スーダンで見た日中の品格

いかにも産経新聞という感じがしてしまう記事です。良くも悪くもw
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090207-00000525-san-int

 ≪行儀よさと気前よさと≫

 ベルリンでアフリカの開発協力に関する日独シンポジウムに出席したその足で、スーダンへ飛んだ。フランクフルトから首都ハルツームまで直行で5時間半。「アフリカは欧州の隣人」とドイツ人が語った通りの近さだった。

 だが現地で圧倒的な存在感を見せていたのは中国と中国人だ。空港で到着する中国人客を数えようとして、100人を超えたところでやめた日本人がいたとか。

 1950年代からAA(アジア・アフリカ)連帯の名の下に果敢なアフリカ外交を展開してきた中国が、世界の耳目を再び集めたのは2006年にアフリカ48カ国もの首相や元首を北京に招き首脳会議を開いてからだろう。資源・エネルギー獲得への飽くなき攻勢はもはや説明は要るまい。

 政府の国際協力省高官は実に率直な人だった。中国の援助は(日本のように)国連を介さず直接借款、インフラ作りや石油への投資もしてくれて非常に感謝していると力説した。日本はと水を向けると「もちろんありがたい。でもポライトだね」破顔一笑した。

 含意は中国と比べお行儀が良すぎるんじゃないという感じか。

 「日本は民主主義。国民の税金であるODA(政府開発援助)は透明性と説明責任が不可欠で、中国とは違うのです」と述べると、意外にも「その通り」と深く頷(うなず)きこう続けた。「自分が退職したら国連がいかに無駄遣いしているか本を書く。直接援助ならスーダンはもっと有効に使うだろう」

 「その政府の信頼度が問題で」とはさすがに口に出しかねた。

 ≪対照的な2つの病院≫

 日・スーダン協力の象徴的存在とも言うべき市内のイブンシーナ病院を訪れた。1982年に無償資金協力で誕生、消化器と腎臓、耳鼻咽喉(いんこう)科がある。四半世紀を経た建物や機材は古めかしいが、手入れが良く清潔なのが印象的だった。病院長も「職員は皆ここが好き。責任感がある。機材も大切に使っています」と満足そうだ。

 とはいえベッド数の拡大や超音波エコーなど最新機器の導入、医師や看護師の訓練など日本へのさらなる期待も高い。日本は05年の南部内戦終結後は二国間支援も増やしているが、同病院へは機材の更新などまだ一部に留(とど)まる。

 一方、中国。首都圏オムドゥルマン市のイブンシーナにはない先端機器を備えた友好病院の評判を聞き、急遽(きゅうきょ)取材を申し入れた。

 中国は中国でも山西省政府が10年前に建設し、医師や看護師も同省から派遣、病院に隣接し宿舎まであった。機器は中国系企業のリース。いや、将来は患者も中国人の増加が必至だ。スーダンの中国人は3万人といわれるが、膨らむ一途で、正確な人数は不明だ。

 さしずめ中国の中国による中国のための病院。これって中国第一の総合的戦略ではないか。しかも「中国はスーダンの医師や看護師を定期的に招待し勉強させてくれる。本当に気前が良い」と病院長らは感謝の言葉を重ねた

 ≪目指すべき開発協力は≫

 確かに中国は頑張っている。しかし友好病院の中国製機器の総じて旧式なこと、集中治療室の衛生環境の悪さなど課題も多い

 JICA(国際協力機構)が北部水プログラムで人材育成と緊急事業を行う水道公社を取材した際も、廉価なため中国製機器を導入したものの壊れやすく、日本から派遣のプロの水道技術者たちが修理や水質管理に奮闘する苦労を聞いた。公社幹部は「安くても後が問題」なことに気づいたという。そもそもメンテナンスの思想がまだ根付いていないのである。

 折しも日本大使公邸で開かれた新年会に飛び入り参加した。在留邦人は百余人(外務省発表)。何と八十余人が各地から集まった。進出日本企業はゼロだから、大半はJICAや青年海外協力隊、NGOなど援助関係者たちだ。

 宴(うたげ)も半ば、皆次々に挨拶(あいさつ)、自分の仕事や近況、抱負を語った。

 国連の仕事でハルツームから今度は西サハラへ行く若者、首都南方400キロのセナル州で母子保健強化プロジェクトに従事する若い女性、国連スーダンミッション(UNMIS)に派遣の自衛官2人、さらに朝訪れたイブンシーナ病院で機械の保守点検を終え名古屋へ戻る技術者…。その多様さと活気に正直、感動を覚えた。

 「日本の近況などどうですか」と石井祐一大使に促され、私はこう挨拶した。「政治をはじめ日本国はいま本当にダメですね。でも日本人は大丈夫。皆さんの活動ぶりにその思いを強くしました」

 アフリカで中国と物量で競うのは無用。でも人材はじめODAの質は別だ。厳しい環境下、現地の人々のため活動し、黙々と国益に貢献する日本人たちのためにも、ODA減額に歯止めをかける時だとも痛感した。(特別記者・千野境子)

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まぁ産経新聞の特徴として中国に批判的。日本には自画自賛。国連に否定的というのがあると思うんですが、国連やODAの功罪を調べるまでにいたりません。申し訳ないです。

まぁでも中国も自画自賛してますね
アフリカ支援 中国は南南協力 劉代表「日本と違う」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080531/1212236032