英誌エコノミスト前編集長 ビル・エモット氏 露を外し民主主義国のG7に戻せ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090708-00000124-san-int


ビル・エモット氏(写真:産経新聞

 8日からイタリアで始まる主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)を前に英誌エコノミストの前編集長、ビル・エモット氏は産経新聞の電話取材に応じ、「今回の主要8カ国(G8)サミットで目覚ましい成果が上がる可能性は低い。将来は主要20カ国・地域(G20)サミットが最も重要な会議になるが、G8の役目が終わったと考えるのは賢明ではない」と語った。発言要旨は次の通り。(ラクイラ 木村正人)

 G8で何か重要なことが決まった記憶はないので期待値も低い。昨年の金融・経済危機でG20サミットが開かれ、G8が埋没したとの声もあるが、G8もG20も調整の場で、魔法の解決策を生み出すよりむしろ保護主義の拡大防止など問題回避策を示すことになる

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)サミット、日中韓サミット、上海協力機構(SCO)など将来、世界では多数のサミットが開かれるだろう

 G20があるからG8をやめていいという議論は賢明ではない。G20サミットは非常に新しく、事務局機能も継続性も十分ではない。サミットは調整と議論の場で、結論を出す場ではない。異なるサミットで同じテーマが議論されるのは、むしろ適切なことだ。

 G8に関しては、ロシアを除いてG7に戻した方が民主的な先進国の代表という性格が明確になり、重要性が増す−と考えている。G20は明らかに民主主義国の代表ではない。BRICsにしても米金融グループ、ゴールドマン・サックスなどによる分類で、私はロシアを新興国とは考えないし、ブラジルやインド、中国と真の共通項があるとも思わない。

 それよりも地域に根差した組織の方が意味がある。日本の発言力はG8のメンバーだからというより、経済力など日本自体の強さに基づくものだ。

 日本が国際社会で発言力を増そうと思うのなら、中国、インド、周辺国を含む地域的なグループを立ち上げることだ。

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G8をどうこうするよりG20のほうが重要ではと思ったんですけど、特色のあるサミットを複数開けばいいという考えのようですね。最後の日本の発言力については期待したいところですが。