<アラブ連盟首脳会議>スーダン大統領支持へ…30日開幕

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090330-00000044-mai-int

 【カイロ和田浩明】アラブ連盟(22カ国・機構)の首脳会議が30日、カタールの首都ドーハで始まる。会議にはスーダンダルフール紛争をめぐる戦争犯罪容疑で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ている同国のバシル大統領が出席。アラブ諸国は逮捕状発行に反対しており、大統領支持で一致する見通し。一方、停滞するパレスチナ和平では、連盟内の亀裂もあり連帯を演出するのは容易でない情勢だ。

 バシル大統領は29日夕、ドーハに到着。空港でハマド・カタール首長らの出迎えを受けた。大統領は今月4日に逮捕状が発行されて以降もエジプト、エリトリアリビアを訪問。ICCは今回、ICC非加盟のカタールアラブ連盟にバシル大統領の逮捕で協力を要請したが、ムーサ同連盟事務局長は「スーダンの混乱が深まる」などとして拒否した。中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、首脳会議は逮捕状の執行凍結などを求める決議を採択する方向だ。

 首脳会議には潘基文国連事務総長も出席する。バシル大統領との同席はICC無視姿勢の容認とも解釈されかねないが、国連側は「ICCは独立機関であり問題はない」と説明している。

 一方、イスラエル軍パレスチナ自治区ガザ地区の攻撃をめぐり表面化したアラブ諸国間の亀裂は依然残っている。親米穏健派のエジプト、サウジと、対イスラエル強硬派でイランに近いシリアなど4カ国首脳は今月11日、「アラブの問題への協力した対処」で一致、和解を強調した。しかし、エジプトは、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスを支持するカタールを非難し、ムバラク大統領は首脳会議欠席を決めた。シリアの政治評論家、サベット・サレム氏は「和解の取り組みが不足している。このままでは亀裂は広がるばかりだ」と指摘している。

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これは今後の世界をどう読み解くかキーになりそうな記事だと思います。このアラブ連盟首脳会議を扱った記事の見出し一覧をならべると、

毎日新聞 アラブ連盟首脳会議>スーダン大統領支持へ…30日開幕
(上記参照)
時事通信 スーダン問題、中東和平焦点=30日アラブ首脳会議−カタール
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090329-00000075-jij-int
時事通信 逮捕状拒否で協力要請=アラブ首脳、国際介入に拒否感−スーダン大統領
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090330-00000191-jij-int
時事通信 域内融和・中東和平を協議=スーダン大統領支持へ−アラブ首脳会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090330-00000193-jij-int

al-Quds al-Arabi 国際刑事裁判所に逮捕状を出されたスーダン大統領がエリトリアを訪問、ドーハ・サミットへの出欠に注目が集まる
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20090325_190113.html
産経新聞 逮捕状出たバシル大統領、ドーハには警護隊が同行
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090317/mds0903170020002-n1.htm
CNN 逮捕状出ているスーダン大統領、カタール入り
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200903300026.html
日経新聞 アラブ連盟首脳会議が開幕 エジプトが欠席、亀裂の深さ露呈
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090330AT2M3003330032009.html

まぁYahooのチェックが比較的楽なのでYahooに偏ってしまうというのはあるんですが、下の方の産経、CNN、日経は、バシル大統領への批判やアラブの亀裂を強調していますが、一番上の毎日新聞によれば、このアラブ連盟首脳会議には国連事務総長も参加していて、ICCのバシル大統領への逮捕に反対すると言う点では、一致した意見を出しそうという事ですよね。エジプトはこの会議に出席していませんが、この会議以前にバシル大統領と会談してますから、やはりICCの逮捕状には反対と見るべきだと思います。すると上の日経新聞によると

エジプトなど4カ国の首脳が欠席。

とありますが、このICCへの反対は日経新聞のいう4カ国からエジプトを除いた3カ国以外は、アラブ連盟の総意であると言うことにならないでしょうか、皆さんがどんな記事を最初に見て、どの意見に同意するかと言うのは、分かりませんが、それぞれのニュースソースが導こうとしている方向は大きく違うと思わざる得ません。

櫻井よしこさんのブログ
「 分裂と漂流、アラブ世界の実態 」
http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2009/02/12/915/
では、上の毎日新聞同様にパレスチナ問題による分裂を主張していますが、反ICCと言う点では協調しているといえるのではないでしょうか。

また話は変わりますが、上記櫻井よしこさんのブログ、

大野氏が提言する。

「少なくともパレスチナ問題に関しては、ハマスとの直接対話は厳に慎むことです。直接対話自体がハマスを認めることになりますから。同時に、彼ら抜きでの交渉は民衆を無視することになります。そこで、パレスチナ自治政府に、彼らがハマスを包含する形でイスラエルとの交渉に臨むよう働きかけることです。これは、方針さえ固めて努力をすれば、日本にも出来ることです」

というのも、以前のエントリ、
『ガザ空爆 オバマ氏 就任早々から試練に直面』の記事酷くね?と思って調べてみました。
最後の岡本行夫氏の意見

パレスチナイスラエル問題で日本政府の果たせる役割は大きくない。日本が中立国だからこそ調停できるというのは理想論である」

の方が自分的にはもっともな気がします。
イスラエル右派伸長 失望感漂うパレスチナ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090216/1234787929

「(和平派の)カディマ政権ですら耐え難い。右派の政権なら最悪といえる」

のような状況の中、イスラエルパレスチナ双方が受け入れられる案があるとは思えません。

日本は
和平支援策、来年早期に始動=日本と中東3者が合意
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080702/1215010873
でいう、『平和と繁栄の回廊』の案を出していますが、この案に親パレスチナ系と思われる方から疑問視する声が上がっています。

自分としては

文明の衝突

文明の衝突

は、厚すぎるので読んでないのですが、
文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)

を、思い浮かべます。