ニッポンは資源大国だった「燃える氷」2018年度に商業化

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090214-00000000-jct-bus_all

 「ニッポンは資源国だった」――そんな夢のような話が現実に向けて動き始めた。使わなくなった携帯電話やパソコンから採れる「廃品回収」のことではない。海底深く眠る本格的な海洋資源だ。経済産業省がまとめた「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(案)」によると、次世代エネルギーとして期待され、日本近海に大量に埋蔵されているとされるメタンハイドレートを、2018年度までに商業化するという。

■「燃える氷」と呼ばれるメタンと水が結びついた固体状の物質

 資源産出国で台頭してきた「資源ナショナリズム」によって、日本はエネルギー・鉱物資源の安定供給に支障を来たす事態が予想されている。エネルギー資源に乏しい日本は、外交手段を使って資源産出国との関係強化に努めてきた

 資源不足の結果として、世界の最先端を行く省エネ技術を身につけてきたことはあるが、日本人は常に頭を痛めてきたのがエネルギー資源確保の問題だ。

 ところが、ここ数年の調査結果で、日本はじつは「資源大国」の可能性がきわめて大きいことがわかった。その代表的な資源が「メタンハイドレートだ。

 メタンハイドレートは石油や石炭に代わる次世代エネルギーとして期待されていて、「燃える氷」と呼ばれている。メタンガスと水が結びついた固体状の物質で、1立方メートルのメタンハイドレートを解凍すると164立方メートルのメタンガスになる。全世界での埋蔵量は陸地で数十兆立方メートル、海域で数千兆立方メートル。じつに、天然ガスや石油の2倍以上といわれている。

 日本にとっては、この資源が陸地ではなく、海底深くに埋もれているのがミソ。日本は国土こそ世界第60位(約38万平方キロメートル)と小さいが、約447万平方キロメートルと世界第6位の排他的経済水域EEZ)と大陸棚の広さを誇っている。メタンハイドレートの場合、日本列島を取り囲むような形で、多量に埋蔵されているといわれる。さらに、石油や天然ガス海底熱水鉱床などのエネルギー・鉱物資源の存在がすでに確認されているのだ。

■4月からは日本国内で海洋試験を行う予定

 経済産業省などが検討している「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(案)」は、2015年までにメタンハイドレートの陸地と海洋での産出試験を実施し、18年度までに商業化する開発工程を示している。

 実際には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構JOGMEC)が2008年3月に、カナダの永久凍土の地下約1100メートルに存在するメタンハイドレート層からメタンガスを産出する試験に6日間連続で成功。実現に向けた「第一歩」を踏み出している。「減圧法」という生産手法によるもので、世界で初めてのことでもあった。

 JOGMECは現在、カナダの実証実験で得たデータを解析中で、「物質がどのような状態で存在しているのか、また減圧法が海洋での産出にも適用できるか、などを検証しているところ」という。この4月からは第2フェーズに入り、日本国内で海洋試験(場所はまだ未定)を行う計画だ。「海洋での産出は気象条件などが陸地よりも厳しいので、技術面に加えて安全面なども検証していかなければならない」と話している。

 民間でも、東京ガス三菱重工三井造船新日本石油日立製作所などが研究・開発に取り組んでいて、官民で熱が入ってきた。商業化には採算性などの問題もあるので、まだまだ曲折があるだろうが、長いことエネルギー資源に苦労していた日本が「資源大国」へ変貌する、そんな期待が膨らんでいる。

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メタンハイドレート商業化など、政府が海洋基本計画を決定
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080318/1205841425
でもあった件ですが、朝鮮日報でも
独島:15兆円以上の「海の宝」が眠る独島近海(上)
http://www.chosunonline.com/article/20080727000005

 独島(日本名竹島)を取り巻く東海(日本海)の深海底には、天然ガスとして活用可能な「メタンハイドレート」が極めて大量に埋まっている。これまでの推定埋蔵規模だけでも、韓国における天然ガス消費量の30年分に当たる。金額に換算すれば150兆ウォン(約15兆8700億円)を上回る、巨大なエネルギー資源だ。韓国の研究陣が最近、新たに独島のメタンハイドレートの構造を明らかにし、これまでの推定よりさらに多くのメタンハイドレートが埋蔵されている可能性を提起した。

◆独島近海に埋まる「燃える氷」 

 メタンハイドレートは、果物で言えば種の部分にメタンがあり、表面の皮の代わりに水の分子があるという構造で、肉眼では完全に凍っている状態に見える。火を付ければ、氷が溶けながら内部の純粋なメタンが勢いよく燃える。世界各国は、深海に埋まっているこの「燃える氷」を溶かし、次世代のエネルギー源であるメタンを取り出そうとしている。

 今月初め、KAIST(韓国科学技術院)生命科学工学科のイ・フン教授(56歳)は、独島のメタンハイドレートがどのような種類のものなのかを明らかにした。メタンハイドレートは、メタンを取り囲む氷の結晶構造によって「構造1型」「構造2型」「構造H型」の3種類に分かれる。一般的に、構造1型や構造2型のメタンハイドレートは海底下1000メートルの深海底の堆積層や地上の永久凍土地帯で発見され、構造H型のメタンハイドレートは相対的に浅い水深200-500メートルの海底に存在することが分かっている。

