グルジア情勢、ついにアメリカ動く。ここ二日の流れを。

ロシアとグルジア、和平案で合意=仏大統領が調停、停戦実現に前進
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000051-jij-int

 【モスクワ13日時事】欧州連合EU)議長国フランスのサルコジ大統領は13日未明(日本時間同日朝)、グルジアのサーカシビリ大統領との会談後に記者会見し、グルジアとロシアが南オセチア自治州をめぐる紛争の和平案で合意したことを明らかにした。これにより、グルジア軍の南オセチア進攻をきっかけに始まったグルジア、ロシア両国軍の武力衝突は停戦実現に向け大きく前進した。

 和平案はサルコジ大統領が12日にロシアのメドベージェフ大統領と合意した。戦闘行為の停止やグルジア、ロシア両国軍が戦闘開始以前の場所に撤退することなど、紛争解決の原則が盛り込まれている

 サルコジ大統領は12日深夜、モスクワからグルジアの首都トビリシに到着し、サーカシビリ大統領と数時間にわたり協議。途中、メドベージェフ大統領とも電話で連絡を取り、合意にこぎつけたという。

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その後一部修正ですね。他にも報道ありましたが、ロシアも同意しているという事で。
グルジアも一部修正し和平案受諾…露との衝突終結
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000010-yom-int

 【トビリシ本間圭一グルジアのサアカシビリ大統領は12日夜、トビリシ欧州連合(EU)議長国フランスのサルコジ大統領と会談し、南オセチア紛争の解決を目指す6項目の和平案について、文言を一部修正したうえで受け入れた。

 これによりロシアとグルジアの停戦の基礎が成立し、今回の軍事衝突はさしあたり終結する見通しとなった。

 インターファクス通信などによると、サルコジ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が合意した和平案について、サアカシビリ大統領は、グルジアからの独立を主張する南オセチアアブハジア自治共和国の「将来の地位について、国際的な協議を始める」との項目の修正を要求。メドベージェフ大統領にも連絡し、協議した結果、「将来の地位」との表現を削り、「安定と安全を確保するため、国際的な協議を始める」に改められた

 グルジア側は、事実上の独立状態にある地域を含む領土の一体性を守ることができたとの見解を示している。

 和平案は13日、EU外相理事会が承認し、国連安保理に決議案として提出される予定だ。

しかしAFP通信はロシアの停戦違反を目撃としてますね。
ロシア軍が「停戦違反」=グルジア政府−首都方向に戦車の列
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000195-jij-int

 【モスクワ13日時事】グルジア南オセチア自治州をめぐる軍事衝突で、ロシア、グルジア両国が13日未明、和平案に合意した後、グルジアでは戦闘や空爆は止まった。しかし、AFP通信によると、同日午後(日本時間同)、ロシア軍の戦車や兵員輸送車の車列が同国中部の町ゴリから首都トビリシ方面に移動するのが目撃された。グルジア政府高官は深刻な懸念を表明、「停戦違反だ」と非難した。

 AFP通信記者はゴリから約10キロ地点で、ロシア軍の戦車など約60両がトビリシ方面に移動するのを目撃した。米CNNテレビは、グルジア政府高官の話として、ロシア部隊が向かっているのはトビリシではなく、近郊にある無人の基地だと伝えた。

 これより先、グルジア国家安全保障会議のロマイヤ書記はゴリにロシア軍戦車、装甲車約50両が展開していると述べた。サーカシビリ大統領は「停戦にもかかわらず、ロシア部隊がグルジア領内を動き回っている」と非難した。

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今のところ他社の報道としてはロイター産経が書いているようです。
ゴリ近郊に検問所と報道 ロシア軍、グルジアが非難
http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008081301001226.html

 【トビリシ13日共同】ロイター通信は13日、グルジア中部の要衝ゴリ近郊の道路に、ロシア軍が検問所を設置したと伝えたグルジアのサーカシビリ大統領は、ロシア軍戦車がゴリに侵攻したとして停戦合意違反と非難したが、ロシアは否定した。

 大統領はまた、ロシア軍がわずかに残ったゴリの住民から略奪行為をしていると非難した。

 ゴリはこれまでに度重なる空爆を受け、大半の住民が脱出、グルジア軍も撤退している。

グルジア軍が撤退開始 露軍幹部語る
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000975-san-int

 【モスクワ=佐藤貴生】ロシアがグルジアに侵攻した南オセチア自治州をめぐる情勢で、ロシア軍幹部は13日、同自治州に進攻していたグルジア軍が同日午前9時に大挙して首都トビリシ方向に撤退を始めたと語った。

 ただ、ロシア軍の戦車や兵員輸送車の車列が同国中部の町ゴリから首都トビリシに向けて移動を開始したとの情報もありグルジア政府高官は懸念を表明、「停戦違反だ」と非難した。ロシア国防省は情報を否定している。

 ラブロフ・ロシア外相はロシア軍について「グルジア軍の撤退の進行状況に応じて進める」と述べており、双方の撤退完了までには時間がかかる可能性がある。

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グルジア紛争>双方が「勝利」訴え 戦争のツケは今後に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000116-mai-int

