米、チベット急進独立派の台頭を懸念

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080417-00000945-san-int

 ■ダライ・ラマとの対話拒否、ツケは中国に

 【ワシントン=山本秀也】穏健路線を掲げるチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との対話を中国政府が拒み続ければ、北京五輪の粉砕を叫ぶ急進的なチベット独立派の台頭を招く−。米議会調査局(CRS)が作成したチベット情勢に関する報告書が、こうしたチベットの近未来像を描いていることが分かった。中国にとってはより深刻な民族問題を抱えかねない皮肉な内容だが、分析にあたった米国も地域情勢の新たな火種を歓迎してはいない。ダライ・ラマとの「直接対話」を北京に促す米側の外交工作は、さらに強まりそうだ。

 ニューデリーでの北京五輪聖火リレーをにらみ、抗議を図った組織のひとつが「チベット青年会議」(TYC)だ。米側では、青年会議のほか、「チベット国家民主党」(NDPT)など、亡命政府と同じくインドを拠点とした5つのチベット人組織と、その連合体として今年1月にインドで結成された「チベット人民蜂起運動」(TPUM)に注目する。

 議会調査局がまとめた10日付の報告書は、これらの組織が、
(1)今年8月の北京五輪
(2)来年3月のチベット蜂起(1959年)50周年
−にあわせて、抵抗活動を活発化させると予想している。ダライ・ラマの権威を信奉する一方で、こうした組織はチベット独立や五輪粉砕を掲げる。

 「蜂起運動」などの組織について、中国の治安当局は、いずれも「ダライ集団」(亡命政府)の手で構築、運営されていると非難してきた。中国の叫ぶ「陰謀論」に対して、議会調査局の報告書は、チベット独立に傾くこれら組織側の主張が、「中国の主権範囲内での高度な自治を求めるダライ・ラマの政策を支持してはいない」として、決して一枚岩ではない、との見方を盛り込んだ。

 公式には「ダライ・ラマとの対話の門戸は開かれている」(チベット白書)という中国だが、米政府などの説得にも、これまで直接対話に応じる気配をみせていない。なぜか。報告書は「中国は72歳を迎えたダライ・ラマの死去を待っていれば、チベットにかかわる運動が瓦解すると踏んでいる」と明確に指摘した。

 なんとも狡猾(こうかつ)な胸算用だが、報告書は「ダライ・ラマチベット社会に与えている影響力こそが重要」と訴える。

 つまり、中国が対話拒否を続ければ、「穏健な方法では、北京から汚辱以外の何物も得られないとみる青年や好戦的なチベット人に対して、ダライ・ラマが持ってきた影響力を損なってしまう」というわけだ。

 対話の糸口を失った末、中国国内の民族問題が武力弾圧と武装闘争の悪循環に陥った例は、「東トルキスタン建国」を掲げる新疆ウイグル自治区での抵抗活動がある。チベット問題が「世界の屋根」といわれる高山地帯での山岳ゲリラ闘争に移った場合の影響評価にまでは、報告書は踏み込んでいない。

 議会への政策提言として、報告書はダライ・ラマと中国指導者の直接対話に加え、チベット騒乱の真相究明に向けた独立調査団の派遣、チベット自治区の最大都市ラサへの米国領事館開設を米政府に働きかけることを挙げている。

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そうたしかに、ダライ・ラマの宗教的影響力が大事だと
中国は分裂するか?答えは分かりませんけどね。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080409/1207728902
でも言いたかったんですよ(という事にしておいて下さい)。

チベット人の政治は誰の手に?
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080317/1205756268
でも、チベット側の一枚岩じゃなさを書いたつもりです。

まぁアメリカの政策には、ときに反対する僕ですが、この見方には大体同意です。

追記:
詳しい事は知らないのですが、カルマパ17世という方もインドにいて、この方はまだ若いらしいですね。
カルマパ17世 チベットから逃走
- チベット人の忠誠心分断への中国の試みは精神的指導者の逃亡で挫かれる -
http://www.tibethouse.jp/news_release/2000/Karmapa/karmapa22.html
ダラム・サラに亡命した時は、情熱的な歓迎をされたと言う事で、あと数十年はこの方に期待して良いという事でしょうか。