ダライ・ラマ生家、厳しい監視下…現住の親族は事実上の軟禁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080412-00000059-yom-int


反政府行為禁止通知(男性の背後)が張り出されたダライ・ラマ14世の生家正門(中国青海省平安県で)=加藤隆則撮影

 【西寧(中国青海省)=加藤隆則】中国チベット自治区ラサで大規模暴動が発生してから14日で1か月を迎える。

 同自治区に隣接する青海省にあるチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(72)の生家は、当局の厳しい警備下に置かれ、外部との接触が制限され、現住する親類らは事実上の軟禁状態に置かれていた。

 「ずっと山の奥だよ。先で聞けばすぐわかる」。10日、省都西寧市から延びる高速道路を下り、生家の所在を尋ねると、チベット族の住民らは驚いた様子もなく、教えてくれた。インターから約40キロ、高度3000メートル級の山々を越えて平安県の生家に到着したのは午後5時過ぎだった。

 正面の門扉は固く閉ざされたまま。両側には、同省司法当局による4月2日付の通知が張り出されていた。通知は中国とチベット語の2通。中国語では、政府への破壊行為やダライ・ラマの肖像や写真の制作、配布を禁じ、情報提供者には報酬が出ることなどが書かれてあった。

 裏手に回り、戸をたたくと男性が現れた。「あなた方はどこから?」。記者の身分を名乗ると当惑した表情に一変し、「今は対応ができない。すぐに帰ってほしい」と敷地内に姿を消した。その後、付近の住民が「日中は警官が何人もいて生家への道を封鎖している。さっき帰ったばかりだ」とこっそり打ち明けた

 ダライ・ラマは出生後の数年間、この家で過ごした後、ラサに転居。1959年のチベット動乱でインドに亡命した。今回の暴動で、中国政府はダライ・ラマを「首謀者」と非難しているが、今もダライ・ラマは周辺に住むチベット族の信仰の中心だ。

 ラサの暴動に先立つ2月21日には、同県から南へ約150キロの黄南チベット族自治州同仁県で僧と警官の衝突事件が発生している。12日、発生現場を訪れると、若い僧が「軍隊が毎日部屋の捜索にやってくる。ダライ・ラマの写真を持っていれば、すぐに連行される」と恐怖におびえていた。

しかしダライ・ラマが訪米している間にこういう情報を出してくるのがいかにもダライ・ラマ周辺に対する脅迫っぽく感じるんですが、考えすぎですかね。