スー・チーさんの裁判初公開…でも1日限定 ミャンマー

http://www.asahi.com/international/update/0520/TKY200905200290.html

2009年5月20日20時44分

 【バンコク=山本大輔】ミャンマービルマ)の軍事政権は20日、首都ヤンゴン郊外のインセイン刑務所内で行われている民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんの裁判を各国の外交官と一部の外国メディアに初めて公開した。

 軍政が民主化運動家らの刑事裁判を公開するのは極めて異例。ただ傍聴した外交官によると、3日目の審理は1時間で終わり、公開もこの日限りだという。欧米などの政府代表や外国メディアに傍聴を許すことで、裁判の正当性をアピールし、スー・チーさんの解放を求める国際社会の圧力をかわす狙いがあるとみられる

 傍聴は、ヤンゴンに駐在する各国大使ら30人と外国人を含むメディア代表の10人に許された。傍聴した人の話によると、法廷は刑務所内の屋外集会所に臨時に設けられた。2人の裁判官の前に検察、弁護側が左右に分かれて裁判官と向かい合うように着席。検事5人の後ろに、スー・チーさん宅に侵入した罪などで訴追された米国人男性が座り、弁護団4人の後ろに、国家防御法違反罪で訴追されたスー・チーさんや家事手伝いの女性2人が座った。

 この日は検察側の証人の警官1人が米国人男性の拘束時の様子を語った。赤茶色の民族衣装で出廷したスー・チーさんは、背筋を伸ばし、りんとした表情で話を聞いていたという。スー・チーさんは閉廷直前に傍聴席に向かい「来てくださってありがとう。皆さんとお会いできてうれしく思う」と英語で感謝を表明したという。

 シンガポール外務省によると、軍政は同国とタイ、ロシアの大使らにスー・チーさんとの面会を約10分認めたスー・チーさんは3氏に「あらゆる当事者が望めば国民和解の機会はまだある。この不幸な出来事を好転させ、よい結果を生み出すにはまだ遅くない」と話したという。

軍政は相変わらずのようですが、スーチーさんの心が折れなくても、こちらが折れそうです。