<NATO新事務総長>アフガンに治安権限を段階的移譲

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000103-mai-int
 【ブリュッセル福島良典】欧米の軍事同盟である北大西洋条約機構NATO、加盟28カ国)のアナス・フォー・ラスムセン新事務総長(56)は3日、ブリュッセルの本部で就任後初めて記者会見し、NATOからアフガニスタン側へ治安維持権限を段階的に移譲し、同国の安定化を目指す考えを示した。1年前のグルジア紛争で悪化したロシアとの関係を改善し、国際テロなどに対応できるようNATOの体制改革も進める方針だ。

 最大の課題は、NATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)約6万4000人が駐留するアフガンの安定だ。事務総長は「アフガンが再び国際テロの中央駅にならないようにする」と述べ、20日の大統領選を成功させ、国連や欧州連合(EU)と協力して軍事・文民支援の連携を図る意向を表明した。犠牲者の増加で厭戦(えんせん)気分が強い欧州諸国の派兵、支援をつなぎとめられるかどうかが焦点だ。

 また、「NATOはロシアの敵ではない。両者は安全保障分野で多くの利害を共有しており、戦略的関係を作りたい」と宣言し、テロ対策やソマリア沖での海賊取り締まり、大量破壊兵器の拡散防止などで協力を強化する考えを示した。さらに、NATO非加盟の北アフリカ諸国などのイスラム圏との対話を深めると表明した。

 事務総長は冷戦時代の産物だったNATOの「戦略概念」の見直しを進めるための専門家グループを作り、オルブライト元米国務長官を座長に指名した。国際テロなどの新たな脅威に対処するための体制作りや、オバマ米政権が掲げる核軍縮への対応などが迫られる。

 ラスムセン氏はデンマーク首相だった4月にNATO首脳会議で選出された。現職首相からNATO事務総長への就任は異例だが、加盟国の増加に伴い、利害を調整する指導力が必要とされることから、ベテラン政治家が適任と判断された。

 デホープスヘッフェル前事務総長の退任に伴い、1日、新事務総長に就任した。

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毎日新聞からですがCNNだと見出しが全然違います。
NATO新事務総長 必要な限りアフガン駐留、住民支援と

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090804-00000018-cnn-int

(CNN) 北大西洋条約機構NATO)の新事務総長に就任したアナス・フォー・ラスムセン前デンマーク首相は3日、ブリュッセルNATO本部で初の記者会見を開き、同機構の最大の課題とするアフガニスタン軍事作戦に触れ、「必要がある限り、同国にとどまり住民を支援する」との方針を明らかにした。

アフガンではNATO主導の国際治安支援部隊ISAF)が米軍と共に軍事作戦の支柱となっている。新事務総長は「アフガンを再び国際テロの中心地に転落させないことがNATOの責務である」と強調した。

ただ、新事務総長としての任期5年の中でアフガンの治安維持での最終的な責任は同国政府に移す政策目標も掲げた。アフガンでは、2001年の米英主導の軍事作戦で政権を追われたイスラム強硬派勢力タリバーンが戦力を立て直して外国軍への攻勢を強め、ISAF軍の犠牲者も増えている。7月の外国軍兵士の死亡者は少なくとも75人とアフガン軍事作戦開始以降、最悪水準となっている。

また、NATO加盟国は軍部隊撤収を早期に求める国内世論も抱え、米国が促すアフガン増派には消極姿勢を見せている。自らの任期内で治安権限を出来るだけアフガン政府に委ねたいとする新事務総長の方針は加盟国内の内情を踏まえたものともなっている。

ラスムセン氏はまた、グルジア紛争などで緊張要因が残る対ロシア関係の新たな方向付けがアフガンに次ぐ課題であるとも述べた。

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まぁ中を読んでみるとそんなに内容変わらないんですけど、見出しで結構印象が変わると思います。やはりCNNはオバマ大統領のアフガニスタン重視の考えを支持する感じなんでしょうか。