北朝鮮ミサイル:日本が落下物回収へ、費用は莫大

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090406-00000113-scn-int

 日本政府は、秋田県沖に落下した北朝鮮「ミサイル」の1段目の推進装置を引き上げる計画だ。6日付の中国紙「環球時報」が外電を引用し、日本政府筋の話として伝えた。

 北朝鮮は5日午前11時半ごろ、「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイルを発射した。約7分後、1段目の推進装置は本体から切り離され、秋田県沖の西方約280キロメートルの地点に落下した。

 専門家は、推進装置は日本の排他的経済水域内に落下しており、国際法では日本が引き上げる権利を持つという。落下物は現在、海面下約1520メートルの位置にあり、技術的に困難ではあるが、実現不可能ではない。

 1999年11月、H−2型ロケットの1段目エンジンが海面下3000メートルの位置に落下した時、日本海洋科学技術センター(現・海洋研究開発機構)は深海探査用ロボットを使って、引き上げに成功している。

 北朝鮮ミサイルの落下物を引き上げれば、ノズル構造や使用した燃料の種類、材質などの情報が得られるが、引き上げコストは非常に高く、1日あたり6−20万ドル(約600−2000万円)が必要だ。(編集担当:吉田庸子)

【関連記事・情報】
・ミサイル問題、日本「経済制裁」へ−10日にも閣議決定(2009/04/06)
金正日総書記「宇宙征服に進展」−ロケット発射立会い(2009/04/06)
・中国論評「日本、ミサイル口実に防御システム拡充」(2009/04/06)
・紛争専門家:北、中朝国境に新たなミサイル基地建設か(2009/04/04)
安保理緊急会合、合意なし「慎重かつ適切な行動を」―中国(2009/04/06)

落ちた場所については、朝日新聞も書いています。
北朝鮮がミサイル発射 米「衛星軌道侵入は失敗」
http://www.asahi.com/politics/update/0406/TKY200904050217.html

2009年4月6日0時35分

 北朝鮮は5日午前11時半ごろ、長距離弾道ミサイルテポドン2」の改良型と見られる機体を発射した。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)と米北方軍司令部は、1段目のブースター(推進装置)は日本海に、残りは先端部も含め太平洋に落下したと発表した。日本政府は日本の領域に落下する恐れはないと判断し迎撃はしなかった。国連安全保障理事会は日本時間6日未明に緊急会合を開き対応を協議する。

 24時間体制で宇宙の衛星の状況やミサイルなどによる北米への攻撃を監視しているNORADは5日の発表で、北朝鮮が発射したのは「テポドン2」としたうえで「何も衛星軌道にのせられなかった」と指摘。北朝鮮が主張するロケットによる人工衛星の打ち上げは失敗だったと明らかにした。日本政府も米国政府から同様の情報を伝えられた。

 韓国の李相憙(イ・サンヒ)国防相も5日、国会で「どんな物体も軌道に進入しなかった。人工衛星の発射を試みたが軌道進入に失敗したとみている」と述べた。ロケットもミサイルも基本構造は変わらず、日米韓3カ国などは「弾道ミサイル」の発射として批判を強めている。

 防衛省の中央指揮所は午前11時31分ごろ、米国の早期警戒衛星による発射情報を確認。日本政府は同32分、「北朝鮮から飛翔(ひしょう)体が発射された」と発表した。政府の推定では、同37分ごろ、日本の領空のさらに上を太平洋上へ通過、ブースターの1段目は秋田県の西約280キロ、おおむね北朝鮮が事前通告した危険区域内の日本海に落下した。

 2段目について、政府は一時、北朝鮮が事前通告した危険区域の約900キロ手前に当たる、日本の東1270キロの太平洋上に落下するとの予測を発表したが、確認はできなかった。日本の東約2100キロの太平洋上まで追尾したが、レーダーの捕捉範囲の限界を超えたため、11時48分ごろ追尾をやめた。

 政府は万が一の打ち上げ失敗に備え、自衛隊法に基づく「弾道ミサイル破壊措置命令」を初めて発令、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)などを配備したが、日本への落下物はなかった。

事前の通告の範囲の図は
北朝鮮 衛星発射で秋田沖など危険区域 IMOに事前通告
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090313/1236893231

IMOへの事前通告の範囲でもレーダーの補足範囲を超えていたという事ですね。そういう体制でいいのか悪いのか分かりませんが。