露がモンゴルのウラン権益獲得 日本のトップ外交実らず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000009-fsi-bus_all

ウランバートルにある石炭火力発電所。モンゴル政府はロシアの支援を受け原子力発電への切り替えを進める(ブルームバーグ

 ■資源戦略の見直し迫られる

 ロシアと、世界最大のウラン資源を持つとみられるモンゴルが11日、同国のウラン生産や探鉱で包括的に協力することで合意した。ロシアはウラン権益獲得の見返りに原子力発電所建設や軍備の近代化で協力する。モンゴルのウラン資源をめぐっては日本や中国、インドなども権益獲得を目指していた。中でもモンゴルを有力な供給国と見込み、官民を挙げた資源外交を展開していた日本にとっては痛手となりそうだ。

 ≪貿易、軍備でも協力≫

 イタル・タス通信などによると、10日から3日間の日程でモスクワを訪問したモンゴルのバヤル首相は、ロシア政府で原子力政策を統括する原子力公社(旧原子力エネルギー庁)のキリエンコ社長などと会談し、原子力分野での協力を柱とする行動計画で合意した。

 ロシアはモンゴル国内のウランの生産や探鉱事業に出資し事業運営に参加すると同時に、モンゴルが建設する中・低容量の原子力発電所を支援。モンゴルの技術者育成を通した原子力事業のノウハウ提供など包括的な協力体制を構築する。原子力発電所の詳細な計画は今後、モンゴル側が具体化する。このほか、モンゴルにとって中国に次ぐ対露貿易の拡大やロシアがモンゴルの軍備近代化を支援することでも合意した。

 ≪国家統制を強化≫

 国際原子力機関IAEA)によると、モンゴル国内のウラン確認埋蔵量は世界14位の約6万2000トンだが、未確認埋蔵量は139万トンと世界最大だ。原子力燃料を輸入に頼る日本は、モンゴルをカザフスタンと並ぶ有力なウラン供給国として位置付けている。

 モンゴルでの資源開発は欧米や日本の大手商社が先行していたが、モンゴル政府はここへ来て外資主導による資源開発戦略を転換し、ロシアの資源戦略を手本に石炭やウラン資源の国家管理を強化。これに伴いロシア、中国などが参戦し、とくにロシアは国を挙げた権益獲得に乗り出していた。

 これに対し日本は2006年8月に小泉純一郎首相(当時)がモンゴルを訪問し資源開発への協力を表明。07年2月には安倍晋三首相(同)が首脳会談で2国間の投資環境整備を柱とする行動計画を発表するなどトップ外交を展開した。

 同年、政府と大手商社がタッグを組み、モンゴルの資源開発に取り組む官民合同協議会を設置。石炭輸送のためモンゴル南部と中国を結ぶ鉄道整備や発電所などのインフラ整備、原子力発電所建設に向けた技術協力など技術力を武器にした提案で巻き返しに全力を挙げていた。

 今回のロシアとモンゴルの合意について、石油天然ガス・金属鉱物資源機構は「両国がウラン開発でどこまで踏み込むかは未知数で、日本による権益獲得に影響するとは言い切れない。先行きを慎重に見極め対応を検討すべき」(ウラン探査チームの河村信行チームリーダー)と話した。

 日本はウラン資源戦略の見直しを迫られる可能性が出てきそうだ。

2007/05
地下資源開発に官民協議会、日本とモンゴルが来月に初会合
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070516/1179324662
とありましたが、その後情報見なかったようなと思って、情報をもう一度あさってみましたが、

2007/06
■モンゴルの資源争奪激化 日本も月内に官民合同協議会を開催
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070619-00000009-fsi-bus_all

 ■中国・ロシア企業を牽制

 モンゴルで事実上、凍結されていた鉱物資源開発プロジェクトが近く再開され、日本を含めた外資による争奪戦が激化する見通しとなった。モンゴル政府がこのほど、資源メジャー(国際資本)との間で銅・石炭鉱山の共同開発に合意した。これを契機に、中国、ロシアなども権益獲得競争に参戦。日本政府も月内にモンゴルとの官民合同協議会を立ち上げ、交渉を本格化する計画だ。(上原すみ子)

 ≪来月にも始動

 モンゴル南部にある世界有数の未開発銅山であるオユトルゴイ鉱山の権益を持つ資源中堅の加アイバンホーマインズと鉄鉱石世界2位の英豪系リオティントはこのほど、権益の34%をモンゴル政府が取得し、30年間の採掘契約を結ぶことで合意した。

 開発は7月のモンゴル議会による承認を経て始動し、2009年に銅鉱脈の露天掘り、14年に地下採掘に着手する。

 モンゴルの資源開発は政府が国家管理を強めるなかで、数年間にわたり停止していた。06年に外資が参加する開発案件にモンゴル政府が参加する代わりに、外資に対する税制を優遇する条件を盛り込んだ改正鉱物資源法が施行された。オユトルゴイ鉱山は、同法を適用する初の案件となる。

 もともと同鉱山の権益はアイバンホーが100%保有していたが、昨年10月、リオティントがアイバンホー株の一部を取得。ロイター通信などによるとリオティントは保有比率を近く34%に引き上げる見通しだ。