 【モスクワ大木俊治】グルジア南オセチア自治州をめぐる軍事衝突は、ロシアとグルジアが12日、停戦を含む和平案に合意し、終息に向かう見通しとなった。いずれの政権も国内に「勝利」を訴え、国民の結束には成功したが、ロシアは国際社会の信頼を失い、グルジアは西部で独立派勢力に支配地域を奪還された。戦争のツケは今後、じわじわと効いてくる可能性がある。

 5月に就任したロシアのメドベージェフ大統領にとって、今回の軍事介入は軍最高司令官としての「初仕事」。チェチェン紛争のように泥沼化させず、短期間で「勝利」に持ち込んだと評価され、権力基盤を強化した。国営テレビはロシアへ逃れた避難民の惨状を連日報じ、大半の国民は軍事介入を支持した。

 その半面、大統領を「リベラル派」とみて、プーチン前政権の強硬な外交路線の変化を期待していた欧米では、軍事力に訴える「19世紀型のリアルポリティック(武力政治)」(軍事評論家のゴルツ氏)に失望感が漂う。軍事衝突で反露姿勢を強めるグルジアは、ロシアを盟主とする独立国家共同体(CIS)脱退を表明、ウクライナなど他の加盟国にも同調を呼びかけており、CIS瓦解の序曲となる可能性もある。

 一方、グルジアのサーカシビリ政権は、国際社会を味方につけたうえ、国内では「ロシアが首都攻撃を計画している」と危機感をあおり、停戦を祖国防衛の「勝利」として演出するのに成功した。昨年の野党勢力への武力弾圧などで支持率の低迷にあえいでいたが、求心力を回復させた

 しかし、実際には南オセチア進攻は失敗し、アブハジア自治共和国ではグルジア政権が唯一支配していたコドリ渓谷を、南オセチアでの戦闘に乗じた独立派勢力に奪われたグルジアからの独立を求める両地域の独立派勢力はサーカシビリ政権への不信感を増幅させており、「今後グルジアとはいかなる交渉もしない」(アブハジア独立派政府のバガプシ大統領)と態度を硬化させている。政権が目指す「国家の一体性」は一層遠のいたのが現実だ。

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グルジア南オセチアで独立派勢力と治安部隊が交戦
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080807/1218122387
で、アブハジアは『欧米の仲介で15日にベルリンでグルジアと和平交渉を行う予定だったが、グルジア南オセチアへの攻撃を中止しなければボイコットすると表明』とありましたが、「今後グルジアとはいかなる交渉もしない」になってしまいましたね。コドリ渓谷をグルジアから取り返したからもういいということなんでしょうか。

コドリ渓谷も一回まとめようと思ってたんですが、また後にします。

まぁグルジアはデモを弾圧したり、いろいろあって来年1/5に大統領選があったんですが、求心力を回復させたんなら願ったりかなったりでしょうね。

しかし国際社会ってグルジアの味方についていたんでしょうか、まぁテレビ見てないんで、マスコミが誘導したい方向ってのがどっちなのかいまいち分かりませんけど。

で、EUも動きそうです。
EU監視部隊の派遣検討 グルジア紛争で臨時外相会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000974-san-int

 【パリ=山口昌子】欧州連合(EU)は13日、臨時外相会議(閣僚理事会)を開催。「グルジア紛争の平和的かつ永続可能な決議に向けた努力を支援するため、EUは準備を整えなければならない」とする声明文草案で合意した。具体的な施策として議長国フランスのクシュネル外相は「EUの停戦監視部隊」を組織する方針を示した。

 停戦監視部隊にはイタリアが1000人以上の要員派遣を表明したほか、フィンランドリトアニアも派遣に前向きな姿勢を示した。ただ、クシュネル外相は部隊を「平和維持軍」とすることには難色を示し、軍事色を薄めた「停戦監視部隊あるいは和平促進部隊などの名前で派遣したい」と述べた

 停戦監視部隊の詳細は、9月に開催される外相会議で検討される予定。ただ、EU内にはポーランドリトアニアなど親グルジアの旧共産圏諸国からはロシアへの強硬措置を求める声がある一方、エネルギー大国・ロシアとの関係を悪化させたくないフランスやドイツは慎重姿勢をみせており、温度差も広がっている

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グルジア紛争>薄氷の和平合意 EUは戦闘即時停止を優先
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000145-mai-int

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は13日、ブリュッセルで緊急外相会議を開き、南オセチア自治州をめぐるロシアとグルジアの軍事衝突を受け議長国フランスがまとめた和平案を承認し、全欧安保協力機構(OSCE)の枠組みで停戦監視員を派遣する方針で合意した。EUは多数の死傷者・避難民を出した「欧州の間近での虐殺」(クシュネル仏外相)の即時終息を優先し、ロシアとグルジア間で対立が解けていない南オセチアアブハジア自治共和国の扱いは玉虫色の表現にとどめるなど、薄氷の和平合意となった。

