イランの核開発プログラムの脅威は「誇張」─IAEA事務局長=米誌

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 9月2日、IAEAエルバラダイ事務局長は米科学誌に、イランの核開発プログラムの脅威は誇張されていると述べた。2007年7月撮影(2009年 ロイター/Herwig Prammer)

 [ウィーン 2日 ロイター] 国際原子力機関IAEA)のエルバラダイ事務局長は米科学誌とのインタビューで、イランが核兵器を製造する可能性は当面はなく、同国の核開発プログラムの脅威は誇張されていると述べた。

 エルバラダイ事務局長は「原子力科学者会報」(Bulletin of the Atomic Scientists)とのインタビューで、イランが核兵器開発プログラムを現在進めていることを示す一連の証拠はないと述べた。

 その上で「イランの核開発プログラムが世界で最大の脅威であるかのように語られている。多くの意味で、こうした脅威は誇張されすぎていると考える」と述べた。

 同事務局長は、イランの将来的な核開発意欲には懸念があるとし、イランはIAEAに対しより多くの情報を開示する必要があると述べた。ただ「朝、目が覚めたらイランが核兵器保有していたなどという考えは、これまでの事実に基づくものではない」と述べた

 インタビューは7月に行われたが、2日夕方に公表された。

 エルバラダイ事務局長は、オバマ米大統領のイランとの対話を進めるとの提案について、緊急に精査する必要があるとしている。ただ、イランが対話に応じない場合に制裁を強化したとしても、効果はほとんどないとの見方を示し、「制裁は最後の手段として使用されるべきこと、罪のない一般市民を苦しめる制裁は回避することをこれまでの経験から学んだ。イラクでみてきたとおり、制裁により、弱い立場にある罪のない一般市民が食料と医薬品を手に入れられなくなる」と述べた

 イランの核開発プログラムをめぐり、2日にドイツで、米国、中国、フランス、英国、ロシアによる高官会議が開かれる。西側諸国はイランに対する4度目の制裁措置導入について中国とロシアを説得したい考え。

 エルバラダイ氏は67歳。IAEA事務局長を12年務めた同氏は、11月に退任する。

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こういう言葉に真摯に世界が耳を傾けてくれればいいのでしょうけど。もちろんイランもまだ果たすべき義務があるはずですが。