 モンゴルでの資源開発が動き出したことを受け、日本政府も大手商社など民間のプロジェクト支援に乗り出す。月内にもモンゴルと資源開発のための官民合同協議会を東京で開催する計画だ。外務省や経済産業省の審議官クラスと日本モンゴル経済委員会会長を務める室伏稔伊藤忠商事顧問らが参加する。

 ≪民間を側面支援≫

 原料炭開発事業には、石炭輸送のためモンゴル南部と中国を結ぶ鉄道整備や発電所などのインフラ整備が欠かせず、日本側は上下水道や埋蔵量調査などの協力と合わせてモンゴルに提案する。

 また、モンゴルの鉱物資源法は、外資との利益配分などについて詳細な取り決めがなく、法律の運用面を含めた投資環境整備についても協議し、日本企業の権益獲得を側面から支援する。

 ただ、ロシア、中国もモンゴルでの権益獲得に全力をあげている。プーチン露大統領はロシア企業に対し、高品質の原料炭約6億トンの埋蔵が見込まれている南部タバントルゴイの入札に一丸となって臨むよう指示したといわれ、日本政府の戦略がどこまで通用するかは未知数だ。

 日本勢はこれまで、大手商社首脳が05年に相次ぎ現地を視察。三井物産は05年にアイバンホーとモンゴルの銅・石炭鉱山の事業化調査と権益の一部取得で合意し、伊藤忠商事も、ブラジルの資源大手リオドセと共同でタバントルゴイの石炭開発・生産に向け、事業化調査に着手することで合意していた。

とあったのですが、月内の議会も7月のモンゴル議会も情報見つかりませんでした。2007年はモンゴルにおける日本年だったそうですが、あまり情報ないですね。皇太子様がモンゴル行かれたとかはあったのですが。

かわりに見つかったのは、
中・露と中央アジア 資源獲得で結束強化 「カルテル」に警戒の声
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070609-00000012-fsi-bus_all

 ロシア、中国が中央アジア諸国とエネルギー協力関係を深めている。ロシアのプーチン大統領は5月に天然ガス大国、トルクメニスタンなどを歴訪し、資源獲得に布石を打ったほか、中国政府もカザフスタンなどと関係強化に動いている。2国間協力に加えて中国、ロシアと中央アジア4か国で構成する上海協力機構(SCO)は、8月の首脳会談を前に石油・天然ガスなどエネルギー分野での協力を強化するためのエネルギー会合開催を検討、今後、オブザーバー参加のイランやインドが正式加盟すれば、エネルギーカルテルに浮上する可能性も秘めている。

 上海協力機構は、8月月16日にキルギスタンの首都ビシケクで開催する首脳会談の前哨戦(ぜんしょうせん)に、月内にもモスクワでエネルギー会合を検討しているという。SCOは、当初、反テロ対策など安全保障を目的に結束した同盟で、中央アジアへの米国の政治介入を牽制(けんせい)したい思惑で一致している。

 中国、ロシアは、ともに中央アジアの石油、天然ガス、ウランなどの資源権益を獲得したい一方で、中央アジア諸国は欧州以外の販路拡大を目指しており、昨年6月に上海で開催された「創設5周年記念首脳会議」でもエネルギークラブの創設で合意した。

 とくに中国は経済成長に伴うエネルギー消費の拡大と国内生産の伸び悩みで06年の原油輸入は、前年比14・2%増の1億4518万トンと過去最高を更新し、輸入増に歯止めがかからない状況だ。

 中東依存度を5割以下に抑えたい中国にとって、中央アジア諸国は、アフリカ、ロシアと並ぶ有力な輸入先だ。05年7月に中国の胡錦濤国家主席カザフスタンのナザルバエフ大統領と戦略的パートナーシップ関係を結んで以来、関係を強化している。

 カザフからの原油輸入は06年で268万トンと第10位だが、前年比約2倍と急増。昨年7月、中国石油天然ガス集団(CNPC)とカザフスタンの石油ガス会社の合弁会社を通じて、カザフのアタスから新疆ウイグル自治区の阿拉山口向けの原油パイプラインの商業輸送がスタート。輸入量が増加し、現在9位のリビアや8位のスーダンを上回るのは時間の問題とされている。

 ロシアのプーチン大統領は、5月中旬に中央アジアを歴訪。今年2月に20年以上の独裁体制の後に新大統領に専任された、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領といち早く首脳会談を実現し、カスピ海横断ガスパイプラインで合意。カザフともウラン供給やロシア経由の石油・ガスパイプランで合意するなど2国間の資源外交で先手を打っており、中国も巻き返しにでるとみられている。

 SCOにはロシア、カザフスタンキルギスタンタジキスタンウズベキスタン、中国が加盟し、モンゴル、イラン、インド、パキスタンがオブザーバーとして参加している。オブザーバーが正式加盟すれば「一大資源国と消費国が共存するエネルギーカルテルに浮上する可能性もある」(エネルギー業界関係者)と警戒する声もある。(上原すみ子)

でした。
カザフ・カシャガン油田 資源ナショナリズム苦悶 技術乏しく外国頼み
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080120/1200816430
の資源ナショナリズム方向にモンゴルは行ってしまったようですね。

「日本は第3の隣国」モンゴル大統領、関係重視を強調
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070227/1172582157
とありましたが、友好関係だけではどうにもならないと言う事でしょうか。