米議会、コロンビアFTAの審議延期 保護主義鮮明

http://www.asahi.com/business/update/0412/TKY200804110327.html

 【ワシントン=西崎香】米下院本会議は10日、コロンビアとの自由貿易協定(FTA)の審議・採決を無期延期すると決めた。保護主義的な傾向を強める野党・民主党が主導。韓国などとのFTAもブッシュ政権中の実現が絶望視されている。

 政府間で合意済みのFTA法案を議会が門前払いするのは異例で、これまで「禁じ手」とされてきた。新たな通商政策を打ち出すのが極めて困難になったブッシュ政権には大きな痛手で、世界貿易機関WTO)のドーハ・ラウンド(多角的貿易交渉)への悪影響も
懸念される。

 同FTA法案は、通商法で90日以内に議会が採決するよう定められていた。だが、下院は、将来妥当と判断された時に審議・採決できるようにする通商法改正を224対195で可決。この手法はほかの案件にも使え、大きな通商法案を「凍結」できる。

 ブッシュ大統領は「前例がない。嘆かわしい。米国の経済や安全保障、重要な同盟国との関係を損ねている」と批判。シュワブ通商代表は「議会と綿密に調整し、環境や労働の通商条件を再交渉までして改善したのに、ひっくり返された。米国への信頼が低下する」と怒りを隠さない。

 同FTA法案は米とコロンビアの関税を、例外品目を除いて段階的に無関税化する内容。民主党首脳部は「景気悪化で失業者が増えている。国内の経済対策を充実しない限り法案は通せない」「いまだにコロンビアでは労働組合幹部が虐待されている」などと審議を拒んでいた。

 保護主義の強まりは、安い輸入品などで雇用が減り、所得格差も拡大したと批判する労組などの圧力を反映。11月の大統領選を有利に運びたい多くの議員の打算も働いた。

 大統領選後、次期政権がコロンビアと再交渉し、再合意できれば、新法案が審議されるとの見通しが有力だ。合意済みだが議会に法案が提出されていない韓国などとのFTAも、
同様とみられる。

中南米関係、悪化も=FTA承認失敗なら−米国務長官
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071010/1192024282
で、懸念されてた事が現実になってきましたね。