台湾の徴兵制度に幕 緊張緩和、財政負担も 14年全廃

http://www.asahi.com/world/china/news/TKY200903090293.html

2009年3月10日8時51分

 【台北=野嶋剛】台湾の陳肇敏・国防部長(国防相)は9日、49年に国民党政権が中国から台湾に撤退して以来、19歳以上の男性に義務づけられてきた徴兵制を5年後の14年に全面廃止することを明らかにした。馬英九(マー・インチウ)政権の登場で進んだ中国との緊張緩和を受けた措置だが、若者の間に兵役を嫌がる傾向が広がっていたことも背景にある。

 陳部長によると、志願制との併用で、昨年は16万人が徴兵されたが、来年から段階的に減らしていき、志願制に一本化される。ただ4カ月間の軍事教練は義務として残る

 99年までは高校・大学卒業後の2〜3年間が課されたが、財政負担の軽減や世論の要求で次第に短縮され、現在は1年間。国防部内には「1年の兵役では習熟度が足りない」との意見があり、馬総統も「2等兵に毎月給料3万台湾ドル(約8万5千円)を出しながら、掃除しかさせていない」と批判していた。

 台湾では夫婦共働きが多く、合計特殊出生率は日本より低い1.10。一人っ子を徴兵に取られる両親の反発は根強い。兵役回避の風潮も広がる一方で、大学時代に見つけた恋人を兵役中に失うことや過酷な兵役生活を恐れ、海外に長期間滞在したり、故意に過食して制限体重を意図的に超えたりする「体験談」も、ネットの掲示板でたくさん紹介されている。

 台湾は90年代まで兵力50万人を維持したが、現在は25万人。それでも国防予算が国家予算に占める割合は約2割に達する。徴兵制廃止で最終的には20万人以下に減る見通しで、削減分の予算の一部は兵器の充実に回し、「一定の防衛能力は維持する」(馬総統)という。だが野党などから国防費を急増させる中国との軍事格差がますます広がるとの懸念も出ている。

朝日新聞っぽさが微妙に出てる記事だと思いますが、さりげなく台湾でも中国の脅威は感じてるという事がうかがえます。