露軍機、MD網偵察 日米レーダー情報収集 北ミサイル発射時・・・米国は?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090416-00000131-san-int


(写真:産経新聞

 北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際、ロシアの情報収集機が日米両国のミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察していたことが15日、分かった。北朝鮮からの発射時間帯の事前通報をもとに日本海で待機。日米のレーダー網が実戦モードで照射した電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたとみられる。日本海を舞台にした激しい情報戦の一端が浮き彫りになった形だ。

 [フォト]ミサイル発射前の北朝鮮・衛星管制センターの司令室

 偵察飛行を行っていたのは、ロシア空軍の電子情報収集機「IL20」防衛省によると、IL20はこれまでにも日本周辺への飛来が確認されている。先月にも2度、日本海を偵察飛行しており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)している

 北朝鮮のミサイル発射は今月5日午前11時半。IL20はその約30分前に北海道沖から日本海を南下し、北朝鮮が設定したミサイルの1段目ブースター(推進エンジン)の落下危険区域の上空を通過した。発射時には、さらに南下したところで待機していた。

 ミサイル発射を受け、探知・追尾のため、海上自衛隊イージス艦3隻のSPY1、地上に配備した空自の2基のFPS−5、4基のFPS−3改のレーダーが一斉に照射。米軍も日本海と太平洋に2隻ずつ展開していたイージス艦青森県に配備しているXバンドレーダーを稼働させた。

 IL20はMDでの各レーダーの電波の周波数帯、照射方法や探索パターン、レーダー同士の任務分担などを確認したとみられる。周波数帯を把握されると、妨害電波でレーダーが無力化される恐れがある。

 MD任務の際、イージス艦はレーダーの機能をミサイル探知にシフトさせ、航空機などを警戒する防空能力が手薄になる。航空機やほかの護衛艦のレーダーで防空能力を補完するとされ、IL20は海・空自の部隊の連携などMDでの「戦い方」を把握。海自のEP3、空自のYS11Eといった電子偵察機の情報収集任務にも注目していた可能性が高い

 情報収集機が飛来した場合、訓練であればレーダーの照射を控える。だが、今回は北朝鮮の発射に対処する実任務だったため、自衛隊はレーダー網をフル稼働させざるを得なかった

 空自戦闘機はスクランブルで警戒し、IL20は領空侵犯はしていない。IL20は2、3時間にわたり、日本近海で偵察を続け、隠岐の島(島根県)付近まで飛行した後、ロシアに戻っていった

 北朝鮮は発射当日、米中露3カ国に発射時間帯を事前に通報したとされ、ロシア空軍は周到にIL20による偵察飛行の計画を立てたとみられている

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ロシアが北朝鮮のミサイル発射を利用した形ですね。しかしアメリカもやるようで。
北ミサイル 米軍は最新鋭海上配備レーダー未使用
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090416-00000585-san-int

 【ワシントン=有元隆志】北朝鮮弾道ミサイル発射に際し、米軍が保有する最新鋭のミサイル追尾レーダーである「海上配備Xバンドレーダー(SBX)」の使用が北方軍の展開要請にもかかわらず、ゲーツ国防長官に却下されていたことが15日明らかになった。同日付の米紙ワシントン・タイムズが軍高官らの話として報じ、北方軍当局者も産経新聞に事実関係を認めた。

 SBXが補修作業中だったこともあるが、ミサイル発射に備えて展開させることが北朝鮮側を刺激し、6カ国協議再開に向けた交渉にも影響が出るのではとの懸念が政権内にあったという

 米軍高官が同紙に語ったところによると、北方軍のレヌアート司令官はミサイルが米国や同盟国に向けて発射されることを懸念し、SBXの使用を求めた。しかし、オバマ政権の文民の高官らは「人工衛星打ち上げ」との北朝鮮の主張を受け入れたという。北方軍側も宇宙空間への発射が明確になったとして要請を取り下げた。

 ただ、元軍当局者らは仮にSBXが使用されていたら弾道ミサイルの航跡など、より詳細な情報を入手できただろうとして、ゲーツ長官らの決定に疑問を投げかけているという。

 アラスカ州アダック島を母港とするSBXは総額約9億ドル(約900億円)をかけて2005年に配備された。石油掘削用の建築物リグに改造を加え、上部に大型レーダーを搭載している。自力航行が可能で、必要に応じて移動する。5000キロ近く離れた場所からもミサイルを探知できる

 オベリング前国防総省ミサイル防衛局長は同紙に対して、青森県に配備されている地上型のXバンドレーダーなどと比べ、3、4倍の探知能力があると指摘している。

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軍事のことはあまり分かってないので「海上配備Xバンドレーダー(SBX)」と言うものがそんなに北朝鮮に反感を抱かせるものなのかは分かりません。が、どっちにしろ国連議長声明で北朝鮮は6カ国協議を降りると言い出すのは分かりきっていたんじゃないんですかね。上のロシアの偵察を読んで出さなかったのかと思いますが。