イスラエル右派伸長 失望感漂うパレスチナ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090216-00000566-san-int
10日に行われた総選挙の結果、イスラエルでは右派リクードや、極右「わが家イスラエル」などの右派勢力が伸長した。新政権の枠組みがどうであれ、パレスチナ和平推進に慎重な右派勢力が参画するのは確実で、パレスチナ住民の間では失望感が広がっている。(ヨルダン川西岸ラマラ 黒沢潤、写真も)
「『わが家イスラエル』の躍進には驚いた。リーバーマン党首は、パレスチナ人を陸地から追い払い、地中海でおぼれさせるのが一番だと主張するのだから」
パレスチナ自治政府の議長府があるラマラ中心部の海鮮レストランで、パレスチナ人の女性元国連職員(71)は憤慨して語った。「わが家」は、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ地区を攻撃した際、イスラエル国内のアラブ系住民(総人口の2割)も排斥すべきだと主張。選挙で議席は11から15に躍進した。
右派単独であれ、大連立であれ、右派リクードが政権にかかわるのは確実といえる。「ハマス、ヒズボラ、イラン。右派伸長の原因はこの3つに尽きる」(ヘブライ大学の政治学者ギデオン・ラハト氏)とはいえ、右派の躍進が住民悲願のパレスチナ和平に深刻な影を落とすのは必至だ。
薬剤師のアベド・プジエ氏(35)は「(和平派の)カディマ政権ですら耐え難い。右派の政権なら最悪といえる」と絶句する。
リクードのネタニヤフ党首は、パレスチナと和平交渉をせず、経済支援をする方針という。産業パークを作るなどして住民を懐柔する戦略だが、アッバス議長は「それすら空約束だろう」と非難する。ラマラ有数の実業家サーレム氏(51)も「10万ドル(約920万円)すらいらない。夜、安らかに眠れる和平が欲しいのだ」と語った。
ヨルダン川西岸で奇異なのは、ラマラだけが突出して経済成長を遂げている点だ。約7年前のイスラエル軍の西岸大進攻作戦後の現象という。
アラブ系イスラエル人の政治学者モハンマド・ダラウシェ氏は「イスラエル軍が西岸各地からラマラへの道に検問所を多数設置したため、迅速な移動を妨げられるのを嫌うビジネスマンが争って、ラマラに店を作った結果」と指摘する。
これが逆にジェニンなど西岸北部の経済衰退をもたらすなど、いびつな経済構造を作っており、イスラエル右派の政権関与で一層、拍車が掛かるとみられる。
右派勢力の伸長は、アッバス議長の指導力をも揺さぶっている。イスラエルのオルメルト首相(和平派)と会談するアッバス議長に関し、「パレスチナとの協調演出の写真撮影用に使われているだけ」(ダラウシェ氏)と批判する住民をさらに勢いづかせている。
「議長の指導力は十分だ」=イスラム法定最高裁判所のタヒル・カワスミ元長官(52)との意見はごく一部。2007年のハマスのガザ武力制圧が原因で議長選も実施できず、4年の任期が先月切れたこともあり、「正当な統治者」との権威も失墜している。
アッバス議長は今月初めに英仏伊3カ国を訪問し、首脳会談をした際、2国家共存に消極的なリクードをパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスのように孤立させ、その政権には制裁を科すべきだと主張した。首脳らから力強い言葉はなかった。
パレスチナ人が頼りにするのは、米民主党政権だ。オバマ米新政権は最近、ミッチェル中東特使をラマラに派遣し、「永続的な平和と安定の追求」を誓った。
「黒人のオバマ氏には弱者の思いが分かるはず。脇道にそれた和平への道を元に戻してほしい」。女性元教師ヒルダーさん(70)の願いは、多くのパレスチナ住民の願いでもある。
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日本が進めていたのは
■和平支援策、来年早期に始動=日本と中東3者が合意
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080702/1215010873
ですが、こちらはどうなったんでしょうね。