「米国は変化を行動で示せ」イラン最高指導者ハメネイ師

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090321-00000596-san-int

 【ドバイ=村上大介】イランの最高指導者、ハメネイ師は21日、北東部の都市マシュハドで演説し、オバマ米大統領が20日にイランに対して「対話」を呼びかけたことについて、「われわれは(米国の)いかなる変化も見ることができない。あなた方が態度を変えれば、われわれも態度を変えるだろう」と述べ、米側にまず、具体的な対イラン政策の変更を求める姿勢を強調した。

 ハメネイ師は「われわれは米国の新大統領、新政権をよく知らない。彼らを注意深く観察し、判断する」としたうえで、オバマ大統領に対し、「あなたの言う『変化』とは何か。米国は対イラン制裁を解除したのか。シオニストイスラエル)への支持をやめたのか」と、イランの核開発疑惑をめぐる対イラン経済制裁の解除などを求めた。
 ハメネイ師の発言は、今後の対話に含みを残してはいるものの、従来のイランの要求を繰り返したもので、直ちに米イランの対話に結びつく可能性は少ないとみられる。同師の演説は国内向けには、オバマ大統領の呼びかけをめぐり、対外強硬派と穏健派の間で亀裂が広がるのを防ぐ狙いもあったとの指摘もある

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イラン側から見た記事ですね。一方アメリカ・イスラエル側から見た記事は
米の対イラン対話は現実的な選択 背景に核開発の予想外の進捗
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090322-00000562-san-int

 【ワシントン=古森義久】米国のオバマ大統領によるイランへの外交対話の呼びかけは、米新政権の柔軟なアプローチとして注目されたが、その一方で、イランの核兵器開発の一層の進展やイスラエルの強硬姿勢という厳しい現実への対処の期限に迫られる米国の難しい立場を反映した。

 オバマ大統領のイランの正月を祝うメッセージは米国政府が初めてイランの国民だけでなく現政権に外交的な関与を提唱した点などで新しい動きとなった。イランの政府に「イラン・イスラム共和国」という正式呼称を使い、内容も柔軟で友好的な表現が多い点でもブッシュ前政権とは一線を画した

 オバマ大統領のこのイランへの取り組みは、ブッシュ政権とは異なる「話し合い外交」の実行という意図だけでなく、イランの今年6月の大統領選を踏まえてイラン側の各政治勢力や候補に米国への対抗や敵対をあおることを抑える計算も大きいとみられている。

 イランの核兵器開発とみられる動きが、予想以上に前進していることが国際原子力機関IAEA)の新たな報告で明らかにされた事実も、オバマ政権の積極的な対話姿勢を促した。IAEAは3月上旬、イランが
(1)核爆弾1個を製造できる低濃縮ウラン1000キロ以上を確保した
(2)このウランの量はこれまでの推定より200キロほど多かった
(3)軍事転用可能なプルトニウムを生産する重水炉を2011年に完成させる見通しが高い−ことなどを報告していた。

 イランの核武装に最も強硬なイスラエルオバマ政権の対イラン新アプローチに複雑にからんでいることも軽視できない。オバマ大統領がイランへの呼びかけを発した20日、イスラエルのペレス大統領も同様にイランの新年を祝うメッセージを送った。

 しかもイスラエルは、イランの核兵器保有には実力で阻止する方針を示し、米国にも同調を求めている。オバマ大統領の呼びかけがイスラエルの大統領メッセージと同時に発信されたことで、イラン側が米新政権の対話姿勢にもなお警戒を緩めないだろうとの見方も浮上している。

 イスラエル筋は、イランが今年末までには核兵器保有するとの展望を明確に示している。米国にも、今年末が各種の交渉の重要な期限となっている。米国内では、オバマ政権の直接対話の呼びかけは効果がないとして制裁の強化などを提唱する動きもある。オバマ政権のアプローチに対するイラン側の反応が注目されている。

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イランが低濃縮ウラン1000キロを確保したというのと、推定より200キロ多かったというのは
イラン、核燃料の在庫が増加=IAEA報告
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090221/1235223993
でグラフを作ったので、見てみてください。しかし重水炉2011年完成というのは見た覚えがありません。検索してみても
http://news-net.ddo.jp/cgi-bin/estseek.cgi?phrase=%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3+%E9%87%8D%E6%B0%B4&perpage=100&attr=&order=%40cdate+NUMD&clip=-1&navi=0
と2007年以降イランと重水炉を結びつけるような、記事は見つかりませんでした。

しかも、イスラエルのイランが今年末までに核兵器保有するという見かたも
2009/02
イラン、核製造能力まで2〜5年=解決に「十分な時間」−IAEA事務局長
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090202/1233588050
IAEAの見方と反しています。ちょっとこの記事はイランに悪印象を持たせすぎではないでしょうか。