首相、オバマ大統領に親書へ 核の廃絶訴えた演説を評価

http://www.asahi.com/politics/update/0414/TKY200904130288.html

2009年4月14日0時32分

 麻生首相は13日の自民党役員会で、オバマ米大統領に親書を送る考えを明らかにした。

 関係者によると、親書では、オバマ氏が5日のチェコプラハでの演説で「核のない世界」を訴え、広島・長崎への原爆投下を念頭に「核を使用した唯一の保有国としての道義的責任」に触れたことを歓迎軍縮・核不拡散に向けて、日米で連携していきたいとのメッセージを伝えるという。

 細田博之幹事長は役員会後の記者会見で、首相が「オバマ大統領のプラハでの演説などについて、核の廃絶に向けた努力を連携していきたいという親書を出す」と語ったと説明した。

朝日新聞はさらっとかいてますね。それに対して産経新聞は、先日
米大統領、原爆投下の「道義的責任」発言の影響は?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090411-00000562-san-pol

 【ワシントン=山本秀也オバマ米大統領は、核兵器廃絶を訴えた5日のプラハ演説で、米国が「核兵器を使用した唯一の核保有国」として、廃絶に向けて行動する「道義的責任」を負うとの認識を表明した。大統領の発言は、戦争の早期終結を理由に広島、長崎への原爆投下を正当化してきた戦後の歴代米政権の枠を踏み出し、米大統領による初の被爆地訪問などへの一歩となるのか

 旧東側陣営のチェコの首都で、オバマ大統領は「核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責任がある。米単独の取り組みでは成功もおぼつかないが、指導的な役割を果たすことや行動を始めることはできる」と発言。「核兵器のない世界の平和と安全保障」を米国がめざす方針を示した。

 原爆投下の「道義的責任」について、オバマ大統領は日本国民や被爆地への対応には踏み込んでいない。広島を訪問した米国要人は、昨年9月に訪れたペロシ下院議長が現職で最高位。1984年には、カーター元大統領が訪れたが、現職大統領の訪問は広島、長崎とも見送られてきた

 それだけに、米大統領が米国の「道義的責任」に踏み込んだことで、日本にはある種の期待感が広がった。広島市秋葉忠利市長は「意義は大きい」と発言を評価し、大統領の広島訪問に意欲をみせている。

 ただ、文脈をみれば明らかなように、オバマ大統領は、米国が核廃絶に率先して取り組む必要性を強調するレトリックとして、核使用をめぐる「道義的責任」を持ち出している。米国での議論は、「核兵器廃絶に現実性があるのか」が中心であり、原爆投下の歴史評価をめぐる議論はほとんど素通りされている。

 7日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル紙は、「核の幻想主義者」と題した社説で、「オバマ氏の道義的権威ではテヘラン平壌を抑えきれない」と批判。同紙は例外的に核使用をめぐる「道義的責任」も論じているが、大統領発言を「覆うべくもない広島への謝罪」だとして、核使用を決断したトルーマン大統領(当時)の「功績への侮辱」だと非難した。

 原爆投下の「功績」とは、日本をポツダム宣言の早期受諾に追い込んだことで、
(1)本土決戦で多数予想された米軍の死傷者
(2)戦争の長期化にともなう日本人の新たな犠牲−を回避したとの認識だ。同紙をはじめ、米側の識者も多くがこの見方を共有している。

 これに対し、ブルッキングス研究所のマイケル・オハンロン上級研究員は、核廃絶への取り組みを「きわめて慎重な扱いを要するが、価値のある目標だ」と擁護する。ただ、対日謝罪などへの踏み込みについては、「適切になされるなら可能かもしれないが、それは遺憾の表明であり謝罪ではない」とくぎをさした

 日米安保問題に詳しいバンダービルト大学のジェームス・アワー教授は、「オバマ氏が広島、長崎を訪れることができるならすばらしいと思うが、米大統領が原爆投下に関して謝罪することには懐疑的だ」と述べている。

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まぁ「謝って許せるような問題ではないので謝らなくていいです」と言いたいところですけどね。

追記:
フランスは批判してたこと書くのを忘れました。
<フランス>米の核廃絶宣言を内部文書で批判
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090412/1239490718