仏、UAEに軍事基地 陸海空の3拠点、イラン抑止狙う

http://www.asahi.com/international/update/0718/TKY200907180286.html
2009年7月20日19時12分

 【パリ=国末憲人】フランスがアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに軍事基地を開設し、この秋から本格的に運用する。仏にとって50年ぶり、アフリカ以外で初の国外軍事拠点ペルシャ湾を挟んで向き合うイランへの抑止を狙ったとみられ、湾岸地域への関与に慎重だった仏の戦略転換と受け止められている。

 仏大統領府によると、仏はアブダビ近郊に陸海空3カ所の拠点を設置した。海軍拠点では8ヘクタールの敷地に長さ300メートルの岸壁を設け、空母以外のすべての艦船の寄港を可能とし、沖合に停泊する空母への支援設備も整えた。空軍は、UAEの基地の中に08年から先行して戦闘機ミラージュなどを配備し、陸軍も別のUAE基地内に拠点を設けた。

 9月までに3カ所で総計約500人の部隊を配備する。

 イランを牽制(けんせい)するとともに、イランの動きに関して情報を収集するのが目的と、仏メディアはみる。フィガロ紙は「核開発問題などをめぐって交渉が決裂すると、米国のイラン攻撃の可能性は否定し切れない。その際の備えとなる」と分析。また、アフガニスタン支援への中継基地の役目を果たすほか、イラクパキスタンといった紛争を抱える国の有事に対応する意図もあるとみられる。

 仏は従来、自国の国益に直接結びつくアフリカ諸国の紛争に積極的に介入してきたものの、その他の地域での軍事活動には慎重な姿勢を保っており、国外の基地も植民地時代を引き継ぐアフリカのみだった。UAEとは95年に安保協定を結んだものの、シラク前大統領も基地設置には消極的だったといわれる。フィガロ紙は「仏戦略地政学上の大転換」と位置づけた。

 サルコジ大統領は仏外交専門誌のインタビューで「この地域の安定に貢献することは、世界の安定にとって不可欠だ」と説明した。

まぁこういうときに国益という言葉が出てきても、いまいちぴんとこないんですが。イギリスもアフガニスタン国益があるとか言っていましたが。

ただイラク戦争が始まる前もフランスは反対していましたが、あとから軍を出して圧力をかけることくらいはしてもよかったと後悔していましたから、ここに軍を出す意味もあるのかもしれません。しかしこのはなしは、
2008/01
仏軍が湾岸地域に常駐へ、UAEに500人規模

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080116id23.htm
 【パリ=林路郎】サルコジ仏大統領は15日、最大500人規模の仏軍部隊が常駐する基地をアラブ首長国連邦(UAE)に新設することを明らかにした。

 大統領が同日訪問したUAEで合意文書に署名した。仏軍のペルシャ湾岸常駐は初めて。

 湾岸地域におけるイランの台頭を警戒するアラブ諸国の要請と、石油市場への影響力を強め、商業権益の確保を狙うフランスの思惑が一致したものだ。

 大統領は15日、UAE側から仏軍駐留の要請があったと述べ、「フランスがこの地域の安定に寄与することを内外に示すものだ」と強調した。

 英国際戦略研究所発行の「ミリタリー・バランス2007」によると、ペルシャ湾岸では、イラクを除くと、米国がバーレーン、UAE、カタールなど5か国に2000人強の兵力を常駐させるほか、英国がバーレーンオマーンカタールに空軍戦力を展開、両国が安全保障の枠組みを主導してきた。フランスはこの体制に加わることになる。

 エドゥアール・ギヨー仏統合参謀本部議長によると、駐留するのは陸海空の混成部隊で、2009年の活動開始を目指す。16日付の仏紙フィガロによると、基地はアブダビ港警備の重要拠点になる。駐留軍は最大約500人と比較的小規模で「単独で抑止力となるものではない」(軍事筋)。だが、同紙は、米国とイランが武力衝突に至れば「仏軍はほぼ自動的に巻き込まれる」と指摘。また、同紙は、UAEの要請は、米国の意向次第で戦火に巻き込まれることを嫌う湾岸諸国共通の心情の表れと指摘した。

 また、駐留はフランスのエネルギー外交とも密接に関連。両国政府は大統領訪問時に原子力協力協定に調印したが、これは1600メガ・ワットの原子炉2基の建設(約60億ユーロ)と保全を仏エネルギー3社が共同で行う事業展開をにらんでいる。
(2008年1月16日22時32分 読売新聞)

からあったので結構時間がかかるなぁと言う感じです。