パレスチナ難民 高い失業率、募る反イスラエル感情

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090609-00000011-maip-int


アーメドさんが暮らす難民キャンプには、パレスチナ自治政府の故アラファト議長のポスターがあちこちに張られている=2009年6月8日、和田浩明撮影

 国民議会選挙を終えたばかりのレバノンで8日、約1万7000人のパレスチナ難民が暮らすベイルート近郊のブルジ・バラジネ難民キャンプを訪ねた。住民の暮らしぶりは依然悪く、高い失業率に苦しみ、難民ゆえに選挙権もない。イスラエル感情も強く、無職のアーメド・アッカウィさん(20)は「イスラエルと戦って殉教者になりたい」と、投げやりに話していた。【ベイルート和田浩明】

 アーメドさんはリビア生まれ。約10年前、親類のいるブルジ・バラジネ難民キャンプに家族とやってきた。学校に行ったことはない。「ただ生きているだけだよ。先の見通しは何もない」。そう語るが、表情に悲壮感は見られない。

 イスラエル建国に伴う48年の第1次中東戦争で父祖の地を追われたパレスチナ難民は、現在、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に登録されているだけで約460万人。うち約40万人がレバノンの12カ所の難民キャンプで暮らす

 同キャンプの広報担当、ムフィド・サデクさん(72)によると、「住民の平均月収は150ドル前後で、失業率は6割を超える」。UNRWAや慈善団体による医療や教育、食糧支援はあるが、「とても足りない」と言う。

 内部は幅1メートルもない迷路のような道が続き、あちこちにパレスチナ自治政府の故アラファト議長のポスターが張られている。

 キャンプ内で砂利やセメントを売る男性は「若者たちは仕事につけず毎日路上で時間をつぶさざるを得ない。爆発したくなっても無理はないよ」と説明してくれた。選挙については「投票権のない我々には関係のないこと」と話した。

 アーメドさんは「日本のカミカゼ(神風特攻隊)みたいになりたい」と言う。案内してくれた自宅には、2家族14人が住む。アーメドさん一家8人は6畳間ほどの3部屋が生活の場だ。母親のラビアさん(48)は「強がりよ」と笑いながらも、「息子が(イスラエルへの)抵抗運動の殉教者になるなら、受け入れられる」と淡々とした調子で話した

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レバノンの選挙で親米政権が勝ったので、彼らの生活は悪くなるんでしょうか。