天然資源めぐり「ロシアVS中国」in中央アジア

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 ロシアのメディアはこのほど、「自国は現在、中央アジアのエネルギー市場で痛手を受けている」と報じ、天然ガスなどの資源をめぐり、近隣諸国との「争奪戦」を展開していることを示した。中国経済網が外電を引用し、16日付で報じた。

 ロシア紙「ニェザヴィーシマヤ・ガゼータ:Независимаягазета)」は、イランのマフムード・アフマディーネジャード大統領とトルクメニスタンのグルバングル・マリクグルイェヴィチ・ベルディムハメドフ大統領との会談で、両国がエネルギー分野での協力拡大に合意したと報じ、「トルクメニスタンとイランの協議は初期段階に過ぎず、まだ具体的な協議の合意には至っていない。しかし、トルクメニスタンの首都、アシガバートでは、イラン向けの天然ガスの輸出量を毎年70―80億立方メートルから100億立方メートルに増やす準備が進むなど、今後ロシアの中央アジアでの地位の低下が進む」と述べ、危機感を示した。

 同紙はまた、「トルクメニスタン天然ガスは2009年末、ロシアを経由せず直接中国へ入り、その後中国には毎年300―400億立方メートルが供給されることになる」と述べ、中央アジアでのエネルギー争奪戦の「ライバル」に中国の名を挙げ、警戒感を示した。一方、ロシアを迂回してガス産出国とヨーロッパなどを結ぶガス・パイプライン「Nabucco」の存在も挙げ、ロシアにとっての「脅威」が多方面に及ぶことも示した。

 同紙は専門家の分析を引用し、「トルクメニスタンでは毎年900億立方メートルの天然ガスを産出する。ロシアの企業は2028年の契約期限まで、400億立方メートルの購買が出来ることになっているが、トルクメニスタンの最近の動向は、協議内容を遵守しているとは言いがたく、このままトルクメニスタン天然ガス輸出の多様化が進めば、ロシアは他国の『触手』からエネルギー資源を守るため、『言い値』を飲むしかなくなるだろう」と表し、エネルギー争奪戦への不安を示した。(編集担当:金田知子)

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中国は「西気東輸」第2パイプライン東部区間工事もスタートしていたはずですが、どんだけ欲張るんだという気がしてしまいます。