村上春樹さんの講演 イスラエルに批判的報道なし

http://www.asahi.com/international/update/0216/TKY200902160398.html

2009年2月16日21時19分

 【エルサレム=平田篤央】イスラエルのメディアは、15日に作家の村上春樹さんがエルサレム賞の授賞式で行った講演について、批判的には伝えず、授賞式に出席したことに力点を置いた。

 16日付の有力紙ハアレツは講演を「詩的」と表現し、村上さんが「ガザで多くの無実の人が殺された」と述べた、と客観的に伝えた。また「イスラエルに行くなと言われたが、自分の目で見ようと決意した」との内容を引用した。

 英字紙エルサレム・ポスト(電子版)は「得意の難解さで受賞理由を説明」の見出しで、講演は「真にムラカミ・スタイルの、あいまいともいえるもの」としたうえで「時差と政治的反対を押し切ってエルサレムで受賞した」などと報じた。

村上春樹さんの講演 イスラエルに批判的報道なし(2/16)
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読んでて、あれ?イスラエル人からの批判があったはずと思って調べたら、これ↓でした。
村上春樹さん ガザ過剰攻撃に苦言 エルサレム賞授賞式で
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090216-00000004-maip-int


エルサレム賞の授賞式で賞状を受け取る村上春樹さん(右)=2009年2月15日、前田英司撮影

 【エルサレム前田英司】イスラエル最高の文学賞エルサレム賞」の授賞式が15日、エルサレムの国際会議場であり、受賞した作家の村上春樹さん(60)に賞状などが贈られた。村上さんは受賞演説でイスラエル軍による先のパレスチナ自治区ガザ地区攻撃に言及、人間を殻の壊れやすい「卵」に例えて尊厳を訴えた。

 63年に始まったエルサレム賞は隔年で、個人の自由や社会、政治を題材にした作品を発表した作家に贈られる。過去の受賞者には英国の哲学者バートランド・ラッセルや、メキシコの詩人オクタビオ・パスノーベル文学賞受賞者が名を連ねている。

 村上さんは英語で演説し、ガザ攻撃について「1000人以上が死亡し、その多くは非武装の子供やお年寄りだった」と言及し、事実上イスラエル軍の過剰攻撃を批判。日本国内で受賞拒否を求める声が挙がったと説明するとともに、「私は沈黙するのではなく(現地に来て)話すことを選んだ」と述べた。

 そのうえで村上さんは、人間を殻のもろい「卵」に例える一方、イスラエル軍の戦車や白リン弾イスラム原理主義組織ハマスのロケット弾など双方の武器や、それらを使う体制を「壁」と表現。「私たちは皆、壁に直面した卵だ。しかし、壁は私たちが作り出したのであり、制御しなければならない」と述べて命の尊さを訴えた。

 イスラエルでは「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」など村上さんの作品11冊がヘブライ語に翻訳されており、抜群の人気と知名度がある。「ねじまき鳥クロニクル」を愛読するという女性会社員イラ・グロスさん(31)は「村上作品の主人公は常に真の愛を追求したり、孤独からの逃げ場を探したりして共感できる」と絶賛した。

 一方、演説を聴いたイスラエル人男性からは「エルサレムまで来て賞を受けながらイスラエル批判をするのは納得いかない」との不満の声も漏れた

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と会場で演説を聞いた人の意見だったわけですね。こういう批判を報道しないって言うのは、国境なき記者団的の順位的にはどうなのかなと思ったわけですが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%A2%83%E3%81%AA%E3%81%8D%E8%A8%98%E8%80%85%E5%9B%A3
によると
日本 37位
イスラエル 44位
アメリカ 48位
とまぁだから何という人もいるでしょうが、

ブログ新聞批評さん
国境なき記者団」と中国版アルジャジーラ
http://ameblo.jp/newspapers/entry-10192939595.html
などを見るともうこれは一種の戦いなわけですね。まぁこういう国境なき記者団が中国を猛烈に批判し日本にそれほどでもないというのは喜んで良いやら悪いやらという感じです。

ところで、批判の内容ですが、

村上春樹さんの講演要旨
http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2009021601000180_Detail.html 

 【エルサレム16日共同】作家の村上春樹さんが15日行った「エルサレム賞」授賞式の記念講演の要旨は次の通り。

 一、イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。

 一、わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

 一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

 一、さらに深い意味がある。わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。

 一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

(初版:2月16日10時6分)

です。

追記:
やはりなにか自分の意見を書いておくべきですね。とにもかくにも「エルサレム賞」と言う名前が気に入りません。これに尽きます。「エルサレムイスラエル人だけのものではない。アッバス議長も呼ぶべきだ」とか言ったらよかったのになーと思います。