 会議ではクシュネル外相が冒頭、武力不行使▽戦闘停止▽グルジア、ロシア両軍の撤退▽南オセチアアブハジアの安全と安定の方策に関する国際協議の開始−−など6項目から成る和平案を加盟国に説明した。

 当初、サルコジ仏大統領はメドベージェフ露大統領との間で「南オセチアアブハジアの地位に関する国際協議の開始」で合意していた。だが、将来の分離独立を容認すると受け取られかねないとしてグルジアのサーカシビリ大統領が反発したため、グルジアの主権尊重をにおわせる表現に落ち着いた。

 EU外相会議は紛争の平和解決を目指す国連とOSCEを支援するため、要員を派遣する用意を確認した。現在、グルジアには約200人のOSCE監視員が駐留しているが、約100人増員される予定。ソラナEU共通外交・安全保障上級代表は和平案の法的基盤として採択される国連安保理決議の内容次第で、将来のEU部隊派遣の可能性も検討する考えを示した。

南オセチア紛争解決のための和平案

(1)武力の不行使

(2)戦闘の停止

(3)人道支援活動を制限しない

(4)グルジア軍は常駐の地点まで戻る

(5)ロシア軍は紛争前の地点まで戻る。国際メカニズムが導入されるまで、ロシア平和維持軍は追加的な安全措置を取る

(6)南オセチア自治州アブハジア自治共和国の安全と安定の方策について国際協議を始める

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グルジア紛争、EUが停戦監視団派遣の方針
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080813-00000056-yom-int

 【ブリュッセル=尾関航也】ロシアとグルジアによる南オセチア紛争解決のための和平案受諾を受け、欧州連合(EU)は13日、ブリュッセルで外相理事会を開き、グルジア領内に停戦監視団を派遣する方針を決めた。

 ただ、ロシアの了承を取りつける必要があり、監視団の規模や時期など詳細は定まっていない。

 外相理事会では、議長国フランスのクシュネル外相が、グルジア、ロシアによる6項目の合意内容を土台に国連安全保障理事会決議案をまとめる意向を示し、他の加盟国も支持した。EUは、決議案に停戦監視団の派遣を盛り込みたい意向で、採択には常任理事国ロシアの同意が必要となる。

 停戦監視団は警察官など非軍事要員から成る可能性が高いが、EU内には、グルジア領内に駐留するロシア平和維持部隊に代わる部隊派遣を求める声もある。

EUが監視団を送るには、EUと国連安保理両方の賛成が必要みたいですね。

で、アメリカも動いてます。書いてるのは読売だけかな。
米大統領グルジアへの人道支援開始を表明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080814-00000001-yom-int

 【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ米大統領は13日、ホワイトハウスでロシア軍部隊のグルジア侵攻に関して声明を発表、ゲーツ国防長官に対し、米軍による対グルジア人道支援を開始するよう指示したことを明らかにした。

 ただ、グルジアに軍部隊を展開しているロシア側の反発は必至で、米露間で新たな緊張を招きそうだ。

 ブッシュ大統領は、支援物資を搭載した空軍のC17輸送機1機がすでにグルジアに向かっていると述べ、「今後、空軍機と海軍の艦船を駆使して人道支援・医療物資を送り込む」と強調。ロシアに対し、「あらゆる形の人道支援受け入れ」と、支援の円滑な実施のため「通信手段および港や空港、道路などの開放」を要求した。

 大統領はまた、ライス国務長官を近くグルジアの首都トビリシに派遣し、米国が親米のサアカシビリ政権を「断固支持する」との立場を伝える方針を明らかにした。

ロシアに対して要求してるという事は、南オセチアアブハジアにも入るつもりなのでしょうか。これは続報に注目という事で。

で、また読売
グルジアへの米軍派遣表明、米露の対立激化へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080814-00000005-yom-int

 【ワシントン=黒瀬悦成】ブッシュ大統領が13日、米軍による対グルジア人道支援を発表したのは、グルジア情勢への関与姿勢を明確にし、民主化のモデル」と自賛してきた親米のサアカシビリ政権を脅かすロシアを強くけん制する狙いがある。米露間の対立の激化は避けられない。

 ブッシュ大統領によると、ライス国務長官トビリシ入りに先立ちフランスを訪問し、ロシアとグルジアの仲介を進めているサルコジ仏大統領と協議する。

 ブッシュ政権としてはあくまで外交的解決を優先させる構えで、現時点ではロシアとの軍事対決を避ける姿勢を堅持している。が、人道支援の形とはいえ米軍を現地に派遣したことは、ロシアに対し、軍事的選択肢を完全排除したわけではないとの「強い警告」を発しているのは明白だ。

こちらではアメリカの姿勢は表現が和らいでいる気がしますが、「民主化のモデル」と言っても
グルジア>デモ隊を治安部隊が強制排除
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071107/1194435756
とかあったんですけどね。まぁこちら↓見ていただければ分かるとおり、
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/archive?word=%A5%B0%A5%EB%A5%B8%A5%A2
今年の4月ぐらいからかなりやばい状況で、グルジアを一方的に責める気にもなりませんけどね。