 イ教授のチームは、東海に埋まっているメタンハイドレートが構造1型であることを確認した。構造1型ではメタンが大部分を占めるが、構造2型ではメタンの他にエタンなど成分の異なる不純物が混じっている。今までは、地震波の分析により、東海のメタンハイドレート埋蔵規模は6億トン、金額にして150兆ウォン台と推定されて来た。しかし構造1型・2型どちらのメタンハイドレートなのかが分からず、最小の推定値を提示していた。

 しかし、東海のメタンハイドレートはメタンが大部分を占めている構造1型であることが明らかになったことで、より正確な埋蔵規模を推定できるようになった。イ教授は、「東海に埋まっているメタンハイドレートの構造を把握してまだ間もなく、正確に予測することは難しいので、現在分かっているよりは多いだろうと控えめに推定している」と語った。

チョ・ホジン記者
朝鮮日報朝鮮日報日本語版

独島:15兆円以上の「海の宝」が眠る独島近海(下)
http://www.chosunonline.com/article/20080727000006

◆韓国の技術で海の宝を掘る 

 イ教授のチームは2006年に、メタンよりも水分子との結合力が強い窒素・二酸化炭素メタンハイドレートに注入し、自然にメタンを取り出す方式を提案した。すなわち、窒素・二酸化炭素が水分子の中に閉じ込められているメタンを押し出し、メタンの代わりに水分子の中に取り込まれるようになる、というわけだ。押し出されたメタン分子は、パイプを通じ地上に抽出される。

 深海のメタンハイドレートからメタンを得ようとして大規模な採掘を行えば、地盤沈下や海底崩壊を引き起こすおそれがある。独島近海のメタンハイドレートを開発することで、深海の鬱陵盆地(対馬盆地)の崩壊を招く可能性がある、という分析もある。イ教授は、大気中に無尽蔵にある窒素や地球温暖化の主犯・二酸化炭素を海に注入、代わりに有用なエネルギー資源であるメタンガスを抜き出す手法を取ることで、こうした問題は解消されると期待している。

 イ教授は昨年、この技術に関する韓国国内での特許登録を終えた。現在は米国や日本で特許審査中だ。また今月2日には、この技術があらゆる構造のメタンハイドレートに応用できるという事実を明らかにし、国際学術誌『Energy & Fuels』に発表した。

 これまでは、イ教授の技術は構造1型のメタンハイドレートで実験的に検証された段階だった。しかしイ教授のチームは、構造2型・構造H型のメタンハイドレートでも自分たちの技術でメタンを分離することに成功した。今回の研究により、イ教授のチームが開発したメタン採集技術が全世界10兆トンのメタンハイドレートに適用できる、という事実が新たに確認されたわけだ。イ教授は、「2014年までに東海でメタンガスを安全に採取することを目標している」と語った。

チョ・ホジン記者
朝鮮日報朝鮮日報日本語版

日本と韓国どっちが進んでるんでしょうね。と思ったら中国のニュースもありました。
中国がメタンハイドレート採取、南シナ海北部で
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070606i306.htm

 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、中国地質調査局は5日、南シナ海北部の海底で5月1日未明に新たなエネルギー源として注目されている「メタンハイドレート」の試料採取に成功した、と発表した。

 地質調査局は、メタンハイドレート南シナ海北部に豊富に埋蔵されていることが証明されたとした上で、「メタンハイドレートに関する調査研究が世界の先進レベルに達したことを示すものだ」と強調している。

 国家レベルの研究計画で試料採取に成功したのは米国、日本、インドに次いで4番目という。初歩的な予測で埋蔵量は100億トンの石油に相当するという。

 新華社電は現場水域を「神狐」と称しているが、具体的な場所は不明だ。スプラトリー(南沙)、パラセル(西沙)両諸島がある南シナ海では、中国、ベトナムなどが領有権を争っており、今後の開発計画次第では資源獲得をめぐる争いが激化する可能性もある。 メタンハイドレートは氷のような形状から、「燃える氷」とも呼ばれ、中国では「可燃氷」と称される。

(2007年6月6日13時41分 読売新聞)

南シナ海
南シナ海、波高し 「海底油田10億バレル」資源の宝庫めぐり緊張高まる
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080122/1201007433
に各国が主張してる海域があります。

検索結果みるとロシアとの問題もあるようですね。
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88+%E6%97%A5%E6%9C%AC+%E9%9F%93%E5%9B%BD+%E4%B8%AD%E5%9B%BD&perpage=100&attr=&order=%40cdate+NUMD&clip=-1&navi=0

調べてみると
ロシアが北方領土で金鉱探査
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20050407id22.htm

 ロシア鉱物資源庁のサドブニク副長官は6日、記者会見し、北方領土で金鉱探査を行っていることを明らかにした。

 北方領土には、金のほか、石油、天然ガス希少金属レニウムなどが埋蔵されているとみられ、副長官は北方領土を「天然資源の宝庫」と呼び、重視する姿勢を示した。(モスクワ支局)

とありました。