黙認」

 コソボの独立宣言以前は違った。コソボ内の鉄道は国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の管轄下におかれ、セルビア国鉄は手を出せなかった。その代わり、レサクからの列車は、セルビア人地区の南端であるズベチャン駅を越え、アルバニア系居住地域まで運行されていた。だが今は、独立宣言に反発するセルビア側が、セルビア人地区の管轄権を奪い取った形だ。

 ミトロビツァでは、国連の管理する建物にもセルビア国旗が翻っていた。市内に住むアンドリアさん(42)は「住民が勝手に付けた旗だけど、反発が怖くて国連も外せないんだ」と話す。国連関係者によると、セルビアコソボの境界に置かれていた税関も、セルビア人地区とアルバニア系地区の境界に移設されたという。

 ミトロビツァからセルビア国内に車で戻った際に通過した検問所でも、旅券チェックはなし。検問所では、現地で平和維持活動を行う中国軍兵士が軽く手を振り、「行け」と合図しただけだった。

ちょっと前に
コソボ憲法制定 少数民族へ配慮
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080410/1207825228
と書きましたけど、アルバニア系住民さえ暴れなければ平穏と思っていたのですが、甘いですかね。ちょっとコソボ憲法が発行する6/15まで今後に注目ですね。